シリーズ災害に備える3 第3回目 (平成23年8月号掲載)

公開日 2020年10月27日

更新日 2021年01月14日

私たちの命綱 小樽市のライフライン 

  私たちが普段何げなく使っている電気やガス、水道、電話。このたび発生した東日本大震災では、これらのライフラインが大きな被害を受け、一部の地域ではいまだに復旧作業が続いています。もし、小樽で同規模の災害が発生したら...。そこで今回は、それぞれの事業者からお話を伺い、もしもの場合の災害対策についてお知らせします。

 

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ライフラインの重要性

 ライフラインとは、私たちの日常生活を支える電気、ガス、水道、通信、交通などの供給路のことを言います。
 災害によりこれらに支障が生じると、日々の生活に与える影響はもちろん、救援や復旧作業にも大きな障害をもたらします。
 そのため、各ライフラインの施設や設備は、どのような事態にあってもサービスが止まることのないよう、より一層強固に作られています。
  しかし、今回の東日本大震災は、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録。想定を超える高さの津波などにより、太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。地震発生直後には、800万戸以上が停電し、断水も180万戸以上に上りました。また、この断水によって、入浴することもトイレを流すこともできず、不衛生な環境に対する不安の声が広がりました。被災地の一部では現在も復旧に至っておらず、さらには夏場の電力不足も懸念されています。 

 

それぞれの災害対策は?

  被災時にライフラインの被害をできるだけ少なくするためには、それぞれの事業者が普段からしっかりと災害への対策を行うことや、万が一、被害が発生した場合において、早急に復旧態勢を取ることが重要です。そこで、電力・都市ガス・通信(固定電話)・水道の各事業者に災害への備えや、防災対策などについてお話を伺いました(詳細については、下記をご覧ください)。

 

【電力】

 電気を安定してお届けするために

  北海道電力(株)小樽支店 企画総務グループリーダー 関口幸宏(せきぐちゆきひろ)さん

 

  北海道電力では、非常事態に対応するための規程やマニュアルを制定し、台風・地震・暴風雪などさまざまな災害に対して即時に対応できるよう定期的に訓練を行っており、小樽市において実施される総合防災訓練にも、毎年参加させていただいております。
  また、日頃から設備の点検・補修に努めるとともに、災害発生時もさまざまな手段で送電ルートを確保し、極力停電を起こさない体制を整えております。
  万が一、設備が被害を受けて停電事故が発生した場合には、当社だけでなく"ほくでんグループ"全体で復旧に当たりますが、大規模な自然災害が発生した際には、ライフラインを守るため、道路通行の確保など自治体の皆さまなどとのより一層の連携が必要と考えております。
  当社は、一戸当たりの停電回数や停電時間によって表される「供給信頼度」が全国平均を上回っておりますが、今後も安定した電気をお客さまにお届けし続けられるよう、各機関と協力して防災対策を進めてまいります。

 

【都市ガス】

 大地震に強いガス設備を整備

  北海道ガス(株)小樽支店 保安センターマネージャー 冨樫和浩(とがしかずひろ)さん

 

  北海道ガスでは、以前から災害に強いガス設備の整備を行ってきました。例えば、ガス管については、柔軟性に優れ、地震による地盤変位に強いポリエチレン管への入れ替えを進めています。このポリエチレン管は、阪神大震災や新潟県中越沖地震など、過去の大きな地震の際にもガス漏れを起こしませんでした。
  また、地震を感知してガスを停止するマイコンメーターを各戸に設置するなどし、被害の軽減や二次災害の防止を図っています。
  災害発生時には、小樽支店の遠隔監視システムにより、市内に設置している地震計や各種ガバナ(ガスの圧力を制御する装置)の状況を監視するほか、巡回点検により埋設しているガス管からのガスの漏えいの有無などを確認します。これにより被害の大きい地域を特定し、状況に応じて遠隔操作によりガスの供給を停止するなど、的確な対処を行っていきます。
  今回の震災を受け、全国のガス業界全体で防災対策の検討を進めていますが、これからもお客さまに安心してガスをお使いいただけるよう、取り組みを推進してまいります。

 

【通信】

 災害に強い通信ネットワーク・設備づくり

  東日本電信電話(株)北海道支店 設備部長 小林正樹(こばやしまさき)さん

 

  NTT東日本では、札幌に北海道オンサイトサポートセンターを置き、小樽をはじめとする道内各地の通信設備の監視・保守を24時間365日体制で行っています。また、従前より災害に強い通信設備構築のため、通信用ビルの耐震性強化や通信ケーブルの地中化、非常用予備電源の確保など構造面での強化に努めてきました。そのほか、伝送路が被災してもサービスに影響を与えないよう、道内を結ぶ光ケーブル伝送路の多ルート化やループ化などに力を入れてきました。
  もしも災害が発生してしまったときは、110番や119番通信など重要通信の確保のために、一般の電話に通信規制をかけることがあります。そのような場合でも、ご家族の安否確認などには「災害用伝言サービス」の提供や避難所等への無料公衆電話の設置により対応します。復旧に当たってはNTTグループ全体で対応し、重要通信の確保、サービスの早期復旧に努めます。
  今後も、津波のシミュレーションを徹底的に実施し、被災が予想される設備の増強を行うほか、地域の防災訓練へ積極的に参加するなどし、安心・安全を守るため全力で取り組んでいきます。

 

【水道】

 機動的かつ的確な対応を目指して

  小樽市水道局 総務課長 相内昌幸(あいうちまさゆき)

 

   東日本大震災は、あらためて上下水道施設の重要性を認識させられるものとなりました。
  水道局では、危機管理マニュアルを作成し、さまざまな災害や事故に迅速に対応できるような態勢づくりを行うとともに、小樽市が実施する総合防災訓練に毎年参加してきました。また、老朽配水管の更新に併せ重要な管路の耐震化を図り、さらに、緊急時の応急復旧などに必要な資・機材等の整備や備蓄を行ってきたところです。
   もし、災害が発生した場合は、直ちに上下水道の施設や機器などの点検や被害状況の調査を行い、状況に応じた素早い復旧活動を行っていきます。また、大きな被害を受けた場合などには、災害時相互応援協定を結んでいる各関係機関に応援を求め、迅速な応急復旧に当たります。
  今回の震災を受け、危機管理マニュアルの検証・見直しや、定期的な訓練の実施などにより危機管理体制の充実を図ります。また、上下水道施設の更新に併せた施設の耐震化を進めるなど、災害に強い施設づくりを目指します。今後も、飲料水の安定供給と下水道による清潔で快適な生活環境の確保に努めていきます。

 

もしもの場合に備えて

  災害が起きた場合、事業者それぞれの対策のみならず、関係する機関が連携して復旧活動などに当たっていくことも、とても大事なことです。
  市では、「小樽市地域防災計画」の中で、ライフラインの各事業者と防災上処理すべき事務や業務についての取り決めを行っているほか、毎年9月には各関係機関が共同で「小樽市総合防災訓練」を実施しています。この中で、関係機関が協力したライフライン復旧訓練なども行っています。
 これらの活動を通じ、各関係機関相互による協力体制の強化と防災技術のさらなる向上を図りながら、今後も、市民の皆さんの防災に関する意識を高めていくとともに、知識の普及を行っていきます。

 

問い合わせ先

総務部防災担当

〒047-8660 小樽市花園2丁目12番1号

電話 0134-32-4111(内線 441・442)

ファクス 0134-25-9955

メール bosai-tanto@city.otaru.lg.jp

お問い合わせ

総務部 広報広聴課
住所:〒047-8660 小樽市花園2丁目12番1号
TEL:0134-32-4111内線223・394
FAX:0134-27-4331
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