公開日 2023年04月07日
更新日 2023年04月07日
- 区分:国登録有形文化財
- 所在地:小樽市桜1丁目1-2ほか
- 登録日:令和5年2月27日
- 問合せ先:料亭湯宿 銀鱗荘(0134-54-7010)
銀鱗荘は、ニシン漁等で財を成した実業家、猪俣安之丞が明治後期に建てたニシン漁家建築です。
もともとは猪俣家が活動していた余市町にあったものですが、昭和初期、全国的な資産家であった野口喜一郎が東小樽地区で道内初の近代的な宅地開発を計画すると、そのシンボルとするため、昭和13年に小樽市(現在地)に移築されました。移築後は、野口が経営していた「北海ホテル」の別館として活用されました。その後も旅館利用が続き、現在は同じく猪俣家から移築された蔵と合わせ、和風ホテルやレストランとして活用されています。
ニシン漁に関する建物というと、「ニシン番屋」が小樽市内外にも残されていますが、銀鱗荘はこれらと少し異なります。一般的なニシン番屋は、ひとつの建物の中で親方(主人)と漁夫(雇い人)がともに寝起きし、それぞれの居住空間を土間などで仕切る構造が一般的でした。しかし、猪俣家では親方と漁夫の住居を完全に分離していたことが分かっており、現在の「旧本館」部分は親方専用の住宅として使われていた母屋にあたります。これほど大きな親方専用の住宅は道内でほかに例が無く、50畳もの大広間や大きな神棚からも、猪俣家の繁栄がうかがえます。
※写真は株式会社ニトリ及び銀鱗荘提供
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