日本製粉株式会社小樽工場(小樽市高島1丁目)

公開日 2020年10月08日

更新日 2020年12月03日

平成27年10月5日(月) 川崎 裕章工場長、小松 一彦製粉チームマネージャーと面談

 

『今年、創業90周年を迎えた老舗工場を訪問!』 

 

日本製粉1       日本製粉2

◇この工場はこの9月で、創業して90年となった。日本製粉の現存する7工場の中では、横浜工場に次いで2番目に古い。この工場ができた当時は、"大正景気"といわれ、食の洋風化と共に製粉業も近代化が進んでいた時代で、小樽もまた華やかな時代だった。道内の日本製粉工場の歴史としては、わが国最初の近代的機械製粉工場となった官営札幌製粉場の後身である札幌製粉の合併(1920年)に由来する。日本製粉という会社は1896年に東京の扇橋というところで設立されたが、札幌官営製粉場がそれ以前から操業していることから、北海道は"日本製粉発祥の地"としている。以来、星のマークや商標、製品名なども当時の札幌製粉の時代のものを引き継いで使い続けている。

◇この工場では近年、非常に順調に操業を続けている。これまでの90年の歴史の中では、低迷した時代などもあったが、ここ数年はよい状況となっている。北海道小麦については、全国的なニーズの高まりもあり、ここで作った小麦粉は、道内のみならず、全国各地に出荷されている。

◇食品市場では"北海道産"のものが非常に好まれている。特にパンやお菓子については、卵・乳製品・砂糖・小麦粉などといった原料のほとんどに道内産を使って質の高い製品が生産されていることから、"オール北海道"というコンセプトでの商品開発も企画されるようになっている。北海道の産業も食品関係を中心に伸びてきており、品質も全般的に高いので、北海道のブランド力が今後もますます発揮されていくのではないかと期待している。

◇この工場は、外国産小麦の使用なども視野に入れて港湾施設の整った小樽に建設されたが、小樽は鉄道が早く、全国で3番目、北海道では初めてと、早くから鉄道網が整備されたまちであるということも関係しているのだろう。一方、この工場の場所には、もともと倉庫が建っていたらしい。大正時代に、一世を風靡した総合商社のグループ会社が所有していたものを日本製粉が譲り受けたものである。

◇この工場そのものにも歴史があるが、以前にベストセラーとなった「海賊と呼ばれた男」という本にも日本製粉のことが出ており、この会社自体も明治時代からの古い様々な歴史があることが感じられる。当時、まだ日本には特に大した産業もなかった時代であり、この会社は産業界全体のリーダー的な立場にあったのではないかと思う。この工場で自慢できる大きなことと言えば、戦前から存在する工場として、戦中戦後を含めて一度も操業を止めたことがないということである。これは、大きな戦災を受けなかった北海道という立地的な要因もあるのかもしれない。戦争中は会社もフィリピン、中国、朝鮮半島などに進出し、終戦では大打撃を受け、財閥解体で戦後、分割の危機なども体験している。そうした中をくぐって今に到っている。

◇工場の品質管理体制としては、昨今、食の安全に対する消費者のニーズも高まり、また、食品安全基準などもどんどんと変わってきている中、相応の評価を受けている。新鋭の工場に比べると機械設備の面で老朽化したものがあったりもするが、食品管理という中で日本製粉グループの中でひとつの基準を設け、その中で細心の注意を払って安全管理や品質管理について取り組んでいる。

◇地域の学校教育への協力として、工場見学の受け入れなどもしているが、小樽の子供達より後志の町村の高学年の見学が多い。ただ、製粉工場には危険なところも多いので、見学時には児童の安全に細心の注意を払い、対応している。

◇製粉工場内の主要な機械設備は3種類ほどだが、小さなモーターや部品は何千基にも及ぶ。また、機械自体も非常に重量があるので、建物自体も頑丈であることが必要。小麦の製造工程としては、風力、重力を使い、粉砕していく方法が基本となっている。

◇この工場は一般消費者向けの商品は作っておらず、業務用のみである。日本製粉全体の小麦粉のシェアについては23%程度。同社の主要製造品目は、小麦粉、パスタ、プレミックス製品などであるが、それぞれでシェアは異なる。小麦粉については製造能力により各社のシェアはほぼ安定している。北海道においては、日本製粉の小麦粉のシェアは全国平均よりも若干高く、地元に工場があることで顧客との関係が深いことなどが要因となっているものと思われる。この工場は最大需要地である札幌が近いことが利点であるが、道内では他にも名門の製粉会社などが多く、各社、元気で競争している状況である。

◇原料の仕入れ先としては、現在、道内のもののほかに外国産も使っている。道産小麦の主な産地としては、十勝、北見などがあげられる。出荷ルートとしては、この工場から直接、問屋やユーザーに配送している。また、北海道産の小麦粉は安全性が高く、味や色もよいので好評で、ここから本州に出荷することもある。

◇道内にはまだまだ土地があるようにも思えるが、現在の小麦の耕作地約12万ヘクタールが大幅に増える見通しはなく、今後、道産小麦を増産していくことは容易でない。しかし、日本の単位あたりの収穫量は外国よりずっと高く、今後、さらにそれを引き上げていくことができれば生産量を増やしていくことは可能である。今年、単位あたりの収量が過去最高を記録した地域もあり、今後の北海道の小麦の生産量には期待できるだろう。同社の社員も、道内農家や農協、農業試験場などをまわり、日頃から生産現場の実態把握などを心がけている。

◇この工場では、技術を駆使して道産の小麦を活用した特長ある小麦粉の生産を手がけている。道産小麦は、長年に亘る生産者と需要者の取り組みによって需給バランスも整備され、また、品種改良の成果もあって、幅広い用途に対応できる色々な種類が生産されている。

◇工場としては、地元小樽への貢献をもっとしていきたいと考えている。例えば、地元の名物「小樽あんかけ焼そば」や"観光地小樽"のお土産品などに地元で生産された小麦粉を活用してもらえるよう、地域活動にも積極的に取り組んでいきたいと思っている。

 

【外部リンク】 日本製粉株式会社ホームページ → http://www.nippn.co.jp/

 

お問い合わせ

産業港湾部 産業振興課
住所:〒047-8660 小樽市花園2丁目12番1号
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FAX:0134-33-7432
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