市長記者会見記録(退任のごあいさつ) 平成23年4月28日
下記のとおり、市長から退任のあいさつがありました。
正式には任期は明日までですが、退任の日を迎えることになりました。まずはこの12年間、ご支援いただきました市民の皆さんや、叱咤(しった)激励をいただいた多くの方々に厚くお礼を申し上げたいと思います。
特に、記者クラブの皆さんには、定例の記者会見以外にもたくさんの取材をしていただき、小樽市が進めている施策や事業について広報していただいたこと、この場を借りまして、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
私は、昨年の9月2日に、次の市長選挙には出馬しないという表明をいたしました。それから、7か月以上が経過しましたけれども、この3月11日には、千年に一度という巨大な地震と津波が東北と関東地方を襲いました。大変多くの方が亡くなられ、また、現在も行方不明の方もおられますが、ご冥福をお祈りする次第です。さらに、福島の原発事故でありますが、1日も早く収束することを願っています。
現在、日本中、そして世界中からの支援の輪が広がっています。小樽市としても、既に延べ89人の職員を被災地に派遣するなど、できる限りの支援に努めています。長期化も予想される被災地の復興には、全国の自治体も力を結集し、行政機能の回復に全力を挙げているところであり、時間は掛かるかもしれませんが、必ずや復興を成し遂げるものと確信しています。
この7か月の間では、年明け早々から、私にとって最後となる予算編成に取り組みました。これまでの全ての予算編成は、財政再建を進める中で、厳しい制約を伴うものであり、本当に難しい判断を迫られました。「財源があれば、いろいろできた」というのが率直な感想ですが、そうした中にあっても、何とか財源を確保しながら、市長の責務としてさまざまな事業に取り組んできたつもりです。
平成22年度の決算見込みについてですが、最大14億円まで達した一般会計の累積赤字について、計画より2年前倒しで間違いなく解消できるだろうと思っています。
一方で23年度の予算編成に際しては、骨格予算という性格でしたが、建設事業については、最低限必要な枠は確保できたと考えていますし、最大の懸案である、市立病院の統合・新築に係る実施設計についても、私の在任中に発注したいということを議会でも申し上げてきました。この実施設計についても、契約することができました。
退任を迎えるに当たって、「財政再建」と「市立病院の新築・統合」という大きな二つの課題について、このように方向付けができましたことに、心から安堵(あんど)しているところであり、ご協力いただいた多くの皆さんに重ねてお礼申し上げます。
これらを含め、3期目に掲げた公約については、生活環境の整備や子育て支援をはじめ、概ね前へ進めることはできたと考えていますが、中には、中心市街地の活性化など、厳しい状況が続いているものもあります。丸井今井の跡地問題やウィングベイ小樽の再建などですが、行政としての役割が限られていたとはいえ、財政が厳しい中、有効な解決策を見い出せなかったことは、残念でなりません。できれば、新市長のもと、地域経済や市街地の活性化といった大きな枠組みの中で、新たな施策を検討していくなど、積極的な取り組みを進めていただくよう切に願っています。
一昨年の平成21年度からは、市民の皆さんと一緒に作り上げた「第6次小樽市総合計画」がスタートしました。この中では「参加・協働によるまちづくり」を掲げており、行政だけでは解決できない課題を市民の皆さんと協力して取り組み、一体となってまちづくりを進める「協働」の概念を市政運営の基本姿勢の一つとしています。
一方で日本は、千年に一度と言われるこの大災害から、再生への一歩を踏み出そうとしています。厳しい状況が続く中で、人を思いやる多様な価値観へと向かい、地域に住む人々に目を向ける動きも出てきています。こうした変化をみるにつけ、この基本姿勢が今の時代にマッチしており、「ふるさと」を思う市民の皆さんの創造力をもって、新市長と一緒に困難に立ち向かっていけば、総合計画の目指す「誰もが健康で快適に暮らせる地域社会」が実現し、小樽市は発展・飛躍し続けるものと信じています。
3期12年の任期中に、こうした流れの基礎をつくることができましたことに、長年、行政に関わってきた者として喜びを感じるとともに、こうした積み重ねが、市民一人一人の幸せにつながっていくことを願ってやみません。
本日午後、議場で職員に対し退任挨拶を行い、その後は、市職員時代を含めると51年間、通い慣れた市役所をいよいよ去ることになるのですが、だんだんとその実感も少しわいてきました。特に、市長としてのこの12年間は全速力で走ってきました。厳しいときだからこそ、職員との関係も深まり、私にとりましてもっとも充実したと思える日々でした。
明日以降は、「ふるさと小樽」の一市民として市政を見守り、応援し続けたいと思っています。
12年間を締めくくるに当たり、重ねて、記者クラブの皆さん、小樽市民の皆さんに、心より感謝いたします。本当にありがとうございました。