公開日 2020年11月09日
更新日 2021年03月16日
平成24年4月に量徳小学校と統合し、さらに平成25年4月には若竹小学校の児童を迎えた潮見台小学校。
学校の統合を契機とした新しい学校づくりの取り組みについてをご紹介します。
潮見台小学校の早川校長(※)に話を伺いました
※平成25年度当時
本校では、学校統合を契機として新たな教育目標を策定し、新しい学校づくりを目指しています。この教育目標は、保護者はもとより子どもや地域の皆様の声に耳を傾け、思いや願いを受け止めたものです。皆様からのアンケート調査の結果に表れた「考えや思いを表現する力」を育ててほしいこと、「思いやり・温かな心」を育むこと、「自他の生命の尊重」に基づき行動ができることは、とりわけ保護者の切実な願いであると思います。それぞれが、知・徳・体の観点と関わることを踏まえて、目標や視点に生かしています。これらは、いつの時代も求められる「不易」の側面を有しているとともに、生きる力の根幹をなすものであると思います。
また、保護者・地域の皆様が一番多く挙げられた「夢や目標に向かっての努力」は、将来の進路を見据えることを意味し、「はたらく子ども」と密接に関わるものです。つまり、「かしこく はたらく子ども」、「なかよく はたらく子ども」、「たくましく はたらく子ども」のように、知・徳・体と「はたらく子ども」とを関連させることにより、それぞれの意義が一層明確になると言えます。全ての教育活動は教育目標の実現に向けて営まれて行くべきであり、また、経営活動(学校運営組織等)はこの教育活動を支えるものとして展開されなければならないと思っています。
新しい教育目標
かしこく なかよく たくましく はたらく子ども
(平成24年4月1日制定)
3校の伝統と良さを生かした教育活動
平成24年4月から量徳小学校、若竹小学校との3校の統合を見据えた学校づくりを実践してきました。基本の考え方は、3校の伝統と良さを生かした教育活動です。
例えば、プール学習は、潮見台小学校では今まで低学年は実施していませんでしたが、量徳小学校では全学年で実施していたということもあり、平成24年度から全学年で実施することとしました。また、外部人材を活用した外国語活動(ネイティブスピーカーの活用)として、毎時間外国人講師をお招きして担任と連携を取りながら授業を行っています。
特別支援教育支援員による通常学級で困り感のある児童への支援や算数科におけるTT(ティームティーチング)・習熟度別少人数指導のための教師の加配などを活用して学力向上に努め、さらに放課後学習の継続と充実に取り組んでいきたいと考えています。
プール学習は全学年で実施
外部講師による外国語活動
特別支援教育支援員による授業
「なわとびオリンピック」は量徳小からの伝統行事を引き継ぎました
新しい学校づくりを目指した教育活動
1 「国語の潮見台」を目指す
本校は、平成25年度に国立教育政策研究所の教育課程研究指定校となりました。これを契機として教科調査官をはじめ、広く学校外にも引き続き指導や助言を求めていきます。 そして、「国語の潮見台」 を目指して、教員の指導力を高めながら子どもたちに着実に力をつけていきたいと考えています。
2 キャリア教育の推進
低学年では「みつける」、中学年では「つながる」、高学年では「挑戦する」
- 低学年 「みつける」 好きなことをみつけよう! できることをふやそう! 潮見台小学校は楽しいな!
- 中学年 「つながる」 わたしと あなたと みんなで ともに力を合わせて 潮見台小学校はよいところ!
- 高学年 「挑戦する」 勇気を出してやってみよう! あきらめないでやりぬこう! 潮見台小学校で夢や希望をもとう!
教育目標を制定した際の保護者アンケートでも「子どもたちに夢や希望を与えてほしい」との御意見が多くありました。学んだことが役に立つ、あるいは自分たちがやったことが人の役に立つということを実感できるキャリア教育を推進したいと思っています。
【キャリア教育:平成24年度に実施した教育活動】
6年生 | 職場体験(銭湯、高齢者福祉施設) | 銭湯、高齢者福祉施設へ訪問 |
5年生 | 小樽職人大学校によるキッズベンチャー塾 | ものづくりから販売までを体験 |
4年生 | 校区内の商店や施設めぐり | 歴史調べなどの実施 |
3年生 | 専任講師による勝納川での体験活動 | 実際に川に入って生き物を採取、清掃活動 |
これらのキーワードのもと、平成24年度は、6年生は職場体験(銭湯、高齢者福祉施設訪問)、5年生は小樽職人大学校の支援を受けてのキッズベンチャー塾を実施、ものづくりから販売まで体験しました。4年生は校区内にある商店や施設めぐり・歴史調べ、3年生は勝納川での体験活動、専任講師をお招きして実際に川に入って生き物を採取し、合わせて清掃活動を実施しました。
平成25年度はさらに校区が広がりますが、これを好機ととらえ、地域の教育資源を積極的に活用しながら、これまでの活動のさらなる充実・発展を目指していきます。
キッズベンチャー塾
勝納川での体験活動
高齢者福祉施設での職場体験
夏休み中の「学びたいム」の様子
重点教育目標
夢や希望をもって自ら学び、たくましく生きる 心豊かな子ども
3 地域と共に歩み、地域の風が行きかう学校
旧若竹小学校区であった平磯公園に上がって新しい潮見台小学校区の全体を眺めてみようと思います。そして、広がった校区の中で地域の皆さんと関わるような活動をしていきたい。お店めぐりは若竹町にも広げていきます。
校区が広がることで通学路の見守り活動など地域の皆様との連携がこれまで以上に必要になると思います。街頭指導などにおいても町内会や地域ボランティアの皆さんと顔と顔を合わせ、連携しながらやっていきます。
地域の風を取り入れていくという意味では、校区にあるダンススクールの協力をいただいて「ダンスうんどう」なども取り入れていけるかもしれません。最近は社会教育でも体力向上に効果があると取り上げられています。
また、「国語の潮見台」ということでは、家庭で眠っている児童書を集める取り組みなどもやってみたいと考えています。
さまざまな機会を通じて、地域の皆さんと共に歩み「地域の風が行きかう学校」、そんな雰囲気を醸成していきたいと思うのです。
昔遊び
雪中運動会
水族館での課外授業
校区の畑で「いもほり」
教師が変われば授業が変わる、授業が変われば子どもが変わる、子どもが変われば未来が変わる
教師もまた、有能な学び手として自らの指導を振り返り、切磋琢磨を繰り返しながら高め合うなど、反省的実践を積み重ね、よりよい授業、よりよい組織体として学校運営に努める「協働・共創」の関係を構築していきます。
そのため、子どもの実態を客観的に把握し課題を共有するなど、協働して教育研究を進めるとともに、引き続き、学校外に積極的に指導助言を求める機会として公開研究会を実施するなど、学習する組織としての教員集団を形成していきます。
尊敬と信頼を基盤とした活力あふれ信頼される「チーム潮見台」づくり
全教職員が「チーム潮見台」を合い言葉として組織的に「ムダ・ムラ・ムリ」のない取り組みを推進します。尊敬と信頼を基盤として、教職員相互のコミュニケーションが促進されるようコミュニケーション・ツールの多角化(多チャンネル化)を工夫し、学校運営組織の機構や運営の在り方を常に見直していきます。
教職員が仲良く信頼し合い、楽しく仕事ができるようにお互いに心を配り、
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何でも話せる、明るい雰囲気の醸成
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悩みや問題を「抱え込まず」「投げ出さず」、互いに共感し、協力して問題を解決する体制の確立
グランドでのスキー授業
研究授業
さくら幼稚園との交流
ゲストティーチャーによる食育講座
教職員の意気込みや元気を培うことで「学校のミッション」が一層輝きを増し、学校全体に温かな風土と前向きな文化が育ち、地域に信頼される学校が創造されるものと確信しています。