中東呼吸器症候群(MERS)について

公開日 2020年10月16日

更新日 2020年12月11日

 中東呼吸器症候群(MERS)はMERSコロナウイルスによる感染症で、平成24年(2012年)9月以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域で広く発生している重症呼吸器感染症です。また、その地域を旅行などで訪問した人が、帰国してから発症するケースも多数報告されています。元々基礎疾患のある人や高齢者で重症化しやすい傾向があります。

 

感染経路

 ヒトコブラクダが、保有宿主(感染源動物)であると言われており、MERSが発生している中東地域では、ラクダと接触したり、ラクダの未加熱肉や未殺菌乳を摂取することが感染するリスクがあると考えられます。また、家族間、感染対策が不十分な医療機関など、発症した人と濃厚接触した人での感染も報告されています。これらは、咳などによる飛沫感染や接触感染によるものであると考えられています。

 

症状

 主な症状は、発熱、せき、息切れなどです。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で、重症化する傾向があります。中東地域からMERSの確定患者としてWHOに報告された者のうち、症状が悪化して死亡する割合は、約35%とされています。

 現在のところ、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、患者の症状に応じた治療(対症療法)を行います。

 

予防と対策

 ◎中東地域に渡航する予定のある方は、あらかじめ検疫所ホームページ、外務省海外安全ホームページ、在外日本国大使館ホームページなどで最新情報を確認してください。現段階では、WHOは、サウジアラビアを含め、ウイルス感染が及んだ国への渡航や貿易に対する制限をしていませんが、中東地域に渡航、滞在される予定の方は最新の情報に御注意ください。

 

 厚生労働省ホームページ「中東呼吸器症候群(MERS)について」(外部サイト)

 検疫所ホームページ「海外感染症発生情報」(外部サイト)

 検疫所ホームページ「中東に渡航する方へ」<中東呼吸器症候群に関する注意>(外部サイト)

 外務省海外安全ホームページ「海外安全情報(新着情報)」(外部サイト)

 厚生労働省ホームページ中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A(外部サイト)

 

 ◎中東地域からの帰国時に発熱や咳などの症状がある方は、空港内等の検疫官へ御相談ください。帰国後14日以内に、発熱や咳などの症状がみられた場合は、直接医療機関には行かず、保健所に御連絡ください。

 【連絡先】

 小樽市保健所健康増進課結核・感染症サブグループ

 電話:0134-22-3110(平日)、0134-22-3117(夜間、休日)

 

 ◎海外渡航時の予防として、手洗いの励行や動物との接触を避けるなど、一般的な衛生対策を心がけてください。咳、発熱などの症状がある人や動物(ラクダを含む)との接触を最小限にするとともに、咳エチケット([1]マスクをする、[2]咳・くしゃみの際はティッシュペーパーなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむける、[3]使用したティッシュペーパーはゴミ箱に捨て、手を洗うなど)を実行しましょう。

 

医療機関の皆様へ

 院内感染対策を徹底するとともに、MERSへの感染が疑われる患者(以下)、又は無症状病原体保有者を診察した場合は、速やかに小樽市保健所健康増進課に情報提供いただきますよう、御協力をお願いいたします。

 

MERSを疑う患者の要件

1.38℃以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し、かつ臨床的又は放射線学的に肺炎、ARDS等の肺病変が疑われる者であって、発症前14日以内に流行国(※1)において、MERSであることが確定した患者との接触歴があるもの又はヒトコブラクダとの濃厚接触歴(※2)があるもの

 

2.発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14日以内にMERSであることが確定した患者を診察、看護若しくは介護していたもの、MERSであることが確定した患者と同居(当該患者が入院する病室又は病棟に滞在した場合を含む。)していたもの又はMERSであることが確定した患者の気道分泌液、体液等の汚染物質に直接触れたもの

 

※1.流行国:中東地域の一部
なお、届出基準における第3の5の(4)感染が疑われる患者の要件における「WHOの公表内容から中東呼吸器症候群の初発例の発生が確認されている地域」についても、「中東地域の一部」とする。

 

※2.ヒトコブラクダとの濃厚接触歴

 ヒトコブラクダの鼻や口等との接触(ヒトコブラクダから顔を舐められるなど)や、ヒトコブラクダの生のミルクや非加熱の肉などの摂取

 

【連絡先】

 小樽市保健所健康増進課結核・感染症サブグループ

 電話:0134-22-3110(平日)、0134-22-3117(夜間、休日)

 

MERSを疑う患者の具体的対応方法

1.患者には、サージカルマスクを着用させ、できるかぎり他の患者との接触を避けて待機させてください。

 

2.標準的予防策および飛沫感染予防策(※3)を徹底の上、MERSを疑う患者の要件に該当するかどうか必要な問診・診察をお願いします。

(患者の年齢・性別、症状及び経過、渡航歴、MERS患者との接触状況、同居家族等について確認させていただきますので、御協力ください。)

 

3.MERSを疑う患者の要件に該当する場合は、小樽市保健所健康増進課に御連絡ください。

 

※3.サージカルマスク(エアロゾル発生の可能性が考えられる場合はN95マスク)、手袋、ガウン、目の防護具(湿性生体物質の暴露が

考えられる場合)等。

 

詳細については「中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応について」(平成29年7月7日付け厚生労働省健康局結核感染症課長通知)[PDF:1.49MB]を御確認ください。

 

関連リンク

中東呼吸器症候群(MERS)の発生時の対応等、自治体・医療機関向けの情報について

 厚生労働省ホームページ「中東呼吸器症候群(MERS)について」(外部サイト)

 

中東呼吸器症候群(MERS)のリスクアセスメント、発生状況などについて

 国立感染症研究所ホームページ「中東呼吸器症候群(MERS)」(外部サイト)

お問い合わせ

保健所 健康増進課
住所:〒047-0008 小樽市築港11番1号 ウイングベイ小樽1番街 4階
TEL:0134-22-3110
FAX:0134-22-1469
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