紅葉の小樽運河

各部の名称と働き

蒸気機関車であるアイアンホース号は私達が普段利用する電車やディーゼル気動車とはまったく異なる仕組みで動いています。アイアンホース号は乗って楽しむだけでなく、現代では見る機会の少ない蒸気機関車のメカニズムを間近に見学できることが大きな魅力です。
白い蒸気を上げてシリンダーが往復し、主連棒が力強く動輪を回す。鉄の部品が生み出す重量感のある動きには一見の価値があります。

 

アイアンホース号各部の名称

 

1.カウキャッチャー

動物などの障害物を受け止め跳ね飛ばすための部品。連結棒も格納します。初期のアメリカの蒸気機関車の特徴の一つです。


2.先輪

カーブで車体の安定を補助する動力の伝わらない車輪。


3.蒸気室

内部のピストン弁の働きによってシリンダーへ送る蒸気の方向を調整します。


4.シリンダー

ボイラーで発生した高圧の蒸気で内部のピストンが押され、動力が生まれます。


5.動輪

シリンダーから伝わる動力で回転し、機関車を動かす車輪。アイアンホース号には3つの動輪があります。


6.主連棒

シリンダーの動力を動輪へ伝えます。動輪の中心とはクランクピンを介して接続され、往復運動が回転運動に変わります。


7.クロスヘッド

シリンダーと主連棒を接続し、往復運動を回転運動に変えるための部品です。


8.連結棒

動輪間をつなぎ、主動輪へ伝えられた動力を他の動輪へ伝えます。


9.火室

燃料を燃焼させて高温の燃焼ガスを作る場所です。アイアンホース号は燃料に重油を使用します。


10.ボイラー

動力の源である高圧の水蒸気を発生させます。煙管という細いパイプの周りを水が満たしており、火室から煙管に流れる燃焼ガスの熱によって水から水蒸気を発生させます。蒸気はボイラー上部の蒸気溜に集められます。


11.煙室

火室から煙管を通った燃焼ガスを集め、煙突から排出します。


12.煙突

煙室に集まった煙を排出します。シリンダーで使い終わった蒸気を利用して一気に排出する仕組みになっており、火室の燃焼を助ける役割も果たします。


13.蒸気溜

ボイラーで作られた蒸気が集められるドーム型の容器。機関士が加減弁を操作すると蒸気がシリンダーへ送られ、動力が生まれます。


14.安全弁

ボイラーの圧力が高くなり過ぎた時に蒸気を放出するための装備です。2基設置されています。


15.砂箱

スリップを防ぐためレールに撒く砂を貯める容器です。アイアンホース号には前後2つの砂箱があります。


16.鐘

初期のアメリカの蒸気機関車に見られる装備で、汽笛の代わりに周囲に注意をうながします。


17.汽笛

蒸気の力で鳴る笛です。


18.空気圧縮機

蒸気の力を使って圧縮空気を作ります。圧縮空気はブレーキの作用に使われます。


19.運転室

日本の国産蒸気機関車は機関士の運転席は左側ですが、アイアンホース号は右側にあります。

 

アイアンホース号の運転室

普段は見ることができない運転室の様子です。ボイラーを制御するための計器やハンドルが特徴的です。走行や制動を受け持つ機関士とボイラーを受け持つ機関助手の二人一組で運転を行います。

 

アイアンホース号の運転室

 

20.見送り給油器

シリンダーや空気圧縮機に潤滑油を送る装置。油は蒸気の力で各部に送られます。


21.ボイラー圧力計

ボイラーで発生する蒸気の圧力を示します。


22.ブレーキ弁圧力計

ブレーキ作動用の圧縮空気の圧力を示します。


23.インゼクター(注水機)

ボイラーに水を送り込む装置。


24.蒸気分配箱

ボイラーから蒸気を空気圧縮機に送り、ブレーキを作動するための圧縮空気を作ります。


25.砂撒きハンドル

砂箱に貯めている砂をレールに撒くためのハンドル。博物館構内の運行では使用しません。


26.加減弁開閉テコ

ボイラーの蒸気をシリンダーに送り込みます。自動車のアクセルに相当します。


27.水面計

ボイラーの水位を示します。左右二ヶ所にあります。


28.焚き口

重油の点火に使います。本来は石炭を火室に投入する場所です。


29.燃料調整コック

火室へ送る燃料の量を調整します。

 

蒸気機関車のしくみ

蒸気機関車はボイラーで発生した蒸気の圧力でシリンダーを往復させ、クランク機構によって動輪を回転させて走行します。
蒸気機関車は19世紀初期、イギリスの技術者リチャード・トレビシックによって発明され、イギリスのスチーブンソン親子により実用化されました。画期的な輸送システムとして瞬く間に世界に広がっていきました。

 

蒸気機関車の構造

 

ボイラーの仕組み

ボイラーは燃料を燃やす火室と、火室の燃焼ガスが通る煙管、そして煙管を包み込む水の容器で構成されます。煙管に伝わった熱が周囲の水を沸騰させ、動力の源である水蒸気が発生します。容器内は高圧になり、水の沸点は200度を超えます。
また、蒸気機関車のボイラーには飽和式と過熱式の二タイプがあります。過熱式は発生した蒸気をもう一度煙管の中に往復させて温度と圧力を高める方式で、より大きなパワーを効率的に得ることができる機構です。
アイアンホース号は飽和式の蒸気機関車で、蒸気をそのままシリンダーへ送り込む単純な仕組みになっています。
 

ボイラーの仕組み

 

シリンダーと動輪

ボイラーで発生した蒸気はシリンダーに送られ、蒸気の圧力でピストンが動き、往復運動が生まれます。ピストンの動きはクロスヘッドを介して主連棒に伝えられ、主連棒が動輪を回転させます。
シリンダー上部の蒸気室にはピストン弁という機構があり、これによって蒸気の流れの方向がコントロールされます。蒸気がピストンの前後に交互に導かれることで、効率的な往復運動が生まれます。

図の1に蒸気が送られシリンダーが右へ押されると、2の蒸気が3を通って排出されます。
動輪の動きによってピストン弁が右へ動くと、今度は蒸気は4に送られ、今度は5の蒸気が6を通って排出されます。これが交互に繰り返されます。

 

ピストン弁の動きと蒸気の流れ

 

蒸気機関車アイアンホース号復活プロジェクト

 

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