公開日 2020年12月07日
更新日 2021年03月18日
手付かずの海岸と深い森に囲まれた小樽市は、豊かな自然と多様な動植物に出会えるまちです。野生の植物はこれまでに800種以上が
確認されており、希少な種類も少なくありません。
また、自然の中の散策と野の花の観察を楽しめる場所が、市街地から遠くない場所に豊富にあることも小樽市の魅力です。祝津からオタ
モイまでの小樽海岸自然探勝路や長橋なえぼ公園、旭展望台、少し足を伸ばして銭函海岸、塩谷丸山など多くの「花の名所」が市内各地に
あります。
(掲載の写真は小樽市総合博物館の提供です)
・カタクリ(片栗) ユリ科 高さ 10〜15cm 花の時期 4〜5月
早春を代表する野草の一つです。小樽市内には群生地がたくさんあり、長橋なえぼ公園、旭展望台、赤岩山などの群落が見事です。木々
が葉をつけ森が暗くなり始める晩春のころには姿を消してしまいます。
・エゾエンゴサク(蝦夷延胡索) ケシ科 高さ 10〜25cm 花の時期 4〜5月
早春の森でたくさん見られる花で、市内各地に自生します。花の色は青が基本ですが変化が多く、水色や紫色、白色の花も見られます。
・ナニワズ(難波津) ジンチョウゲ科 高さ 約50cm 花の時期 4〜5月
雪どけ間もない林内で、黄色い花を咲かせる低木です。市内各地で見られます。夏になると落葉してしまうので「ナツボウズ」という別名が
あります。
・ザゼンソウ(座禅草) サトイモ科 高さ 20〜40cm 花の時期 4〜5月
湿地に生育する植物で、市内では長橋なえぼ公園に大きな群落があります。花が発熱するという変わった特徴があり、まだ寒い頃に小さな
虫を集めて花粉を運ばせます。
・ナガハシスミレ(長嘴菫) スミレ科 高さ10〜20cm 花の時期 5月
スミレ類は種類の識別が難しい植物ですが、このスミレは花弁の後部にある距という部分が長く突き出すことで他の種類と簡単に見分けら
れます。北海道では主に南部で見られ、道央圏ではとても珍しい植物です。小樽では山地に自生地があります。
・クルマバソウ(車葉草) アカネ科 高さ20〜40cm 花の時期 5月〜7月
初夏の森で普通に見られる植物で、市内各地に自生します。円を描くように並んだ6〜10枚の葉が特徴です。乾燥すると良い香りのする
植物で、ヨーロッパではハーブとして親しまれています。
・クルマバツクバネソウ(車葉衝羽根草) ユリ科 高さ20〜30cm 花の時期 5月〜6月
初夏の森で普通に見られる植物で、市内各地に自生します。長く伸びた黄色の雄しべと、黒紫色の雌しべが美しい花です。車輪状に広がる
大きな葉もよく目立ちます。
・サイハイラン(采配蘭) ラン科 高さ 30〜50cm 花の時期 6月
初夏の森で見られる植物で、市内各地に自生します。花が無い時期も大きな葉が目立ちます。名前の由来は武将が指揮をとるために使った
「采配(さいはい)」に姿を見たてたものです。
・ハマナス(花茄子・浜梨) バラ科 高さ50〜150cm 花の時期 6〜8月
「北海道の花」に指定されている北国を代表する植物で、砂浜の海岸に群落をつくります。市内では銭函の海岸に大規模な自生地があります。
・バシクルモン キョウチクトウ科 高さ 40〜70cm 花の時期 7月
海岸の岩場や石が多い場所に生える植物で、7月に香りの良い花を咲かせます。日本で初めて見つかったのが小樽市西部の忍路地区で、オ
ショロソウという別名があります。絶滅危惧II類に指定されてます。
・エゾマンテマ(蝦夷まんてま) ナデシコ科 高さ 20〜40cm 花の時期 7〜8月
海岸や山地の岩に生える植物。深い切れ込みのある花弁と、細長い雄しべが美しい花です。絶滅危惧IA類に指定されている貴重な植物で、
市内では数ヶ所に自生地があります。
・キキョウ(桔梗) キキョウ科 高さ 20〜60cm 花の時期 7〜8月
秋の七草の一つとして古くから親しまれている花ですが、野生のものは全国的に少なくなっています。市内では海岸に少数の自生地があります。
絶滅危惧II類に指定されています。