小樽雪あかりの路-2019.2.8~2.17


長い長い  励ましの坂

 手宮のバスターミナルから煤田山(ばいでんやま)の項上にある末広中学校までは、904メートルあり、標高差は83メートル、最大斜度は24パーセントあります。車ではあっという間の道のりも、徒歩では約20分かかります。
 地域に住まう方々のこの坂に対しての思いは、筆舌に早くしがたいものがあります。
 この坂は、登りもさることながら、下りの方も大変なのです。特に、冬の雪が降った日などは滑りやすいので、からだ全体で足元に注意を払って下ります。「もしも滑って転び、骨折でもしたらどうしよう。周りに迷惑をかけるし、完治するまでひ励ましのさかと苦労だ。ああ怪我などまっぴらご免だ」そんな思いから一歩一歩に全神経を集中して坂を下るのです。
 しかし、今度は帰りの 「登り」 が、また大変です。比較的ゆるやかなのは、手宮小学校のところまで。そこを過ぎると胸突き八丁、まるで山登りでもしているような感じです。ハァハァと呼吸を荒げ、背を丸め、うつむき加減にしてがんばって登っていきます。全身汗みどろのまさに 「奮闘」なのです。
 この坂を誰言うとなく「励ましの坂」というようになりました。そして、そこを登るとき「人生は重荷を負うて煤田山を登るが如し、急ぐべからず、ただただ無心に励むべし。他人が困っていたならば手を貸し、慰めの言葉をかけ、共に健やかに生きている喜びをかみしめるべし」 と呪文のようにつぶやきながら登ります。「励ましの坂」とは、言いえて妙であり、よく命名したものだと思います。そして、「励ましの坂」を登りつめると、目の前には洋々たる海原が広がっているのです。

協力:小樽史談会

励ましの坂の地図

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