市長の会社訪問 中ノ目製菓株式会社(小樽市奥沢3丁目)

公開日 2020年10月08日

更新日 2021年02月02日

平成27年10月16日(金) 中ノ目 孝道代表取締役と面談

 

『“十勝金時甘納豆”がスーパーマーケットトレードショー・フード30選に選出!』

 

中ノ目製菓1               中ノ目製菓2

◇今年2月に東京で開催された「スーパーマーケットトレードショー2015」という全国的規模の展示会にて当社の「十勝金時甘納豆」が「スーパーマーケットで買いたい!フード30選2015に選ばれた。

これは、大手食品メーカーなども含む日本中の500社以上の全ての商品の中から選ばれたもの。今回、市から勧められて初めて参加したが、非常に大きな出来事であると認識している。

当社は甘納豆を一筋に作っている会社で、あれもこれも作っている会社ではない。この高評価を受けてブランド力というものがついた。例えば、今までは“甘納豆というものは全部同じではないか”などとも言われていたのが、このおかげで当社の商品の価値が認められるようになり、品質がいいと言われるようになった。価格の値引きを求められることなども少なくなった。

◇本州に本格的に出荷するようになったのは今から12年ほど前からであるが、最近は、デパートなどの北海道物産展で当社が販売数量で1位になったこともあり、現在では全国50店舗以上の百貨店や大手スーパーの物産展などにも商品を出している。

今回、「フード30選」に選ばれたことがきっかけで、さらに販路が広がり、取引先も増えてきた。注文は本州の店から直接入ることもあり、その場合、馴染みの問屋を通して卸すことになる。菓子関係の問屋はかなり集約されてきているので、ルートはそれほど多くはない。デパートなどは、直接バイヤーから注文が来るが、首都圏のデパートなどにもよく出しており、北海道物産展などがある春と秋の年2回の時期を中心に出荷している状況である。

また、平成25年には全国菓子工業組合連合会の広島で行われた4年に一度の博覧会で栄誉大賞を受賞した。これはスーパーマーケットトレードショーとは違い、全国の和菓子屋の業界の博覧会である。

◇菓子業界の景気は大きな振幅はなく、割と安定しているのではないか。当社の売り上げも少しずつ伸びている。小樽の4社で道内の甘納豆製造の9割を占めている。道内のどこでも甘納豆を買うと、“小樽製”といった状況ではないか。繁忙期には1日に2万パックを製造することもある。

◇当社の機械設備は、3年前に計量機と自動包装機と印字、金属探知機とセットになったものを導入した。非常に高額な機械である。また、この他にも毎年、設備の維持、更新などに数百万円単位の費用がかかっている。製品の品質維持も大きな課題である。特に十勝産でも畑により豆の硬さなどに偏りが出たりするので気を遣う。試し炊きなどのチェックも欠かせない。

◇当社の甘納豆を使ってケーキなどを作る人も多い。金時、小豆、白花の3種類の甘納豆を入れてパウンドケーキのような菓子を作ると、スライスした時に3種類の豆がきれいに出て、見た目も良く、味わい深い。甘納豆はヨーグルトやアイスクリームに入れても美味しく食べられると思う。また、甘納豆で“しるこ”を作ったり、煮豆にするなどの転用方法もあり、定着するといいと思っている。豆は最初から炊いて作ると、とても時間がかかるので当社の甘納豆を使って気軽に色々なものを作ってもらいたい。また、当社でも、もっと甘納豆を使ったレシピを開発していきたい。

◇「北海道白花甘納豆」に関しては、原料の安定的確保が難しく、なかなか量を生産することができない。また、スーパーなどでも“棚割り”と呼ばれる陳列棚のスペースの関係で、店頭に並ぶ機会は他の2品よりも少ないが、物産展などには出している。

高級料亭の会席料理に白花が一粒だけ盛り付けられて使われたりすることもある。原料の豆の産地は常呂郡留辺蘂町で、近くにある温根湯温泉の名物にもなっている。

◇味が悪ければ食品メーカーはダメであり、良い商品を作り続けていかないと続かない。そのため、まずは品質を良くすることを一番に心がけている。

また、日々の製造の中でも、出来上がりが硬めだったりすると煮る時間を調節したり、不揃いな甘納豆を選別したりと製品調整には苦労することも多い。機械任せではいいものはできない。パッケージの日付の印字が不鮮明だったり、シールがきれいに貼られていないということでも、結果として品質がよくないという評価につながるので気をつけている。

中ノ目製菓3                  中ノ目製菓4

◇豆はポリフェノールや食物繊維を豊富に含んでおり、身体のバランスを整える働きがあるとされている。甘納豆の甘さを敬遠する人もいるが、身体機能を調整する効果は高いと思う。十勝原産の豆は残留農薬の低さでも定評があり、以前、当社の製品が健康自然食品の専門店で取り扱われていたこともある。

◇味自体は昔と比べると、多少甘さが控えめになってきているかもしれない。パッケージは何種類か用意してあり、変えることもあるが、パッケージが売れ行きに影響することはあまりないと考えている。お客様も外装にはあまりこだわらないのではないか。それよりも馴染みのデザインの方が受け入れてもらいやすいかもしれない。

◇東京などのブランドメーカーではずいぶん値段も高く、高級な箱に入った甘納豆もあるが、味は当社と変わらないのではないか。高級そうに見える製品は見栄えはいいが、自分が食べるものであれば外装のよさよりも値段が安い方がいいのではないか。また、どんどん新しい商品を作れと言う人もいるが、他と似たようなものを作っても仕方がないので、当社としては、オンリーワンを目指している。

◇当社の甘納豆製造の歴史は戦後から始まった。昭和26年までは砂糖が充分に入手できず菓子類の製造が制約された。当初、先代社長はそれまで営んでいた豆腐屋の設備を使って、でん粉で「飴」を製造していた。その後、砂糖が国の統制から外れて自由に入手できるようになり、次第に「飴屋」の競争が激しくなってきたことから、甘納豆の製造に切り替えたということである。物のない時代であり、甘いものは“飛ぶように”売れたが、原料も物流も資金もない時代であり、当時の人たちは寝る間も惜しんで働いたと聞いている。当時の人はビジネスに対して夢があったため、獅子奮迅の努力をしたなと感じた。

◇甘納豆は海外の人にも好まれているようだ。身内がドイツにいるので、しばしば送ることがあるが大変喜ばれる。ただ、中身よりも送料の方が高くついてしまう。韓国や中国などでもよく売れるが、物流面で問題があり、送るのに日数がかかり過ぎる。賞味期限は45日間で難しい。また、国内でも関西、九州への出荷は非常に日数がかかるため、物流面の課題がある。荷物が集中する時期や台風のシーズンなどに遅れる心配がある。配送が確実な業者はコストが高く利用が難しい。これは小樽市の食品業界全般に共通した問題だと思っている。

◇小樽の小さな企業や店は、せっかく良い製品を作っても販売力が弱いのがネックだ。もし、堺町通りなどの人が集まる場所に、こうした小樽の製品を扱うアンテナショップのような売り場があればいいと思っている。そうすると小樽の製品を外国人観光客にももっとアピールできるのではないか。観光客は滞在時間が限られており、うまく店へと誘導することが重要だ。観光バスのルートに入るような場所が望ましい。ここへ来れば小樽のものが何でもあるという形は観光客だけでなく、バイヤーなどにも魅力があるのではないか。こうした店舗の実現には、希望する企業に出資を募るなど色々な手法があるのではないかと思っている。

小樽の製造業界を活性化していくためには、こうした小樽産品の売り場づくりと、前述の物流の課題の解決が必要である。

◇TPPの問題は、北海道の経済や農業にとって両方の面があるのではないか。経済が4割拡大するとも言われているが農家には海外との競争にさらされ、マイナス面の予想される。新たな6次産業化で道内産の原料に付加価値をつけていくべきとの意見もあるが、甘納豆の製造を例にとっても新しい製品の開発は簡単なことではない。どんなものでも新たな製品の生産には工場のラインの改修など大きな問題が付随するので、最初にいかに初期投資を抑えて、コストのかからないものを見出していくかが重要だと思っている。食品の製造の基準は、アレルギーの問題などで非常に厳しく、使用している原材料の全てを表示しなくてはならない。色々な製品を作っている工場だと使用していない物質の付着の可能性があり、完璧に排除するのは難しい。かと言って、品目ごとに製造ラインを用意するのも難しいので、同じ製造ラインで作ることができるものは非常に限られている。まったく新規の製品を作るということは簡単ではないということである。

 

【外部リンク】 中ノ目製菓株式会社ホームページ → http://www.nakanome.com/

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産業港湾部 産業振興課
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