小樽ゆき物語


社ヶ丘の坂  住吉神社と船上山

 住吉神社の前から、奥沢十字街に向けて国道5号を下りていくと、右手に幅の広い急な坂があります。坂の上り口にある道路標識には坂のこう配が16%と書かれています。これが、今回ご紹介する社ヶ丘(やしろがおか)の坂です。
 この坂のあるあたりは、昔から社ヶ丘と呼ばれており、それが坂の名前の由来となっています。坂の名前にある「社」は神社の意味で、これはもちろん住吉神社から来ているものです。
 坂は取り付きから急な上りです。これだけ急な坂だと、ロードヒーティングのある今と違い、かつては冬の雪道で滑って難儀しただろうことが想像されます。しばらく上ると、こう配が緩やかになります。一息ついて振り返ると港の防波堤と、赤と白の二つの灯台が目に飛び込んで来ます。
 神社の社務所を過ぎたところに、坂道から境内に降りていく、小さな石段があるのに気付きます。この石段は、社ヶ丘の町内の皆さんが、まちへの近道として、また冬の滑る坂道を避けて神社の境内を通るために、昭和56年に神社に寄付したものです。地域の皆さんの暮らしに、神社が自然に溶け込んでいることを感じさせられる話です。社ヶ丘の坂
 この石段から神社に入ると、ハルニレやイチョウの大木が立ち並んでいます。市中心部にある、この貴重な緑は、昭和47年に北海道の環境緑地保護地区に、また平成5年には市の保全樹林にも指定されています。
 社ヶ丘の坂の右手、神社本殿の後ろには小高い丘があります。ここはカラマツ林で、住吉神社の鎮守の森となっています。この丘の名前は、古い絵地図には「船上山(ふなかみやま)」と記されています。 
 現在では頂上への道はやぶに覆われていますが、頂上には市中心部では珍しい、国土地理院の三等三角点の標石があり、標高は87メートルあります。
 住吉神社の宮司のお話しでは、明治32年に神社を移転した際、港とまちが一望できる場所にと選ばれたのがこの船上山でした。当時の写真では、山に木は生えておらず、頂上からは、港に停泊する船の姿が手に取るように見えたことでしょう。今では知る人も少ない、この船上山という地名にも港町らしさが感じられます。

社ヶ丘の坂の地図

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