市長記者会見記録令和2年8月26日

公開日 2020年08月26日

更新日 2021年01月06日

市からのお知らせ

 

下記のとおり、市長から発表がありました(午後3時45分~)

 

(保健所主幹)

 本日は急なご案内になりましたが、お集まりいただきましてありがとうございます。私は保健所主幹の長田と申します。よろしくお願いいたします。それでは、時間になりましたので、ただ今から、学校法人共育の森学園様と小樽市との「小樽看護専門学校の運営に関する協定」の締結式および記者会見を行います。

 この件は、かねてより「小樽看護専門学校」の令和3年度学生募集再開に向けて、協議を進めてまいりましたが、協議が整い、協定を交わすこととなったものです。では、早速ですが、学校法人共育の森学園間宮理事長様、迫市長に、協定書に本日の日付を書いていただきたいと思います。本日の日付ですが、令和2年8月26日と記載をお願いします。それでは、お立ちになっていただいて、手交ということで一緒にお持ちください。

 ただいまの手交をもちまして、両者の協定が締結されました。それでは、迫市長より、お礼のご挨拶を申し上げたいと思います。お願いします。

 

(市長)

 ただいま協定書に調印をさせていただきましたが、私から小樽看護専門学校の令和3年度の入学生募集再開について、ご報告をさせていただきます。

 小樽看護専門学校につきましては、今春の入学生が大きく定員割れをし、同校を運営する学校法人共育の森学園といたしましては、今後も入学者の確保が難しく、経営改善が困難と判断され、令和3年度入学生の募集を中止し、令和4年度末で閉校することを、本年5月の理事会において決定され、その旨私にも報告をいただいたところであります。市といたしましては、同校の存続が市内医療現場における看護師の確保や、市内で准看護師として働きながら看護師資格取得の機会が得られること、さらには、若い世代の人口定着につながるという認識に立ち、学生募集の実施や同校の存続に向けて、学校法人共育の森学園様と協議を重ねてきました。

 この間、市内で准看護師を養成する小樽市医師会看護高等専修学校の在校生から、小樽看護専門学校存続に関する要望書とその趣旨に賛同する署名の提出をお受けしたところであります。このたび、市と法人の連携協力と、市が支援を行う中で、まずは小樽看護専門学校の令和3年度の学生募集再開への協議が整いましたので、ご理解をいただいた学校法人共育の森学園様とご協力いただいた全ての関係者の皆様に、感謝と御礼を申し上げまして、ご報告をさせていただきます。なお、令和4年度以降の学生募集を含めた学校存続につきましては、関係機関と協議を進めながら、引き続き取り組んでいきたいと考えているところです。

 私からは、以上でございます。

 

(保健所主幹)

 続きまして、学校法人共育の森学園理事長間宮様、お願いいたします。

 

(共育の森学園理事長)

 ご紹介をいただきました、学校法人共育の森学園の理事長を仰せつかっております、間宮と申します。私どもの小樽看護専門学校、もうすでに半世紀以上の歴史があります。しかし、経営母体となっている学校法人は、私の今の共育の森学園で3代目ということになります。私は3代目の理事長なのですが、半世紀にわたって地域の医療に貢献してきたという自負を持っていましたが、皆様ご承知おきかと思いますが、2007年に経営をしていました、その当時は昭和学園でしたが、小樽短期大学が、やはり少子高齢化の波、煽りを受けまして、学生募集に非常に困難を来して、閉校することになりました。そのとき、かなり多額の負債を背負ってしまったという過去の現実がありまして、その後、学園も変わりまして学校法人も変わりまして、私共の共育の森学園は、非常な苦労をして、この看護専門学校と高等学校を運営してきました。今年の春、看護学校の方が定員割れを起こしたという現実に直面しまして、非常に苦渋の選択をせざるを得ませんでした。まさに学園運営を預かる理事会としては、皆、地域貢献をしたいと思って頑張ってきたわけですので、非常に断腸の思いと言わざるを得ない苦しみでありましたが、5月の理事会でいったん閉校するというふうに決めました。しかし、その後、市民の皆さんの署名活動等があり、希望が大きいということを受けて、小樽市が今般のようなご判断をしていただきましたので、我々としては、少なくとも来年度の学生募集はしていきたいということで、昨日の理事会で再決議をしました。しかし、その後については、やはり根本的な困難は抱えたままですので、これまた市長が仰せだったように、地域の皆様と協議を図りながら、状況次第で再度判断させていただくことになっています。とりあえず今回は次年度の学生募集については責任を持って行っていき、そして3年後の卒業までも、責任を持って行うということは、確信をもって申し上げるものです。

以上でございます。

 

報道機関から、下記のような質疑がありました。

(保健所主幹)

ご質問等がありましたら、お受けしたいと思います。

 

(北海道新聞)

今回、一旦の閉校を決めた後にまた決断を撤回して、次年度の募集を決めるというのは、これもまた大変な決断だったと思うのですが、どんな葛藤があったのか教えていただけますか。

 

(共育の森学園理事長)

学校法人は小樽市をはじめとする地域の社会に貢献するというのが、やはり最大の存在意義だと思って、皆さん理事各位は合意していましたから、今般、こういうふうに小樽市が内情をしっかりと把握していただいて、財政的支援をなさるということでしたから、そうであれば地域貢献するという目標にかなうということですので、それ自体は、昨日の議論で何か反対があったというわけではありませんでした。それから、もう一つ非常に重要なことがあります。学校は教員がいないと成り立たないものですから、教員も大学を出て教員免許を取るという人たちではなくて、看護職の教職ですので、非常に特殊な免許なので、このことについて、将来計画を立てようとすれば、当然、現場の教員の皆様の同意がなければ絶対がつくぐらいありえないので、この間、教員の皆様が小樽市の支援があるのであれば、自分たちも協力はやぶさかではないというようなご意見にまとまりましたから、そういう点では、今ここに臨んでいる気持ちとしては、現在は苦渋だという状態ではありません。

 

(北海道新聞)

間宮理事長にお伺いしますが、小樽市の財政支援の内容が、今年度から令和6年3月までの年度で数えると4年間の支援になりますが、この支援内容についてはどのように受け止めて、どのように評価されていますか。

 

(共育の森学園理事長)

このことについては、「お互い、台所事情を考えると大変なご英断だと思っています。」

ですから、これ以上のことは申し上げません。

 

(北海道新聞)

今年5月に閉校することを決められた背景には、准看護学校が全国的にも全道的にも少なくなっているという事情があったと思うのですが、来年の学生さんが卒業するまでの運営に関して、今後の課題というのはどういったものだと思いますか。

 

(共育の森学園理事長)

まず具体的なことは、先ほど申し上げたとおり、やはり教員の確保に全力を尽くさないと厳しい状態になりますので、それに神経を使うと言いますか、議論を進めるという、そういうことだと思います。まずはそこだと思います。教員だけではありません。教職員です。

それから、全国的には、今回協定書にははっきりと明言はしていませんが、これまた小樽市に中心になっていただきまして、今後の地域医療ないし看護専門職の養成をどうしていくのかということを、しっかり議論をして、いろいろ再構築をしていくということが必要でしょう。それ抜きには実は、前はそんなに進まないと、私は考えていますが。

 

(北海道新聞)

教職員の確保というのは、今もうすでに不足しているという状況なのですか。

 

(共育の森学園理事長)

今現在は不足はありません。

 

(北海道新聞)

今後ですか。

 

(共育の森学園理事長)

いずれにしても、こういうことが有る無しに関わらず、いつも教職員は若い先生であれば、出産を機会にお辞めになるとか、介護で辞めるとか、それはありますから、いつもそれは苦労するところです。なおかつ、私どもの学校は夜間ですので、勤務時間等々を考えると、いわゆる昼間の学校と違うので、なおさら厳しいということもあって、そういうこともあって苦渋の決断を今年したということだったのです。

 

(北海道新聞)

これまでも厳しかったし今後も厳しいということですか。

 

(共育の森学園理事長)

それはそうです。それは隣の校長先生をはじめとしてご苦労なさってきたのですが。

 

(北海道新聞)

今後の後志管内の地域医療について、再構築していかなければいけないというお話があったのですが、具体的には何か考えていることはありますか。

 

(共育の森学園理事長)

これからスタートするんですね。

 

(保健所主幹)

具体的にはこれからとなります。

 

(共育の森学園理事長)

具体的かつ早急にしていただかなければならないかと・・・

 

(小樽ジャーナル)

やはり学生の確保ということが大変だと思うのですが、今後、これに向けての体制の維持に取り組むということなのですが、どのようなことにこれから取り組んでいかれるのでしょうか。

 

(共育の森学園理事長)

基本はやはり厳しいままです。ただ、小樽市もこういう流れの中で、協定書に謳っていますが、甲(市)も、学生募集にも支援をするということですから、小樽市が持っている広報機能も活用してきたいとは思っています。それから、これは私の直感でしかないのですが、こういう流れ(継続してやるということ)になったので、教職員の皆さんも少し学生募集に力を入れるのではないかと期待はしています。

 

(小樽看護専門学校長)

私の学校が募集しているのは准看護師です。この准看護師の学校自体が、私が校長になったころは12、3校あったのですが、現在は5校しかありません。主に小樽医師会からの学生さんが60%以上占めているわけですから、その小樽市医師会との連携ということで存続が決まるのではないかと思っているのですが。そのへんはなかなか難しい問題で、そして小樽市には市立高等看護学院というものがありますし、私どもの看護学校もあって、医師会の学校もあって、この三つがバラバラな状態であるものですから、なかなか一つにまとまるということは難しいかもしれませんけど、今後の後志・小樽の医療を守るには、やはりこれから検討していかなければならない大きな問題だと思っています。

 

(小樽ジャーナル)

6月の時点で2年生は33名が進学を希望しているということだったのですが、定員は40人なので、あと少しまだ足りないというところがありますが、来年度は40人でスタートということはあるのでしょうか。

 

(小樽看護専門学校長)

40人で予定はしているのですが、この小樽医師会の33人も実際わからないです。その辺がわからないので、年が明けるまでおそらく正確な数は出てこないのではないかと思います。今年度も三次募集までやっていますから。それでも26人しか集まらなかったわけですから。

 

(北海道新聞)

5月の理事会以降、市長は6月の定例会で存続へ向けるということで方針を示された中で、今回協定ということになりましたが、改めて1年募集が延びたということに関しての受け止めというのはいかがでしょうか。

 

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