広報おたる掲載「地域医療を考える」karte3

公開日 2020年10月28日

更新日 2021年01月14日

地域医療を考える karte3 小樽における医療体制の在り方 (平成21年10月号掲載)

 「シリーズ 地域医療を考える」の3回目。昨年5月に設置し、地域医療の課題解決に向け協議を行っていた『再編・ネットワーク化協議会』から、このたび最終報告が出されました。そこで、報告内容とそれを踏まえた地域医療における市の取り組みについてお知らせします。

karte3 イメージ

 

地域医療についての協議

 市では、「市立病院改革プラン」の策定に当たり、小樽における医療体制の維持と医療機関の再編や連携について検討を行うため、市と医療関係者(医師会や公的病院等)を交えた『再編・ネットワーク化協議会』を昨年5月に設置。これまで、小樽の医療環境などを再確認するとともに、課題の整理や市立病院の在り方について話し合いを行ってきました。そしてこのたび、協議会から市長へ、検討内容の最終報告がありました。

 

協議会による最終報告

 報告に当たっての基本的な考え方は、次のとおりです。また概要については、下の図をご覧ください。なお、報告の詳しい内容は、市ホームページでご覧になれます。

 「再編・ネットワーク化」最終報告の概要

地域医療の基本的な方向

 市内には現在、18の病院と100の診療所があり、比較的軽症な患者に対応する一次医療から、特殊な医療を除き入院治療にも対応する二次医療までを担える医療水準にある。そのため小樽市は、後志二次医療圏内の中核都市として、市内をはじめ北後志地域を中心に、多くの患者を受け入れている。今後も、一次・二次医療を市内の医療機関で完結できる体制を維持し、さらには「地域に安心・信頼される医療体制」の確立を目指すことを基本とする。

 また、市内で対応できない三次医療・高度先進医療を必要とする患者については、医療資源の豊富な札幌圏の医療機関と密接に連携して対応し、市民の命と健康を総合的に支える体制を整えていく。

医療機関の再編

 小樽では現在、二つの市立病院と三つの公的病院等(済生会小樽病院、小樽協会病院、小樽掖済会病院)が、地域医療における中心的な役割を担っている。そこで、効率的な医療を提供するため、医療機関の再編や連携がどのように図れるかを検証した。

 三つの公的病院等は、それぞれ経営母体も異なり、独自の理念と方針を持って運営されている。そのため、現時点で特段の再編を行う状況ではない。

 また、市内はもとより後志地区において地域医療を守っていくには、市立病院が欠かせない存在であり、先導的役割を果たすべきものと考える。しかし、施設は老朽化が進むとともに、診療科が分散し、医療面・経営面の非効率さから厳しい運営状況に置かれている。

 従って、再編は市立病院のみとする。その役割を果たしていくため、二つの病院の機能を集約し、効率的な病院運営ができるよう、早期に統合新築を行うべきと考える。

医療機関のネットワーク化

 市内の医療機関では、市立病院に限らず、医師や看護師の確保が難しい状況にある。各医療機関の体制を継続し、効率的・効果的な医療を提供するには、それぞれの特色を生かし、連携を進めていく取り組みが必要。特に、地域医療で求められている"北海道医療計画"に基づく4疾病5事業等(下の囲みを参照)に対応できるよう、市内全体で体制を確立するためのネットワーク化が重要である。

 さらには、地域の初期診療などの多くを担う診療所とも、診療分野や治療ステージごとの役割分担を行い、患者に効果的な医療を提供できるように連携を図っていくことも必要である。

 

地域医療を進めていく

  市では今後、この報告に基づき、小樽における地域医療の体制を整えていきます。

 まずは、重点目標である各医療機関とのネットワーク化が円滑に進められなければなりません。そのため、情報の共有化など、幅広い連携ができるよう各医療機関と協力しながら取り組んでいきます。

 また、市立病院が中心となって小樽の医療体制を維持していくことが求められています。そのためには、他の医療機関との役割分担を踏まえた上で、市立病院の統合新築を行うことが不可欠です。新病院の建設場所などを含めて、これらの課題解決に向けて取り組んでいきます。

 なお今後も、取り組みを具体的に進めていくために、医師会や公的病院等との話し合いを継続していきます。

 市では、皆さんがいつでも必要な医療を受けられ、安心して暮らしていけるよう、地域医療の確立に向け、各医療機関とさらに密接な関係を築いていきます。

 

 

※4疾病5事業等とは

 医療法により、国が都道府県に作成を求めた医療計画の中で、医療提供体制を必要とする疾病と事業。

 4疾病とは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)、糖尿病。5事業とは、周産期医療、小児医療、救急医療、災害医療、へき地医療(北海道では在宅医療を追加)

 

問い合わせ先

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〒047-8550 小樽市若松1丁目2番1号 市立小樽病院内

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