FMおたる「明日へ向かってスクラムトライ!」令和5年7月17日放送分

公開日 2023年07月19日

更新日 2023年07月19日

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【前半】

  • おたる潮まつり、小樽がらす市について
  • 埼玉県春日部市との都市間連携協定について

【後半】

  • 食中毒の予防について

放送の内容

オープニング

毎月第1第3月曜日のこの時間は、「明日へ向かってスクラムトライ!」をお送りします。
市民の皆さんに小樽市の取り組みを知っていただくとともに、市民の皆さんからも市政に対するご意見、ご感想をお待ちしています。
「明日へ向かってスクラムトライ!」では、小樽市長迫俊哉さんのほか、小樽市役所の職員の皆さんにご出演いただき、さまざまなジャンルの暮らしに役立つ情報をお届けします。

前半

(FMおたるパーソナリティー)
前半は、小樽市長迫俊哉市長にお話をお伺いします。迫市長よろしくお願いします。

(市長)
よろしくお願いします。

(FMおたるパーソナリティー)
さて、今日は海の日、祝日ということで、お休みでこの番組をお聞きになっている方も、多いかもしれないですね。

(市長)
そうですね。3連休だった方も多いのではないかと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
7月も半分が過ぎて、来週にはもう小・中学校は夏休みに入りますね。

(市長)
市内の小・中学校は、全校が7月25日火曜日に終業式となります。1学期もあと1週間ちょっとですが、皆さん楽しい夏休みを迎えてほしいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
そして、来週末は7月28日金曜日から30日まで、いよいよおたる潮まつりが開催されます。昨年もコロナに配慮した中ではありましたが、潮ふれこみや潮ねりこみ、そして最終日の花火大会など、3日間行われましたが、今年はコロナ5類移行後、初めての潮まつりということで、ほぼコロナ前と同じ形で開催されるんですよね。

(市長)
そうですね。潮ねりこみのコースはコロナ前と同じ、花園グリーンロードから港の中央ステージまでの1.8kmに戻りますし、誰でも飛び入りで参加できる「とび入りで踊り隊」も4年ぶりに復活するとに聞いています。

(FMおたるパーソナリティー)
最終日の30日日曜日には、4年ぶりに「神輿(みこし)パレード」も復活するそうですし、待ちに待っているという方も多いんではないでしょうか。そして、恒例の道新納涼花火大会では、およそ3000発の打ち上げ花火が予定されていますが、花火大会とともに行われるドローンショーが話題になっていますね。

(市長)
そうですね。潮まつりの公式ホームページでは、午後7時40分から午後8時までがドローンショー。それから午後8時から午後8時40分まで、花火大会ということで案内されています。非常にたくさんの方が訪れると予想されていますので、会場の混雑時には警備員や警察官の指示に、必ず従っていただきたいと思っていますし、事故のないように観覧いただきますようお願いします。

(FMおたるパーソナリティー)
昨年もポケモンのドローンショーが行われまして、会場でご覧なった方から、非常に見応えがあったと好評だったそうですが、中央ステージのある3号ふ頭の周りが本当に大混雑でしたね。終わった後のJR小樽駅もすごい行列ができたと聞いていますし、気持ちに余裕を持ってお祭りを楽しんでいただきたいですね。

(市長)
そうですね。おっしゃる通りだと思います。たくさんの方に小樽に訪れていただくということは大変うれしく思っていますが、気持ちよく潮まつりを楽しんでいただきたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
迫市長も潮まつりを楽しまれることと思いますが、今回は何回ぐらい踊られるのでしょうか。

(市長)
28日のふれこみは踊りますし、29日のねりこみの本体(役員梯団)と、それから私の職場である市役所梯団ということですので、少なくとも3回は踊ることになります。村岡さんも今回は踊られるのではないでしょうか。

(FMおたるパーソナリティー)
そうですね。私も参加させていただきたいと思っています。ふれこみ、それから、ねりこみも息子の小学校と、あとは「和を遊ぶ」。

(市長)
「和を遊ぶ」は、私も参加させていただくかもしれませんね。時間が合えばですね。

(FMおたるパーソナリティー)
では、市長とご一緒に踊らさせていただくことになるかもしれません。ぜひ、市長も水分をしっかりとって踊りきっていただきたいと思います。そして、潮まつりと同じ時期になりますが、4年ぶりになります「小樽がらす市」が開催されますね。

(市長)
そうですね。小樽がらす市は今回12回目の開催になります。ご存知かと思いますが、小樽とガラスの関わりというのは、魚の漁に使う浮き玉をガラスで製作したことから始まっていまして、小樽の歴史にも深いつながりがありますので、小樽らしいイベントだと思っていますし、4年ぶりに開催されることを、私も大変うれしく思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
この小樽がらす市ですが、会場は旧国鉄手宮線と文学館・美術館の屋外広場ということですね。

(市長)
そうですね。市内市外のガラス工房、それからガラス作家さんの製品の販売。それから、制作体験等も行われることになっています。

(FMおたるパーソナリティー)
さらに特別企画として、大切な人に感謝を伝えたい人を会場から募集する「ガラスの贈り物応募企画」、それから「子どもクイズラリー」、「グラスデザインコンテスト受賞作品の展示」、また人気の撮影スポット「風鈴トンネル」など、楽しい企画がさまざま用意されているんだそうですね。

(市長)
そうですね。潮まつりは観光振興室、それから小樽がらす市は産業振興課にそれぞれ事務局が設けられています。それぞれの担当職員も準備に力を入れていますので、ぜひ多くの皆さんに会場に足を運んでいただければなと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽がらす市につきましては、28日金曜日は正午から、29日土曜日と30日日曜日は朝10時から3日間とも午後6時まで開催しているということです。まずは潮まつり、そして小樽がらす市についてのお知らせでした。さて、話は変わりますが、埼玉県春日部市と小樽市との都市間連携協定についてです。こちらは、7月4日火曜日に、市役所で連携協定の締結式が行われたそうですが、なぜ春日部市と都市間連携協定を結ぶことになったんでしょうか。

(市長)
昨年の9月に、埼玉県の越谷市にありますショッピングモールで、小樽の物産展が開催されたのですが、私がそこに立ち寄ったときに、春日部市にも訪問させていただいたのですが、春日部市の岩谷市長とお話をさせていただく機会がありました。その後、岩谷市長の方から、小樽市と協定を結びたいというお申し出がありまして、それがきっかけになったわけなんですね。

(FMおたるパーソナリティー)
昨年の春日部市の訪問がきっかけになったんですね。

(市長)
その通りです。そして、春日部市の水害への対応が大変参考になると感じました。春日部市には、首都圏外郭放水路という、非常に大規模な施設がありまして、これは大雨等の際に周辺の河川の水を地下に取り込みまして、地底50メートル、それから総延長6.3キロメートルのトンネルを通して、大きな川である江戸川に安全に流す、世界最大級の地下河川と言われています。水を溜める調圧水槽という巨大プールは59本の巨大な柱が建っていまして、これは地下神殿とも呼ばれています。私もここを訪問させていただきましたが、大変巨大な施設でして、1000億円をかけて、国が整備したと担当の方からもお話を伺いました。そういった施設がありますように、水害への対策を中心にしまして、住民の皆さんの災害対策への意識というものが、非常に高いということと、それから、自主防災組織のカバー率と言いますが、それが100%ということから、本市でもその自主防災組織の編成、それから災害時の応援人員の受け入れ体制というものが、災害対策の課題として、以前から掲げられていましたので、この協定の締結によって春日部市から学ばせていただくことも多いのではないかと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
この首都圏外郭放水路の資料を私も見させていただいたんですが、まさにこの地下神殿といった感じで、大変興味深い施設ですよね。このような国内の他の都市との連携協定というのは、今回が初めてになるのですか。

(市長)
平成20年に愛知県の半田市で開催されました「運河サミット」というのがあるのですが、これがきっかけで、平成25年に愛知県の半田市、それから宮崎県の日南市と小樽市との3市がですね、災害時の相互応援協定というのを結んでいます。

(FMおたるパーソナリティー)
きっかけは何と運河つながりなのですね。半田市と日南市にも、市内に運河があるんですね。

(市長)
はい。それで当時、半田市長からのお申し出で、3市で協定を結ぶ運びになったのですが、この協定は災害が発生したときの、物資、それから職員派遣等の応援協力についてのものですので、今回の春日部市との包括的な連携協定というのは、都市間では初めてということになりますね。

(FMおたるパーソナリティー)
春日部市との連携協定は、災害時の応援協定にはとどまらないということですね。

(市長)
その通りですね。災害対策は軸としていますが、それ以外の分野でも、情報交換ですとか、意見交換を通じまして、お互いの市が持っている資源ですとか、特徴を学び合いながら、それぞれの地域の活性化や、持続的な成長につながるような取り組みも進めていければと思っています。ですから、この都市間協定の締結というのがゴールではなくて、むしろこれからがスタートだと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
スタートということですけれども、今後はどのような連携を進めていきたいと考えてらっしゃるんですか。

(市長)
これまでの記者会見などでも申し上げてまいりましたが、例えば北海道新幹線が札幌まで延伸されますと、北関東とのアクセスというのが非常に良くなります。ドアtoドアで申し上げますと、時間的には、飛行機とあまり遜色なく、小樽にお越しいただけることになるのです。もちろん乗り換えも少ないですから、利便性もあると思っています。これまで小樽市では、北関東とのつながりはあまりありませんでしたので、春日部市は北関東に入りませんけれども、春日部市との連携を深めることで、小樽市をPRする戦略拠点になっていければと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
シティセールスの拠点にということですよね。

(市長)
そのように言えると思います。新幹線延伸を見据えて、いろいろな取り組みを行っていければと思っています。それからもう一つは、春日部市ではもう間もなく新しい市庁舎が完成することになっていまして、来年の1月に引っ越しを終えて、開庁すると伺っています。建設費の一部をクラウドファンディング等で募るということもしていますし、また春日部市の市庁舎の建設は、当然、次の世代を見据えたいろんな取り組みを多分されていると思いますので、これから新庁舎建設を目指している小樽市にとりましても、いろいろな面で参考になるのではないかなとも思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
春日部市には学ばせてもらうことが、たくさんありそうですね。

(市長)
そうですね。これからいろいろなことを学んだり、参考にしたりしていきたいと思っていますので、今後、必要に応じて職員の派遣などもさせていただきながら、いろいろなことを学んでいければと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
ちなみに埼玉県の春日部市なのですが、正直申し上げてあまりなじみがないといいますか、私なんかは、クレヨンしんちゃんの舞台という感じでは知ってるのですが。どういう町なんでしょうか。

(市長)
埼玉県の東部にありまして、さいたま市、それから千葉県と隣接しています。新幹線の大宮駅から電車で20分あまり、東京の都心からも1時間弱という、アクセスのよい街だと思っていますし、水辺、それから緑も多くて、都市と自然の程よいバランスが魅力と伺っています。今おっしゃられたクレヨンしんちゃんですけれども、クレヨンしんちゃん一家が特別住民登録されているとも伺っていります。

(FMおたるパーソナリティー)
随分住みやすい、すてきな町のようですね。

(市長)
町の特性といいますか、お互い産業構造だとか人口構造だとか、そういったものの違いはあると思いますけれども、お互いが持つ特徴を生かしながら、これからも連携を深めていければなと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
前半は、小樽市長迫俊哉市長にお話をお伺いしました。迫市長どうもありがとうございます。

(市長)
どうもありがとうございました。

後半


(FMおたるパーソナリティー)
後半は、小樽市職員の方にお話を伺っていきます。今日は食中毒の予防ということで、保健所生活衛生課の井上さんにお話をお伺いします。井上さん、よろしくお願いします。

(井上)
よろしくお願いします。

(FMおたるパーソナリティー)
井上さんは現在、保健所で食品衛生監視員として業務に当たっているとお聞きしました。食品衛生監視員という、なじみのない言葉なのですが、具体的にはどのような業務を行っているのですか。

(井上)
食品衛生監視員とは、食品衛生法等の法令に基づいて食の安全や安心を守る業務を行っています。小樽市保健所の食品衛生監視員としては、具体的に、飲食店や食品工場への営業許可を出す業務や施設の監視指導、食中毒事件等発生時の調査、食品の検査、市民の方々からの相談への対応を行っています。

(FMおたるパーソナリティー)
では、今、お聞きしました食品衛生監視員の業務に関連して、気温が上昇してきますと、どうしても食中毒が心配になってきます。今月も、6日から13日まで食中毒警報第2号が発令されていましたが、食中毒警報の発令の基準というものはあるのですか。

(井上)
はい、基準は四つあるのです。まず、その日の最高気温が28℃以上が予想されている場合。これが一つ目になります。次に、前日と前々日の最低気温がそれぞれ20℃以上、なおかつ湿度も85%以上だった場合、これが二つ目です。第3に、前日、前々日の一日の平均気温が23℃以上で、なおかつ湿度が85%以上の場合、これが三つ目です。最後になりますが、今までの三つの条件に当てはまらないものの、警報の発令というのが特に必要と思われる場合。例えば週末の予想最高気温が28℃以上と予想される場合。こういった四つの条件があります。

(FMおたるパーソナリティー)
そうなんですね。今年も暑い日が続くと発令回数が多くなりそうですが、警報発令中は、どのようなことを行うのですか。

(井上)
発令中は保健所正面玄関に「食中毒警報発令中」と書かれた懸垂幕を掲げたり、ファクスや電話での事業者への情報提供、ホームページでの注意喚起、市内中心街の街頭放送、それと、保健所車両のスピーカーでの注意喚起の呼びかけを行います。

(FMおたるパーソナリティー)
そうなんですね。昨年度は食中毒警報は何回発令されたのですか。

(井上)
昨年度は6月から9月の間に計10回、延べ43日間、警報が発令されました。

(FMおたるパーソナリティー)
なんと、昨年度は10回も発令があったのですね。食中毒警報発令中は、どのようなことに気を付けるとよろしいのでしょうか。

(井上)
やはり、食中毒予防を徹底することです。そのためには、食中毒予防の三原則を守ることが重要です。三原則について、1番目は、食中毒菌等を「つけない」ことがあります。食中毒を起こす細菌は、魚や肉、野菜などの原材料についていることがあります。この食中毒菌が手や指、あるいは調理器具などを介して他の食品を汚染して、食中毒の原因となることがあります。手や指、器具類の洗浄・消毒や、あるいは食品を区分け保管、調理器具を用途別の使い分けを行って、菌を他の食品につけないことが大事なのです。

(FMおたるパーソナリティー)
三原則の一つ目は、食中毒菌などを「つけない」ということなのですね。二つ目は何でしょうか。

(井上)
2番目は「増やさない」です。やはり「つけない」というのをいくら頑張っても、どうしても食品に菌が付着することは考えられます。付着した菌というのは、時間の経過とともに増えていくので、この場合、菌を「増やさない」ことが求められます。具体的には、調理を素早く行う、あるいは調理後時間をおかずにすぐに早く食べるということが大事です。また、食中毒菌は通常、10℃以下では増えにくいので、食品を扱う際には室温に長時間放置しない、冷蔵庫で保管するなどが大事です。加熱したものを冷やす場合も、小分けにして冷やす、流水で冷やすなどの工夫をしてなるべく迅速に冷却することが大事です。

(FMおたるパーソナリティー)
三原則の二つ目は「増やさない」ですね。では最後、三つ目は何でしょうか。

(井上)
三つ目は「やっつける」です。一般的に、食中毒を起こす細菌は熱に弱ので、しっかり加熱することは非常に効果的な食中毒の予防方法です。しかし、不十分な加熱による食中毒の発生も多いので、注意が必要です。また、調理器具を洗浄した後は、器具を熱湯や塩素系漂白剤などで消毒することも、やっつけることの一つの手段となります。

(FMおたるパーソナリティー)
食中毒予防の三原則、「つけない」「増やさない」「やっつける」が重要なんですね。ところで、昨年度小樽市では食中毒の発生はあったのでしょうか。

(井上)
残念ながら、昨年度は5件の食中毒事件が発生してしまいました。このうち3件がアニサキスによるものでした。また、今年度も7月6日にアニサキスによる食中毒事件が発生しました。

(FMおたるパーソナリティー)
そうなんですね。このアニサキスですが、最近よく耳にしますが、アニサキスとは何なのでしょうか。

(井上)
アニサキスは長さ2~3cmで、幅1mm程度の寄生虫です。細菌やウイルスとは違って、食品中のアニサキスは目視でも確認することができます。魚介類に寄生していて、具体的にはサバやアジ、サンマ、イカなどの内臓表面にアニサキスは寄生しています。寄生していた魚介類が死亡すると、アニサキスは内臓から筋肉へと移動していきます。基本的に、海で生活する魚にはアニサキスが寄生している可能性は十分にあります。
(FMおたるパーソナリティー)
アニサキスは魚に寄生する寄生虫なのですね。よく、アニサキスで腹痛を起こした話を聞きますが、症状としてはどのようなものなのですか。

(井上)
今おっしゃったとおり、主要な症状としては腹痛ですね。それと同時に、吐き気やおう吐が生じる場合もあります。これらの症状は、食後早ければ数時間、2時間や3時間から、最大でも一日の間に現われます。この腹痛の原因なのですが、胃の壁、いわゆる胃壁に、アニサキスが侵入することで発生して、まれに胃じゃなくて腸の壁への侵入でもおなかが痛くなる場合もあります。また、胃や腸の消化管の壁へのアニサキスの侵入がない場合でも、じんましんやアナフィラキシーといったアレルギー症状がおこる場合もあります。なので、お刺身や寿司などの生魚を食べた後に、腹痛やじんましんが出たようなアニサキスによる症状が疑われた場合には、すぐにお医者さん、特に内科、消化器内科を受診してください。

(FMおたるパーソナリティー)
アニサキスで腹痛になったら、お医者さんを受診すればいいのですね。アニサキスの予防や対策としてはどのようにするとよろしいですか。

(井上)
まず、アニサキスには加熱が有効です。中心温度70℃以上、または60℃1分間以上の加熱でアニサキスは死滅します。また、冷凍の場合でも、-20℃以下で24~48時間経過すると死滅します。しかしながら、ご家庭の冷凍庫では-20℃以下まで冷えない場合があるので、冷凍でアニサキスを殺そうというのはご注意ください。また、生魚を刺身にする場合、アニサキスが付着していないか、調理時や喫食時に目視で確認することも重要でしょう。注意点としては、酢での処理、いわゆる酢じめや塩漬けを行うこと、また、しょうゆやワサビを付けてアニサキスを殺そうと、死ぬと思っている方もいらゃっしゃると思うのですが、これらの行為でもアニサキスは死滅しません。スーパーで刺身用のさくを買った際にも、アニサキスが寄生している可能性がありますので、目視確認を怠らない方がよいでしょう。

(FMおたるパーソナリティー)
本当に気を付けないといけないですね。他にはアニサキスについて注意するべき点などあるのでしょうか。

(井上)
昨年度の小樽市でのアニサキスによる食中毒のうち2件は、患者が自分で釣ってきた秋鮭を自家製の鮭とばにして食べたことが原因と疑われています。素人調理による鮭とばではアニサキスの死滅や除去ができない危険性がありますので、ご注意ください。また、鮭以外でも自分で釣った魚を生で食べる場合には、なるべく速やかに内臓を除去し、調理時にも目視でアニサキスをよく確認して、取り除くようにしてください。最後に、加熱することが最も安全だということも、よくよく覚えておいてください。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽ですから釣りをされるかたも多いと思いますが、アニサキスの他には、近年の食中毒の傾向というのは、何かありますか。

(井上)
小樽市では、有毒植物を山菜と間違えて食べたことによる食中毒が、昨年度まで4年連続で発生していました。また全国的には、カンピロバクター属菌による食中毒が多く発生していて、ここ数年間、細菌による食中毒の中で最も発生件数・患者数ともに多い状況です。小樽市でも昨年度、カンピロバクターによる食中毒が1件発生しています。

(FMおたるパーソナリティー)
このカンピロバクターについては、何か特徴や注意点はありますか。

(井上)
カンピロバクターは鶏や牛などの消化管にいる常在菌です。市販されている鶏肉は、カンピロバクターの汚染が起きている可能性がありまして、その確率が数十~100%とのデータもあります。そのため、鶏刺しなどの生肉や加熱不足のお肉を食べると感染する可能性が十分にありまして、感染すると腹痛や発熱、倦怠感などの症状が現れます。また、これらの症状は食後2~7日の間に現れるという、他の食中毒に比べて潜伏期間が長いというのがカンピロバクターの特徴です。発症しても、多くの人は自然治癒するものの、一部の方はギランバレー症候群という、少し重い病気につながり、場合によっては亡くなってしまうこともあります。カンピロバクターを防ぐためには、お肉の中心温度を75℃以上で1分間以上加熱することや、生肉とその他の食材を扱う器具は分ける、生肉を触った後は十分手を洗う、これらのことが重要です。すなわち、先にも話したとおり、食中毒予防の3原則「つけない」「増やさない」「やっつける」の徹底が要なのです。

(FMおたるパーソナリティー)
食中毒について、いろいろと知ることができました。現在、小樽市保健所では食中毒防止に向けた取り組みとして、どのようなことを行っているのでしょうか。

(井上)
現在、小樽市保健所では、夏期食品一斉取り締まりとして6月26日から8月31日まで市内の食品工場やスーパーの食品の微生物検査、あるいは添加物の検査、施設の検査を行っております。また、来月8月1日には、小樽市食品衛生協会と合同で「食中毒防止街頭PR」をウイングベイ小樽で行います。注意喚起のチラシとともに、手の清潔を守るためのウェットティッシュも配りますので、ぜひお越しください。さらに、広報おたる8月号にて、先ほどもお話しましたが、アニサキスについての注意喚起を行います。ぜひご覧いただけるとうれしいです。夏は気温や湿度が高く、食品の取り扱いにはいつも以上に注意が必要です。皆さんも食中毒予防三原則を守って、食中毒を防ぎましょう。また、食品について不安なことや聞きたいこと等がございましたら、小樽市保健所生活衛生課までお気軽にご相談ください。

(FMおたるパーソナリティー)
はい、井上さん、ありがとうございます。さて、迫市長、食中毒の予防などについて今日は伺ってまいりましたが、気を付けなければいけませんね。

(市長)
そうですね。今、担当の方からも説明がありましたが、最近、北海道の夏も気温が高くて、湿度も高い、こういう傾向がありますので、食中毒予防の三つの原則、これはしっかりと守ってもらうということが一番大事ではないかなと、私も感じました。飲食店、それから工場はもちろんですけれども、ご家庭でも十分に気をつけていただきたいと思っています。また、市としましても、食の安全が保たれるようにしっかりと取り組んでいきたいと思っていますし、小樽市の食品の安全や衛生の徹底にもしっかり力を注いでいきたいと思っていますが、何よりも皆さま方にはご協力をお願いしたいなと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
今日は迫市長、そして保健所生活衛生課の井上さんにお話を伺いしました。迫市長、井上さんどうもありがとうございます。

(市長・井上)
ありがとうございました。

エンディング

この時間は、小樽市の提供でお送りしました。

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