おたる文学散歩 第31話

公開日 2020年10月22日

更新日 2021年01月14日

第31話 街頭放送よもやま話(広報おたる平成24年2月号掲載)

 

 街頭放送は、小樽市民にとって、なじみの深い「街の案内」ですが、広告媒体の多様化や市街地の音声規制などにより、全国的には多くの街角から消えつつあります。

 

 小樽で街頭放送を始め、今なお続けているのは「北海道時事放声社」です。森元勝章社長の父、北川勤氏が、昭和22年9月に設立。これは、戦後の国内における民間放送局として最初期のスタートでした。当初は広告だけではなく、ニュースや火災速報なども放送していましたが、時には事件の報道と捜査への協力や呼び掛けなどを行うこともありました。また、市議会の議場に放送機材を運び込み、議会の生中継を行ったこともあるそうです。

 

 左下の写真の「放送塔」は、昭和30年代、小樽駅前に設置されたもので、アナウンサーが二人一組で、塔内から肉声による放送を行いました。この業務は大変な労力を要し、30分で交代しなければならないほどでした。このような「放送塔」は駅前の他、妙見河畔にも設置されていたようですが、写真も残っておらず、詳しい場所は分かっていません。

 

 現在、小樽での街頭放送は、主に企業の広告や官公庁の広報などの他、「おたる潮まつり」の際に潮音頭を繰り返し流し、祭りの雰囲気を大いに盛り上げてくれます。祭りの当日は、「潮ねりこみ」の進行に合わせ、手作業で音量を細かく調整するなど、目に見えない苦心が今も続けられています。

 

小樽駅前にあった放送塔 北海道時事放声社 スタジオ内部

写真左 小樽駅前にあった放送塔。内部は非常に狭く、特に真夏や真冬は厳しい環境だったようです。
写真中央 北海道時事放声社の社屋。
写真右 同社スタジオ内の様子。昭和30年代には10人以上のアナウンサーが勤めていました。

 

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