急がれる新病院建設3 「基本設計に向けて」(広報おたる平成19年2月号掲載)

公開日 2020年10月22日

更新日 2022年06月10日

看護師

広報6月号・11月号と掲載してきた『急がれる新病院建設』。

3回目の今回は、新病院の規模と機能について紹介していきます基本設計に向けて」

 

新市立病院事業計画の概要

診療科目 建設地
●内科

築港114番1

●呼吸器科

面積

●消化器科 (敷地)1万9147平方メートル
●循環器科 (建物)約3万3200平方メートル
●外科

病床数

●整形外科

468床

●心臓血管外科 ●一般358床 ●結核8床
●脳神経外科 ●精神100床 ●感染症2床
●婦人科

駐車台数

●泌尿器科

約350台

●耳鼻咽喉(いんこう)科

総事業費

●小児科

約156億円

●皮膚科 ※土地取得費はふくまれていません。
●眼科 ※今後さらなる圧縮に努めます。
●放射線科  
●麻酔科  
●精神科  
※最終的な面積などは、基本設計を行う中で決定されます。

新病院の規模・機能

 今回、上の「新市立病院事業計画の概要」のとおり、全体の規模・機能などがまとまりました。

 なお、現在、医療を取り巻く状況は大きく変わってきています。このため、事業計画の内容については、今後、開院までにさらに変更が必要になると予想されます。今後変更があった場合には、その都度、市民の皆さんにお知らせしていきます。

3本の柱

 新病院においては、後志二次医療圏の基幹病院として、地域完結型医療(下の※1参照)を目指します。そこで、地域における新病院の役割を明確にするため、診療上の3本の柱(下の図参照)を考えています。

 高齢化が進む中で、高血圧症、心・血管疾患、脳・神経疾患などは、今後も増加傾向が続くと予測されています。また、3大死因の一つとなっているがんに対しても、充実した診療体制が求められています。

 これらの診療に関して、現在も市立病院は重要な役割を担っていますが、新病院においても他の医療機関と連携を取りながら充実を図っていきます。

 

 ※1【地域完結型医療】 一つの病院で必要な医療をすべて提供するのではなく、地域の中で役割を分担して必要な医療を提供する医療体制のこと。

 

 診療上の3本の柱

 脳・神経疾患診療

心・血管疾患診療 

がん診療 

 脳梗塞、脳出血など早期の治療が必要な疾患に対応  狭心症、心筋梗塞など緊急手術が必要な疾患に対応  後志圏内唯一の放射線治療を継続して実施
 

 脳梗塞(こうそく)、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中、脳腫瘍(しゅよう)、転倒などによる頭部外傷や慢性硬膜下血腫など、高齢者がかかりやすく早期の治療が必要な疾患が多くなっています。

 脳神経外科では、従来の診療とともに、今後は内科と協力し、高血圧、高脂血症、糖尿病の治療を通して脳卒中の予防に取り組みます。また、脳ドックを通して脳卒中や脳腫瘍の早期発見、早期治療に力を入れていきます。

 

 主な疾患は、狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患、心臓弁膜症、大動脈瘤(りゅう)、下肢静脈瘤などで、その多くは緊急手術が必要な症例です。現在、第二病院では、心臓血管外科に加え、平成15年には循環器科を新設し、両科の連携で心臓血管の診療が行われています。最近では、心・血管疾患に対してカテーテルによる血管内手術症例も増えており、今後も需要の増加が予測されます。

 また、今後は、心臓ドック・血管ドックにも力を入れて、心臓血管病変の早期発見、早期治療に努めます。

 

 高齢者の比率が高い本市 では、がん診療の重要性は増しており、実際に現在も、小樽病院では多くの患者の治療に当たっています。

 放射線による治療を行えるのは後志医療圏では小樽病院だけですが、今後高齢化が進むと、高齢者にとって負担の大きい手術ではなく、それ以外の治療の選択肢をさらに広げていく必要があります。

 そのため、手術、放射線、薬剤ぞれぞれの療法に対応できる病院として、がん診療の中心的な役割を担っていきます。

 

●専門的な診療機能 ●総合的な診療機能 ●2次〜3次救急医療 

 ※市内の医療機関と役割分担し、スリムな診療体制をつくります。 ※救急医療は、2次救急を基本としますが、脳神経外科、心臓血管外科などは、その性格上3次救急的な部分も担うことになります。

地域医療の連携

 市立病院から見た地域医療連携のイメージは下の図のとおりです。

 「地域医療連携室」を中心に、医療の内容に応じて、市内と後志地域の診療所や病院などとの間で紹介・逆紹介を推進し、連携を強めます。そして、より高度な医療、特殊な医療を必要とする場合は、大学病院など特定機能病院との連携を図ります。

 また、地域医療連携の一つの柱として、市内の開業医が登録して利用できるオープン病床の有効な活用に努めます。このほかにも、市立病院の保有する「高度医療機器」については、市内の開業医などに積極的に利用してもらえるようにします。

地域医療連携のイメージ 

診療科目 

 新病院の診療科目については、次の見直しを行い、20診療科を17としました。

新設診療科

  基本構想で新設するとしていた形成外科、リハビリテーション科、神経内科については、昨今の医師確保の困難な状況などから、現診療体制に支障のない限り原則として行わないこととしました。ただし、神経内科については、需要が大きいこともあり、医師の確保ができた場合は、現病院から開設していきます。

産科・小児科

  現在、小樽協会病院が「地域周産期母子医療センター」の認定を受けています。少子化の進行と小児科・産科の医師不足などから、2カ所において周産期医療(下の※2参照)を行うことは困難な状況です。このため新病院では、産科は行わないこととします。  また、小児科については、慢性疾患等に重点を置き、小樽協会病院と機能を分担する予定ですが、医師の確保が不透明なため、開院時までに検討します。

 ※2周産期医療とは、 産科医、小児科医、そのほかの医療スタッフが連携・協力して、母体、胎児、新生児の診療等を総合的に行う高度専門医のこと。

病床数を縮小

 必要な病床数を、基本構想の493床から468床に縮小しました(下の図参照)。これは、将来の人口減少や入院日数の短縮を踏まえての病床数ですので、開院時には病床の不足が予想されます。しかし、入院日数の短縮や病床を診療科ごとに固定しない柔軟な運営、他の医療機関との連携などを行うことで支障のないよう努めます。

 なお、将来的に、病床数の縮小を想定した病棟編成なども行います。

【病床数の推移】

※小樽市や後志医療圏の年齢別人口の予測などから、基本構想では493床を予定していましたが、診療科目の変更、また、新病院の医師数などの検討も行い、必要な病床数を468床に縮小しました。

病床数の推移

救急医療は2次・3次を中心に

 市民が安心して生活できるためには、救急医療の充実が重要です。  1次救急医療は、現在と同様に夜間は夜間急病センター、休日は在宅当番医を中心に行われます。新病院においては、2次・3次救急医療を中心に、他の病院との協力関係を保ちながら、救急患者を常時円滑に受け入れられる体制をつくります。  また、市立病院に搬送された患者に、さらに高度で専門的な医療が必要とされる場合や災害時への備えとして、ヘリポートの設置についても検討しています。

経営の効率化

 新病院では、現在の二つの病院を統合することにより、これまでの非効率性を解消することができます。また、快適な医療環境と良質の医療を提供するとともに、経営の改善に積極的に取り組むことにより、収支の改善を図ります。  こうした取り組みにより、12〜13億円で推移している一般会計からの繰入金を圧縮できるものと考えています

今後のスケジュール

 今回、お知らせした事業計画の概要を基に、現在、実質的な事業の始まりとなる基本設計を発注するための作業を進めています。

 基本設計は、病院建物の具体的な機能や規模などについて、病院のスタッフと協議しながらまとめて行く重要な業務です。このため、設計者の決定に当たっては、この業務に最も適した業者を事前に審査して選定する「プロポーザル方式」を採用することにしています。

 今後は、3月に設計者を決定し、約1年かけて基本設計をまとめます。その後、実施設計や建設工事を経て、平成23年秋ごろの新病院の開院を目指しています。

問い合わせ先

病院局経営管理部(掲載時 総務部市立病院新築準備室)

電話 0134-25-1211

ファクス 0134-32-6424

お問い合わせ

総務部 広報広聴課
住所:〒047-8660 小樽市花園2丁目12番1号
TEL:0134-32-4111内線223・394
FAX:0134-27-4331
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