小樽ゆき物語

石狩湾に上位蜃気楼が発生する仕組み

 春から初夏にかけては、陸地の気温が高くなり、そして石狩湾の海面温度は陸地の気温に比べ低い状態です。そのような4月から7月の期間で、気温が高くなるポカポカ陽気の日に、石狩湾で上位蜃気楼が発生する可能性が高くなります。

 

 石狩湾に上位蜃気楼が発生するための仕組みをまとめると次のようになります。

 

 天気が晴れで日射があることにより、石狩湾岸の陸地の気温は高くなります。その日、札幌で風速3m程度の穏やかな南寄りの風が吹いていると、陸地の暖かな空気が石狩湾上へ移り流れていきます。そして、あるきっかけ(現在研究中)で石狩湾沖合の冷たい空気がその暖かい空気の下に吹き込むことによって、石狩湾上に、上層が暖かく下層が冷たい空気の構造ができます。そのような「上暖下冷」の空気層を通る光は、その境界で屈折することによって凸状に進みます。その結果、対岸の景色の上方に虚像が見えるのです。

 

空気の流れの図

石狩湾に上位蜃気楼が発生する時の空気の動き

 

上位蜃気楼の温度構造 

上位蜃気楼が発生している時の空気の温度構造と光の経路

 

 上記のような条件が揃ったからと言って、必ず蜃気楼が発生する訳でもなく、また条件が揃っていなくても発生する場合があります。蜃気楼が発生するための仕組みは、まだよく分かっていない部分もあります。

 現在の研究段階では、上位蜃気楼がどのような日に発生するのか予測できるようになってきましたが、発生の時刻や継続時間、場所や方角、そして規模などについては予測できないのが現状です。

 さらに、蜃気楼発生条件がそろっていても、もやなどで対岸の景色が確認できないこともよくあり、どれくらい遠くまで見渡せるかを予測することも、とても難しいのが現状です。

 

今後、より多くの蜃気楼を観測することで、蜃気楼発生のための仕組みが解明されていくことでしょう。

 

石狩湾における蜃気楼の発生予報と観測速報の情報発信については、こちらを参考にしてください。

 

 

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