公開日 2021年01月29日
更新日 2024年09月04日
北海道では、これまで40年以上も日本脳炎の患者はなく、感染を媒介する蚊(日本では主にコガタアカイエカ)の生息が確認されていないため、日本脳炎の予防接種を行う必要がないと認められる区域に指定されており、定期予防接種を実施していませんでした。
しかしながら、道民が日本脳炎の発生している道外や海外に行き来する機会は増えていること、温暖化による日本脳炎媒介蚊生息域が拡大する懸念があること等により、平成28年4月1日から北海道でも定期接種を実施することとなりました。
日本脳炎予防接種についての詳細は、以下のとおりです。
日本脳炎について
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスの感染によって起こります。
人から直接ではなく、ブタなどの体内で増えたウイルスが蚊によって媒介され感染し、人から人への感染はしません。
7〜10日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。
感染者全てが発症するわけではなく、感染者のうち100〜1,000人に1人が脳炎等を発症します。
脳炎のほか髄膜炎や夏風邪様症状で終わる人もいます。
脳炎にかかったときの死亡率は、約20〜40%ですが、神経の後遺症を残す人が多くいます。
日本脳炎ワクチンについて
ワクチンの効果や副反応についての詳細は、以下のとおりとなっております。
【ワクチンの効果について】
日本脳炎ワクチンを接種することにより、日本脳炎の罹患リスクを75%~95%減らすことができると報告されています。
【ワクチンの副反応について】
副反応の主なものは、発熱、せき、鼻水、注射部位の赤み・腫れなどです。これらの副反応のほとんどは接種後3日目までに見られています。
極めて稀に起こる副反応として、ショック、アナフィラキシー(通常接種後30分以内に起こるひどいアレルギー反応のこと)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎、脳症、けいれん、血小板減少性紫斑病などです。
平成26年10月1日から平成26年12月31日の間に厚生労働省にワクチン接種との因果関係の有無にかかわらず医療機関から報告された重篤症例は5例で、頻度は0.0006%、死亡例の報告はなく、5例全て回復しています。
日本脳炎予防接種の対象者及びスケジュールについて
日本脳炎については、北海道を除く地域ではこれまでも、定期の予防接種が行われていますが、平成17年にマウス脳による製法の日本脳炎ワクチンを接種した後に重症ADEM(急性散在性脳脊髄炎)を発生した事例があったことから、より慎重を期するため、接種の積極的な勧奨を差し控えていました。
その後、新たに乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンが、平成21年2月に薬事法に基づく承認を受け、定期予防接種に使用できるワクチンとなったため、積極的勧奨が再開いたしましたが、接種対象者で積極的勧奨の差し控えの間に接種機会を逃した者への経過措置が行われることになりました。
なお、平成16年4月2日〜平成19年4月1日までの間に生まれた方は、特例措置の対象となっております。
生年月日により、対象期間やスケジュールが異なりますので、詳しくは、以下を御覧ください。
平成21年10月2日以降に生まれた方
<接種年齢>
【1期】生後6か月から7歳6か月に至るまで
【2期】9歳以上13歳未満
<接種回数>
【1期】初回2回、追加1回(合計3回)
【2期】1回
<接種間隔>
【1期】初回1回目から2回目の間隔は6日以上、初回2回目から追加までは6か月以上の間隔をあける。
標準的には、3歳のときに初回2回の接種を6日〜28日の間隔をあけて接種し、その後概ね1年の間隔をあけて、4歳のときに追
加1回を接種する。
【2期】標準的には、9歳に接種します。
平成16年4月2日〜平成19年4月1日までの間に生まれた方
上記の生年月日の方は、特例措置の対象者です。
<接種年齢>
第1期、第2期ともに20歳未満(20歳の誕生日の前日)まで
20歳までに接種が完了しない場合は、残りの回数については任意接種となり、有料となります。
<接種回数>
【1期】初回2回、追加1回(合計3回)
【2期】1回
<接種間隔>
(1)過去に接種歴のない方
初回1回目から2回目の間隔は6日以上(標準的には6〜28日)、初回2回目から追加までは6か月以上(標準的には概ね1年)の間隔をあける。第2期は第1期追加終了後、6日以上の間隔をあける。
(2)過去に接種歴のある方
■平成23年5月20日以降に接種歴のある方(具体的な接種間隔は医師と相談)
残りの回数について、(1)のスケジュールに従って接種する。
■平成23年5月19日以前に接種歴のある方
残りの回数について、6日以上の間隔で接種できる。
スケジュール上可能であれば、(1)のスケジュールに準ずる。
13歳以上のお子さんの保護者同伴について
13歳以上16歳未満のお子さんについては、あらかじめ保護者の同意が確認できた場合は、保護者の同伴なしで接種を受けに行くことができます。
保護者の方は、日本脳炎予防接種についての説明をよく読み、予防接種の効果や目的、重篤な副反応発症の可能性など、内容を十分理解した上で接種を決めてください。
保護者の同伴なしでお子さんが接種を受ける場合は、予診票の表面の「保護者の記入欄」及び裏面の「同意書」に署名し、その予診票をお子さんが医療機関に持参してください。
予診票の表面「保護者の記入欄」及び裏面「同意書」に保護者の署名がない場合は、保護者の同伴なしで予防接種を受けることはできません。
なお、16歳以上の方については、保護者の同伴は必要なく、予診票には保護者の署名ではなく接種者本人の署名で接種することができます。
予診票については、特例措置があるために、対象者が把握できない学年があるため、個別通知に必要な数の予診票が入っていない場合があります。そのために、予診票を医療機関に備え付けておりますが、事前に予診票の記入を希望される場合などは、母子健康手帳を準備されてから保健所保健総務課にお問合せください。
日本脳炎委託医療機関
基本的には、市内の委託医療機関で接種していただくこととなっております。
事情により市外で接種を御希望される場合は、必ず事前に下記までお問合せください。
場合により、自己負担が生じることがあります。