広報おたる掲載「地域医療を考える」karte4

公開日 2020年10月28日

更新日 2021年01月14日

地域医療を考える karte4 市立病院の現状 (平成21年12月号掲載)

 

広報おたる10月号「地域医療を考える Karte3」でお知らせした、「再編・ネットワーク化協議会」の最終報告。そこには、「市立病院が地域医療において欠かせない存在であり、早期に統合新築するべきである」と示されています。そこで今回は、早期の統合新築が必要とされる市立病院の現状をお知らせします。

karte4イメージ

 

市立病院の現状

 市では、「再編・ネットワーク化協議会」の最終報告と同様、市立病院が地域医療の中心的な役割を果たしていくためには、二つの病院の統合新築が不可欠であると考えています。
 この議論を始めてから約10年。この間にも、市立病院の状況は、より一層厳しいものとなっています。

 

両病院の管理経費(20年度)

 

小樽病院

医療センター

委託料

4億132万円

2億3881万円

6億4013万円

賃借料

1億1416万円

5221万円

1億6637万円

光熱水費

5815万円

4797万円

1億612万円

燃料費

4511万円

3858万円

8369万円

修繕費

4828万円

2436万円

7264万円

その他

1億4977万円

5287万円

2億264万円

8億1679万円

4億5480万円

12億7159万円

 

施設・設備の老朽化

 市立小樽病院は最も古い部分で昭和28年、小樽市立脳・循環器・こころの医療センターは49年に建設したものです。両施設とも老朽化がかなり進行。電気や給排水、暖房などの設備は、補修の繰り返しで何とか維持している状況です。また、施設はバリアフリーに対応していない部分が多く、高齢者や障害のある方には不便な造りとなっています。

非効率な運営

 平成20年度における両病院の管理経費は、約12億7000万円(経費の内訳は次ページ上の表を参照)。 この中には、次に挙げるように、施設が二つあることで二重に掛かっているものがあります。

●病院給食
●電話交換業務
●施設・設備の維持管理業務

医師の人数と入院・外来収益
 市立病院を統合することによって、光熱水費やこれらの重複する業務を一本化することができるため、経費を大幅に節減できると考えています。

医師不足と収益の減少

 全国的な医師・看護師不足に加え、施設の老朽化や市立病院の将来像が見えないことによる影響から、医師や看護師の退職が続き、その後の補充も困難な状況が続いています。16年5月1日現在で59人いた医師が、5年間で17人減少。看護師は412人から71人減少しました。このため、病床数を削減するほか、一部の診療科を外来のみとするなど、診療を縮小せざるを得ない状況が生じています。
 それに伴い、16年度では約51万人だった延患者数(入院・外来)が20年度では約32万人に減少し、入院・外来収益についても大きく減少しています(医師数と入院・外来収益の推移は、右のグラフを参照)。

累積赤字の解消

 病院会計では、多額の累積赤字を抱えています。これらの赤字は、平成5年度から11年度に生じたものであり、それ以降は生じていません。現在、25年度までの解消を目指し、昨年1月に策定した「市立病院改革プラン」に基づいて経営の健全化に努めています。

快適な環境づくりを目指して

 統合新築をすることにより、これらの課題の多くを解決できるものと考えています。しかし、高齢化が進む小樽市では日々、医療が必要とされ、統合新築までは現在の施設と体制で医療を提供していかなければなりません。そのため市立病院では、医師をはじめとするスタッフが、診療はもちろんのこと、市民が快適に安心して医療を受けられるようできることから工夫し、院内環境の整備や改善に取り組んでいます。

プチ検診の券売機

 

高度医療体制の整備

 早期発見・治療が必要ながんや脳、心臓、血管疾患などの治療に対応するため、マルチスライスCTの導入やMRIの更新など高度医療機器の整備に努めています。プチ健診など各種検診の実施

 人間ドックなど各種検診を積極的に行っています。また小樽病院では、誰でも気軽に健康チェックができるプチ健診を実施しています。

委員会の設置と研修会の開催

 医療の安全管理や院内感染防止を進めるため、対策委員会などを設置しています。また、医療の質向上を図るため職員研修を実施しています。

オーダリングシステムを導入

 待ち時間短縮などのため、オーダリングシステム(検査・処方などの情報伝達システム)を一部導入し、効率化を図っています(21年度中に全面稼働の予定)。

オープン病床

 小樽病院内には、市内の診療所などの医師が患者を入院させ、小樽病院の医療機器や看護体制を利用しながら主治医として診療する病床を設けています。現在は46人の医師が登録し、病床は33床あります。

 

統合新築の方向性

 市では現在、「再編・ネットワーク化協議会」の最終報告や市民の皆さんからのご意見を踏まえながら、市立病院の統合新築に向けて、在り方や方向性を決定するための話し合いを重ねています。
 さらに、統合新築を円滑に進めるために必要な、二つの病院の連携についても、一層の強化に取り組んでいるところです。
 なお、統合新築の実現には建設地や建設費用、新病院の規模・機能など、多くの課題があります。これらを乗り越え、早期に実現できるよう、これからも最大限努力していきます。

 

問い合わせ先

病院局経営管理部

〒047-8550 小樽市若松1丁目2番1号 市立小樽病院内

電話 0134-25-1211内線385

ファクス 0134-32-6424

お問い合わせ

総務部 広報広聴課
住所:〒047-8660 小樽市花園2丁目12番1号
TEL:0134-32-4111内線223・394
FAX:0134-27-4331
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