FMおたる「明日へ向かってスクラムトライ!」令和2年10月19日放送分

公開日 2021年02月03日

更新日 2021年02月03日

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【前半】

  • 小樽市除雪対策本部の設置について
  • 北海製罐(株)小樽工場第3倉庫について

【後半】

  •  小樽市の歴史的建造物について

 
放送の内容

オープニング

毎月第1第3月曜日のこの時間は、「明日へ向かってスクラムトライ!」をお送りします。
市民の皆さんに小樽市の取り組みを知っていただくとともに、市民の皆さんからも市政に対するご意見、ご感想をお待ちしています。
「明日へ向かってスクラムトライ!」では、小樽市長迫俊哉さんのほか、小樽市役所の職員の皆さんにご出演いただき、さまざまなジャンルの暮らしに役立つ情報をお届けします。

前半

(FMおたるパーソナリティー)
「明日へ向かってスクラムトライ!」、前半は小樽市長迫俊哉市長にお話しを伺っていきます。迫市長、よろしくお願いします。

(市長)
よろしくお願いいたします。

(FMおたるパーソナリティー)
10月も半ばに入りまして、そろそろ冬の準備、小樽市としては道路などの適切な除排雪の実施に向けて、除雪対策本部の設置というのがあるかと思うんですが、この番組でも何度か取り上げていますが、昨シーズンと同様、11月初旬の立ち上げということになるのでしょうか。

(市長)
そうですね。以前ですと、毎年12月1日に除雪対策本部を立ち上げていましたが、雪の降り始めが年々早くなっているということを受けまして、平成30年度から除雪対策本部の設置を早めました。平成30年度は11月15日に除雪対策本部を立ち上げたんですが、ちょうど私が市長になった年なんですが、その後、職員からも意見がありまして、「市長、もう少し早くてもいいんじゃないですか」と。そういう意見も受けまして、令和元年度から11月1日と、以前から比べますと一月ほど早く除雪対策本部を立ち上げています。今年も昨年度と同様に、11月に入りましたら除雪対策本部を立ち上げようと思っています。11月1日が日曜日になりますので発会式は2日(月)を予定しています。副市長に除雪対策本部長を務めていただいているものですね。それと除雪対策本部だけではなくて、私が市長になってから除雪に対しては、早め早めに対策を講じていこうというのが基本的な考えにありまして、以前は事後保全という言葉なんですが、例えば雪が降って道路が狭くなってから除排雪に入りましょうという考え方だったんです。今は雪が降って道路が狭くなるその前に除排雪に入るという予防保全という考え方に変えています。どうしても事後保全ということになりますと、道路が細くなる時期というのはみんな同じですから、逆に除排雪が追い付かなくなる可能性があるので、予防保全という形で早め早めに除排雪に入っていく、そういう考え方で除排雪に臨んでいるんですね。

(FMおたるパーソナリティー)
その考えの元になってるのは、迫市長が市長に就任される前の政治活動の際に、さまざまな形で市民の皆さんにご意見を伺って回られたときに、一番多かった要望が除排雪に関係するものだったということを伺っていました。この対策本部の立ち上げも、どんどん早め早めで備えをしていただいているということなんですよね。

(市長)
そうですね。確かに政治活動をしていく中で、市民の皆さんからは本当に除排雪に対する要望が多かったなという感じを受けているんですが、実は平成28年度に市民の皆さんから市政に対するアンケートをいただいたことがあるんですね。この結果からは明らかにその結果が出ていまして、市民の皆さんの要望が高い、だけど満足度が低いという結果が出てるんですね。ですから市民の皆さんの要望に応えていくためには、早め早めに除排雪に入っていくということは大事なんだろうと思います。一度早めに入りますと市民の皆さんも安心されます。いつ来るんだろうか、いつ除排雪が入るんだ、ではなくて、一回除排雪が入りますと市民の皆さんも安心されますので、今年も同じような形で除排雪に入って、市民の皆さんには安心して冬の生活を過ごしていただけるように取り組んでいきたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
令和2年度の除排雪対策ですが、特に力を入れようと何か考えていらっしゃる取り組みというのはありますか。

(市長)
令和2年度になって、この冬になって特別新しいことをやるという考え方は、今はありません。ただ去年から続けてやってきていることで、それをもっと充実させなければならないことがいくつかあります。それに取り組んでいかなければいけないと思ってるいんです。一つには特にドライバーさんから指摘を受けているのは、交差点の見通しが悪い、だから交差点付近の除排雪しっかりやってくださいと言われていまして、これを年々箇所数を増やしていまして、令和元年度ですと96カ所を重点的にやってきたんですが、これをさらに増やして令和2年度には100カ所に増やしていくというのが一つございますね。それからもう一つは、観光地周辺の除排雪がたくさんの観光客が来られているのに、除排雪が悪いよというご指摘をずっと受けていまして、これまでも堺町通り商店街ですとか、駅前通りとか、日銀の前の浅草通りだとか、あの辺も重点的にやってきたんですが、今年はメルヘン交差点付近の除排雪、これは交差点だけではなくて周辺の道路も重点的にやっていきたいと思っています。それともう一つは学校の統廃合によってお子さんたちの通学距離が長くなっているんですね。ですから保護者の皆さんからは、「通学路の安全対策のために除排雪をしっかりやってください」だとか、教育委員会からの要望もあるので、通学路の安全確保もしっかりやっていかければいけないんです。今年はコロナウイルスの関係で、冬休みもまた短くなるんですよね。そうすると3学期の始業式が早くなるという予定ですので、それに合わせて、年明け早々には通学路はきれいにしておかなければならないので、今言ったようなことを、新しいことではないんですね、私が市長になってこれまで続けてきたことを、さらに充実させていきたいというのが令和2年度の特徴ですね。それともう一つは、これは今すぐの話ではないのですが、将来に向けての除排雪のあり方を、今、議論していまして、雪対策基本計画を作っているんですね。これは10月2日から来月の2日までパブリックコメントという形で市民の皆さんからもご意見を伺っている最中なんです。社会状況が変わって、もちろん市の財政も厳しいので、これからは除排雪のことを考えていかなければいけないのと、もう一つ、人手不足という問題もあって、ドライバーさんを確保できないだとか、あるいは除排雪作業のオペレーターの方を確保することが難しいという中で、これからいかにそういう状況の中で効率的な除排雪ができるか、あるいは地域の皆さんの協力もいただいて協働して除排雪ができないかということを計画にしていきたいと思っているんですね。そういうことも今、パブリックコメントをやってますので、お時間があればホームページでもご覧いただけますので、これからの除排雪に対して市民の皆さんからもご意見をいただければなと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
はい、分かりました。この除排雪の対策というのが、市民の皆さんの安心安全に直結していくわけですから、重要なところでもありますよね。

(市長)
そうですね。特に交差点付近の見通しが悪いと出合い頭の衝突などありますので、少しずつではありますが改善していきたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
はい。除雪に関するお話ですが11月1日発行の広報おたる11月号にも掲載する予定となっていますので、ぜひ参考になさっていただきたいと思います。さて、すでに報道などで目にしている方がいらっしゃると思いますが、運河沿いに建ちます北海製罐さんの第3倉庫、鉄筋コンクリート造り4階建ての大きな倉庫ですが、老朽化などの理由から解体の検討がなされているということが、北運河エリアのランドマーク的な建物ですが、これがニュースになっているんですよね。

(市長)
多くの皆さんが新聞報道をご覧になったと思いますが、大変大きな反響があると思っていますし、新聞だけではなくて、私もSNSをやっていますが、そういう投稿を見ましても、市民の皆さんの心配されている声というのを私もしっかり受け止めていかなければいけないと思っています。北海製罐からも相談を受けていますが、市にとってはシンボリックな建物ですよね、そして多くの皆さんのあの建物に対する思い、特に運河と一体になっていますから、それをしっかり受け止めながら、残された時間もあまり無いですから、市としても何ができるか早急に考えていかなければいけないと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
北海製罐の小樽工場全体が大変な文化財なわけですから、実際、北運河の遊歩道を歩きますと目の前にそびえる大変個性的で、またどこかモダンな第3倉庫というのは、とりわけ景観上の価値も高い歴史的建造物と感じますよね。

(市長)
そうですね。大正13年に完成して96年を迎える建物ですから、歴史的な建物であることは間違いありませんね。これは本当に運河と一体化した建物ですし、建物そのものも運河と一体利用という構造に実はなっているんですね。例えば製品の荷揚げというのは室内でエレベーターで上げたり下げたりするんですが、屋外にスパイラルシュートというのが付いてますので、そこから荷物を、製品を下ろして、運河にある艀に積み込むという設計になっているんですよ。階段も外側にありますので、私も1回、室内を見学に行きましたが、倉庫の中には階段というのはないんです。全部運河を意識して作業する、製品を出荷するという構造になっているようですね。荷物を上げ下げするエレベーターなどは付いていました。市としてもこうした歴史的価値に配慮して、平成24年には市の指定歴史的建造物、後半に担当が詳しく説明しますが、その前には都市景観賞も授与させていただいています。

(FMおたるパーソナリティー)
今は倉庫としては使われていないとお聞きしていますが、この建物なんですが、現在はどのような状況なんでしょうか。

(市長)
1回現場を私どもも見てきていますが、倉庫としての役割は終えていまして、業務には使用されていないような状況ではありますよね。ただ海側の外壁というのは、絶えず潮風が当たっていますから、相当傷んでいますので、安全ネットがかけられているというのは、多分、多くの皆さんがご覧になっているのではないかと思います。残念ながら会社としましては経営上の問題もあって、皆さんも缶詰をあまり食べないですね、以前と違ってですね。

(FMおたるパーソナリティー)
そうなのかもしれませんね。

(市長)
もともとこの会社は鮭だとか、カニとか、あと農産物の缶詰の缶を作っていましたが、やはり人口が減っていく、需要が減っていく、また社会状況も変わってくるという中で、会社の状況としては取り壊すという方向で、残念ではありますが検討されているということで伺っています。

(FMおたるパーソナリティー)
個人的にも北運河を象徴する大きな建物がなくなってしまうというのは想像することができませんし、何とも忍びない感じがしますよね。

(市長)
そうですね。まだ市として結論は出ていませんが、私も市長としていつも言っているのは、小樽の強みは歴史とか文化だよ、これを活かしたまちづくりを進めていくと言っていますので、どうやってあの歴史的な景観を守っていけるかというのは、考えていかなければならないと思っています。なかなか会社側が取り壊すという方針を示されて、「はいわかりました」というわけには、多くの市民の皆さんにも許していただけないでしょうから、この辺はしっかり考えていきたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
はい、分かりました。前半は小樽市長迫俊哉市長にお話しを伺ってきました。迫市長、どうもありがとうございます。

(市長)
どうもありがとうございました。

後半

(FMおたるパーソナリティー)
「明日へ向かってスクラムトライ!」、後半は小樽市職員の皆さんにお話しを伺っていきます。小樽の街並みに歴史やノスタルジーを感じるという方は大変多くいらっしゃると思いますが、そう思わせる要因として歴史的建造物の存在があると思います。小樽市建設部新幹線・まちづくり推進室から廣瀬さんにお越しいただきましたので、小樽市の歴史的建造物についてお話を聞いてみたいと思います。廣瀬さん、どうぞよろしくお願いします。

(廣瀬)
どうぞよろしくお願いします。

(FMおたるパーソナリティー)
廣瀬さんは歴史的建造物の業務を担当していると伺いましたが、具体的にはどのようなお仕事をされているのでしょうか。

(廣瀬)
はい。私の担当業務ですが、大きく2つあります。一つは小樽の財産である歴史景観や自然景観などの保全に関わる業務、もう一つは新築改修を行う建物や屋外広告物などに対して景観誘導を行い、良好な景観をつくっていくという業務になります。歴史的建造物は小樽の魅力ある景観を構成する重要な要素であることから、景観行政を進めていく中で歴史的建造物の保全に取り組んでいます。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽を訪れる観光客などに郷愁、ノスタルジーを感じさせる大きな要素となっていることと思いますが、この歴史的建造物なんですが、今、市内にはどのくらいの数があるんでしょうか。

(廣瀬)
市の景観条例に基づき保全すべき歴史的建造物について登録や指定を行っていますが、その中で現在も残っているものが96件あります。歴史的に価値のある建造物ということになると、市の教育委員会が担当している有形文化財も含まれますが、国指定重要文化財の旧日本郵船株式会社小樽支店をはじめ、国、北海道、小樽市が指定や登録を行った有形文化財が7件がありますので、これらを合わせると103件ということになります。

(FMおたるパーソナリティー)
100件を超える数の歴史的建造物があるんですよね。ただ現存しているだけではなくて、利活用されているという街はまれではないかなと思うんですが、この小樽の街並みに歴史の香りを感じるのは、そのためなんですよね。

(廣瀬)
そうですね。小樽の歴史的建造物ですが、単に年数が経過しているということだけではなく、小樽が歩んできた歴史と密接な関わりを持って建築されています。小樽が鰊漁や北前船の交易で繁栄し、港や鉄道の存在によって物資供給の拠点となり、日本の近代化に貢献していく、こういう歴史の中で番屋、倉庫、銀行、商店などが建築されていきますので、今も残る歴史的建造物は現代において本物の歴史を語ってくれる存在と言えます。一流の建築家が設計し、多様な様式を見ることができる色内の銀行建築や経済性と防火性を踏まえ、骨組みを木造、外壁に小樽や札幌で採れた石材を使った木骨石造の倉庫など、こういうものが小樽の街並みをつくっているということを私も歴史的建造物の業務に関わる中で改めて感じました。個人的な話になるんですが、私は空知の砂川市の出身で高校まで住んでいました。私が通っていた小学校と中学校は校舎が古く、暖房は石炭ストーブでした。

(FMおたるパーソナリティー)
昔はそうでしたよね。

(廣瀬)
昔はそうだと思います。明治時代に小樽と空知が鉄道で結ばれますが、その鉄道によって空知の石炭が小樽に運ばれ、日本の近代化に貢献したという歴史を知ると、学校で石炭を運んだ思い出も感慨深いものがあります。歴史的背景を知ると歴史的建造物に対する興味や見る目も変わってくると思いますので、小樽が持つ歴史を伝えていくということも重要なことだと感じています。

(FMおたるパーソナリティー)
そうですよね。前回の放送で特集させていただきました日本遺産の炭鉄港のストーリーですよね。小樽市内に数ある歴史的建造物ですが、それぞれどのくらい前に建てられたものなんでしょうか。

(廣瀬)
はい。江戸時代には神社が建てられています。その後、明治に入ると寺院、番屋、倉庫、銀行、商店などが建てられましたが、明治のはじめごろの建物であれば約150年前、大正の初めごろであれば約110年前、昭和の初め頃であれば約90年前ということになります。多くの歴史的建造物が100年を超えていますが、今も現役で活用されているということが他の街にはない小樽の魅力につながっていると思います。ちなみに小樽市は令和4年に市制100年を迎えます。小樽運河が完成する前年、大正11年に市制が施行されましたが、時を同じくして建築されたものとしては、現在、小樽運河ターミナルとして活用されている旧三菱銀行小樽支店などがあります。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽の市制が施行されたのが大正時代なんですね。この小樽運河と歴史的建造物の関わり、これについてはいかがでしょうか。

(廣瀬)
はい。小樽運河は内陸を掘り込むのではなく、海岸の沖合を埋め立てる形で作られましたが、大正3年に着手し大正12年に完成しています。大きな船が港に接岸できないことから、艀を介し、荷を運ぶための港湾施設として運河が造られましたが、完成後まもなく運河周辺にも倉庫が建築されます。これらの倉庫の中には、新1万円札の顔となる渋沢栄一さんが関係する倉庫も含まれていますので、こういうところも注目をしていただきたいです。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽運河を埋め立て式にと提案されたのが港湾工学の父と称された広井勇さんですし、日本資本主義の父、渋沢栄一さんのお名前も出てきましたよね。改めて小樽はすごい街だということを感じますよね。では、どのような建物が歴史的建造物ということになるんでしょうか。

(廣瀬)
小樽の歴史の中で貴重なもの、地域の特色が表現されているもの、その地区の景観にマッチしているもの、保全状態が良好なもの、このようなものが選定基準となりますが、市が設置した景観審議会の意見を聴き、登録や指定を行ってきました。

(FMおたるパーソナリティー)
登録や指定というお話ですが、この歴史的建造物の登録と指定というのは何か違いがあるんですか。

(廣瀬)
市の景観条例に基づき、歴史的建造物として保全すべきものを登録していますが、その中で特に重要と認めるものを「小樽市指定歴史的建造物」として指定しています。先ほど登録や指定が96件というお話をしましたが、詳しく言いますと登録が96件あって、そのうち指定をしたものが79件あるということになります。指定をした79件については所有者の同意を得て、窓口で配布をしている歴史的建造物ガイドマップや、市のホームページなどにおいて公表していますので、皆さんが歴史的建造物と認識しているものは、小樽市が指定をした歴史的建造物ということになります。

(FMおたるパーソナリティー)
そういえば、街を歩いていると建物の前などに歴史的建造物の看板が立ってますよね。

(廣瀬)
そうですね。指定をした歴史的建造物には外壁に指定を示すプレートを付け、その近くに概要を記載した説明看板を設置しています。街を歩くときにこの看板を探していただくと、ここも歴史的建造物だったんだという発見があると思います。飲食店になっている歴史的建造物もありますので、歴史を感じながらお食事を楽しんでいただければと思います。

(FMおたるパーソナリティー)
歴史的建造物は民間の方が所有しているものも多いんですよね。

(廣瀬)
そうです。ほとんどが民間の所有です。歴史的建造物を維持する上でご苦労も多いと聞いていますが、所有者の方からはご理解とご協力をいただいているところです。

(FMおたるパーソナリティー)
この登録や指定を受けますと、所有物件がどのような扱いになるか、心配される所有者も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

(廣瀬)
登録や指定を受けた歴史的建造物の所有者には、建物の外観を保全する義務が生じます。外観の補修工事を行う場合には市に届け出をしていただく必要があります。その代わり、外観の保全をするための行為に対して、市がその経費の一部を助成していますので、所有者の方には助成金を活用していただき、歴史的建造物の保全を図っていただきたいと思います。

(FMおたるパーソナリティー)
分かりました。ところで、歴史的建造物の登録や指定については今後、増えるということはないでしょうか。

(廣瀬)
昭和55年と平成4年に歴史的建造物の実態調査を行い、この調査に基づき歴史的建造物の登録や指定を行ってきました。現時点では、一定程度の整理が付いている状況ですが、この調査が戦前の建造物を対象としているため、戦後に建築された一部の建造物について、何らかの価値付けが必要ではないかと考えています。

(FMおたるパーソナリティー)
歴史的建造物の保全や歴史を生かす取り組みに対して、市民の関心が高まっているようにも感じるんですが、いかがでしょうか。

(廣瀬)
国の認定を受けた日本遺産の「北前船」や「炭鉄港」、認定にはいたりませんでしたが「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」、これらに関連する取り組みや地域においても歴史資源の掘り起こしが行われている事例がありますので、私としても歴史を生かす取り組みについて市民の関心が高まっていると感じています。

(FMおたるパーソナリティー)
この歴史的建造物について、とりわけ、今後市民の皆さんに向けた周知などで考えていらっしゃることは何かありますか。

(廣瀬)
まず一つ目として、建物の特徴だけではなく、歴史的背景に関する説明を充実させたいと考えています。配布資料など内容を工夫することで、歴史的建造物に興味を持っていただきたいと考えています。二つ目として、毎年実施している「歴史的建造物めぐり」を今後も継続していきたいと考えています。市が用意したバスで歴史的建造物をめぐる事業ですが、市民の皆様に歴史的建造物を身近に感じていただく事業として、今後も実施していきたいと考えています。

(FMおたるパーソナリティー)
まちづくり行政を進めていかれる観点での取り組みとしてはいかがでしょうか。

(廣瀬)
歴史的建造物の老朽化や維持保全に関する所有者の負担が懸念されますので、現在、国の支援制度の活用について検討しています。歴史的建造物を担当する建設部新幹線・まちづくり推進室、日本遺産を担当する産業港湾部観光振興室、文化財を担当する教育委員会生涯学習課が連携して立ち上げた「歴史を生かしたまちづくり庁内検討会議」においても歴史文化資源の保全や活用について、部署の垣根を越え、検討を行っていますので、引き続きこの取り組みを進めていきます。

(FMおたるパーソナリティー)
分かりました。さて迫市長、小樽の歴史的建造物というのは小樽のまちづくりには欠かせない存在だというのが、改めて分かったような気がしますね。

(市長)
そうですね。小樽は北海道開拓の玄関口として栄えた歴史を持っていまして、運河だけではなくて、北海道産業の近代化に貢献した多くの歴史的な建造物などの景観資源を持っているわけです。歴史や文化が息づく歴史的な街並みですとか、あるいは自然景観とともに小樽市固有の財産として守り育てて、次の世代に引き継いでいくことが我々の役目と考えています。今年から「小樽の歴史」という副読本を小学校に配布して、生徒さんたちもちょうど学ばれているところですね。それから歴史的建造物の保全や活用には財政的な課題や技術的な課題というのが伴ってまいりますが、現在、歴史的な建造物の保全ですとか活用に向けて、今お話がありましたとおり、市役所の関係部署が連携しながら、国の制度を活用しながら、前に進めていく取り組みを始めたところです。いずれにいたしましても、長い歴史の中で市民の皆さんが守ってきた歴史的な建造物、それから歴史的な街並みを保全しながら、歴史と文化は小樽にとっての強みですから、歴史と文化を生かしたまちづくりを進めて小樽の魅力も高めていければと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
分かりました。今日は迫市長、そして小樽の歴史的建造物について小樽市建設部新幹線・まちづくり推進室の廣瀬さんにお話をお伺いしました。迫市長、廣瀬さん、どうもありがとうございます。

(市長・廣瀬)
ありがとうございました。

 

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