公開日 2025年05月07日
更新日 2025年07月04日
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【前半】
- ヒグマにご注意を
- 高齢者帯状疱疹ワクチン助成について
- シニアスマホ教室について
- 国勢調査員募集について
【後半】
- 旧日本郵船株式会社小樽支店のリニューアルオープンについて
放送の内容
オープニング
毎月第1第3月曜日のこの時間は、「明日へ向かってスクラムトライ!」をお送りします。
市民の皆さんに小樽市の取り組みを知っていただくとともに、市民の皆さんからも市政に対するご意見、ご感想をお待ちしています。
「明日へ向かってスクラムトライ!」では、小樽市長迫俊哉さんのほか、小樽市役所の職員の皆さんにご出演いただき、さまざまなジャンルの暮らしに役立つ情報をお届けします。
前半
(FMおたるパーソナリティー)
前半は、小樽市長、迫俊哉市長にお話をお伺いします。迫市長よろしくお願いします。
(市長)
よろしくお願いします。
(FMおたるパーソナリティー)
さて、5月となりまして、ゴールデンウィークの休暇中という方も、多いのではないかと思いますが、ヒグマの目撃情報も聞こえてきてるんですよね。
(市長)
そうですね。小樽市では、まず4月12日に奥沢の5丁目、国道393号線のチェーンの脱着所の付近で。また、つい先日4月30日には、朝里川温泉1丁目、これも同じく、国道393号線の毛無山展望台に向かう途中で、ヒグマが目撃されていますね。
(FMおたるパーソナリティー)
春は、ヒグマの冬ごもりが終わって、活発になる時期だと聞いたことがありますが、どのようなことに気をつけるとよろしいでしょうか。
(市長)
ヒグマは主に夜間に行動すると言われていますが、夜間をはじめ、朝・夕方、あるいは霧がかかっているときなど、見通しが利かないときには、山に入らないようにすることをお勧めしたいと思います。
(FMおたるパーソナリティー)
山菜採りなどで、これから山に入られるという方も多いと思いますが、十分ご注意いただきたいと思いますね。小樽では、ヒグマによる人身被害というのは起こっているんでしょうか。
(市長)
北海道がまとめています、昭和37年以降の記録を見ますと、小樽市ではヒグマによる人身被害というのはまだ起こっていません。
(FMおたるパーソナリティー)
そうなのですね。昭和37年以降といいますと、ここ60年ほどは人身被害は起こってないということでほっとしましたが、もし私たちが道路などでヒグマを見かけた場合などは、どこに通報するとよろしいですか。
(市長)
お電話で市役所の農林水産課、もしくは小樽警察署の地域課へお知らせいただきたいと思っています。市役所の農林水産課は32-4111、内線258番になります。なお、土曜・日曜・祝日の閉庁日には、代表電話におかけいただきますと、担当者に転送されることになっています。また、小樽警察署の地域課は、27-0110となっています。
(FMおたるパーソナリティー)
お電話で市役所か警察署へ通報ということですね。覚えておいていただきたいと思います。変わりまして、4月1日から高齢者を対象に、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防接種が定期接種化されたというお話をお聞きしたいと思います。まず、帯状疱疹とはどのようなものか、教えていただけますか。
(市長)
帯状疱疹は、過去に水ぼうそうにかかったときに体の中に残った水痘帯状疱疹ウイルスが、再び活性化することで、神経に沿って痛みを伴う水ぶくれが出てくる病気です。
(FMおたるパーソナリティー)
水ぼうそうのウイルスが体に残っていて、それがまた活発になって、水ぶくれができる病気なのですね。
(市長)
そうですね。帯状疱疹は70歳代で発症する方が最も多いと言われており、合併症の1つには、皮膚の症状が治った後にも痛みが残る、帯状疱疹後神経痛がありまして、日常生活に支障をきたすこともあると言われています。
(FMおたるパーソナリティー)
70歳代でかかることが多くて、日常生活に支障を来たすような神経痛が出てくることもあるんですね。
(市長)
国は、令和7年度から、65歳以上の方などを対象として、帯状疱疹を予防し重症化を防ぐためのワクチンの定期接種を実施することといたしました。
(FMおたるパーソナリティー)
65歳以上の方を対象に、帯状疱疹を予防するワクチンの定期接種が始まったんですね。
(市長)
国が定期接種を始めたことに伴い、小樽市ではワクチン接種費用の一部、もしくは全部を公費で負担をいたしまして、市民の皆さんが、自己負担額を抑えて接種いただけるように取り組んでいます。
(FMおたるパーソナリティー)
ワクチンの接種費用の一部か、もしくは全部を負担していただけるんですね。
(市長)
ワクチン接種は2種類からお選びいただくことになりますが、もし、定期接種ではなく、任意接種される場合は8800円、または4万4000円程度かかることになりますが、定期接種であれば、小樽市では2500円または1万9200円の自己負担で接種いただくことができます。
(FMおたるパーソナリティー)
2種類のワクチンの値段が大分違うようですが、これは何が違うんでしょうか。
(市長)
基本的には予防効果なのですが、2500円で接種できるワクチンは、1回接種の生ワクチンで接種後5年時点で4割の予防効果があると言われています。一方、1万9200円で接種できる方のワクチンは、1回9600円で、2回接種いただく組み換えワクチンと言われています。これは接種後5年時点で9割、10年時点でも7割の予防効果があると言われています。
(FMおたるパーソナリティー)
生ワクチンは接種が1回ですので、自己負担額も割安ですが、5年後の予防効果は4割ということなのですね。そして組み換えワクチンは接種は2回で、自己負担額は割高ですが、予防効果は5年後で9割、10年後でも7割と、高い予防効果があるということなのですね。
(市長)
また自治体によって自己負担額は異なり、生ワクチンが4000円台、あるいは組み換えワクチンが2万円台という自治体もありますが、小樽市は公費負担に力を入れまして、生ワクチンの方が2500円、組み換えワクチンが1万9200円で受けることができます。
(FMおたるパーソナリティー)
それだけ帯状疱疹の予防が高齢者にとって大切だと、小樽市では考えているということですよね。
(市長)
その通りです。また、市民税が非課税の世帯の方々、あるいは生活保護を受給されている世帯の方々は、無料で接種いただけることにしています。
(FMおたるパーソナリティー)
今年度は接種費用の助成を受けられる年齢が限られてると伺っていますが。
(市長)
今年度、接種費用の助成の対象とさせていただくのは、令和7年度中に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、または、100歳以上になる方とさせていただいています。
(FMおたるパーソナリティー)
その他の年齢の方にも、費用助成を受けられる機会というのはあるんでしょうか。
(市長)
これから5年かけまして、65歳以上となる方全員に接種の機会があるようにしたいと思っています。定期接種の対象となる方には、お知らせをお送りしますので、お知らせが届いたタイミングで接種をご検討くださいますよう、お願いしたいと思っています。なお、助成対象にはなりませんが、任意の接種は随時可能になっていますので、主治医とご相談いただければと思っています。
(FMおたるパーソナリティー)
どうぞご活用いただきたいと思います。変わりまして、シニアスマホ教室についてお話を伺いたいと思います。小樽市では、シニアスマホ教室を開催しているということですが、どのようなものなのか教えていただけますか。
(市長)
これは令和5年から実施しておりまして、市内の60歳以上の方を対象に、スマホの操作方法の学びを支援する事業になっています。
(FMおたるパーソナリティー)
スマホの操作方法を学べるということですが、講師の先生から教えてもらえるんでしょうか。
(市長)
専門の講師の方が、授業のように、操作方法をお伝えするスマホ教室と個別に操作方法を相談できるスマホ相談室の2つを合わせて、シニアスマホ教室とさせていただいています。
(FMおたるパーソナリティー)
スマホにはいろんな機能がありますから、困りごとも人それぞれでしょうし、相談ができるってのはうれしいですよね。授業形式で教えていただける内容ですが、どのようなものがあるんでしょうか。
(市長)
5月21日に、いなきたコミュニティセンターで開催されるものを例に挙げますと、10時からLINEの使い方、それから11時からインターネットの使い方、それから13時からは地図アプリの使い方となっています。
(FMおたるパーソナリティー)
インターネットやLINEの使い方も学べるんですね。先ほど、いなきたコミュニティセンターを会場にとおっしゃっていましたが、シニアスマホ教室はどのようなところで開催されているんでしょうか。
(市長)
いなきたコミュニティセンターの他、銭函市民センター、塩谷サービスセンター、総合福祉センターなど、市内のさまざまな場所で開催させていただいています。
(FMおたるパーソナリティー)
詳しい開催場所や日時、また内容などを知りたい場合や、参加の申し込みをしたい場合ですが、どのようにするとよろしいですか。
(市長)
開催場所や日時、内容などの詳細は、広報おたるですとか、市のホームページでご確認をいただくか、もしくは市役所の福祉総合相談室までへお問い合わせをお願いしたいと思います。参加をご希望の場合は、開催日ごとの予約制となっていますので、市役所の福祉総合相談室までお電話でお申し込みいただきたいと思います。
(FMおたるパーソナリティー)
申し込みは先着順でしょうか。
(市長)
先着順ではありませんが、授業のテーマごとの定員を10名、それからスマホ相談室は定員8名とさせていただいていますので、応募者が多数の場合は抽選とさせていただきます。
(FMおたるパーソナリティー)
そうなのですね。近々開催される日程と、申し込みの締め切り日について教えていただけますか。
(市長)
5月21日は、いなきたコミュニティセンターを会場といたしまして、申し込みは5月7日までとなっています。6月6日はウイングベイ小樽の中の総合福祉センターで開催され、申し込みは5月23日までとなっています。そのあとも月に2回程度の開催を予定させていただいています。
(FMおたるパーソナリティー)
もはや生活必需品といってもいいのではないかと思うスマホですが、使い方に不安を抱えてる方は、ぜひシニアスマホ教室にご参加されてみてはいかがでしょうか。
(市長)
よろしくお願いします。
(FMおたるパーソナリティー)
では変わりまして、国勢調査の調査員の募集についてお伺いしたいと思います。3月に企画政策室の担当者の方がいらっしゃって、国勢調査についてお話を聞かせていただきましたが、今年は5年に1度の国勢調査の年なんですよね。
(市長)
国勢調査は、今年10月1日を期日といたしまして、全国一斉に実施されます。
(FMおたるパーソナリティー)
多くの調査員の応募が必要ということでしたが、現在の応募状況はどのようになっているんでしょうか。
(市長)
600人から700人の皆様にご応募いただきたいと思っていますが、現在のところ200人程度の応募にとどまっています。
(FMおたるパーソナリティー)
そうなのですね。ちょっと目標の人数には達していないということですが、調査員の方には報酬が支払われるんですよね。
(市長)
担当する地区によって変わりますが、報酬は1地区、3万から4万円程度になり、複数の地区を担当していただける調査員の方には、地区の数の分だけ報酬が支払われることになっています。
(FMおたるパーソナリティー)
調査員ですが、どのようなことをするんでしょうか。
(市長)
9月上旬に市が開催する説明会に参加していただきます。そして、9月下旬に担当地区内の世帯を訪問して、調査の説明と調査書類を配布していただきます。その後10月に、調査票を回収をいただくことになりまして、回収した調査票と調査した担当地区の住宅地図ですとか、名簿を確認の上、小樽市へ提出いただくことになります。
(FMおたるパーソナリティー)
ではこの調査員ですが、どのように応募するとよろしいですか。
(市長)
ご足労をお掛けしますが、市役所本館3階の企画政策室、統計グループまでお越しいただきたいと思っています。応募に関して、ご不明なことですとか、国勢調査についてお聞きしたいことがあれば、市役所の企画政策室までお問い合わせいただきたいと思います。
(FMおたるパーソナリティー)
募集期間ですがいつまでになりますか。
(市長)
5月末までを予定しています。
(FMおたるパーソナリティー)
5年に1度の国勢調査です。調査員への応募をお考えの方は5月末までに企画政策室へお願いします。前半は、小樽市長、迫俊哉市長にお話をお伺いしました。迫市長ありがとうございました。
(市長)
ありがとうございました。
後半
(FMおたるパーソナリティー)
後半は市の職員の方にお話をお伺いしていきます。今日は、「重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店」についてお話しいただくため、担当の、小樽市教育委員会生涯学習課の学芸員、山戸大知(やまとだいち)さんと、総合博物館の一色紗矢香(いっしきさやか)さんにお越しいただきました。山戸さん、一色さん、どうぞよろしくお願いいたします。
(山戸、一色)
よろしくお願いいたします。
(FMおたるパーソナリティー)
まずは山戸さんからお話を伺っていきますが、山戸さんは、生涯学習課で学芸員をされていらっしゃるんですよね。生涯学習課では普段どのような仕事をされているのですか。
(山戸)
私ども生涯学習課は、「乳幼児期から高齢期まで、生涯のあらゆる時期に行われる学習活動に関すること、文化芸術に関すること、文化財に関すること」など、さまざまな仕事を行っています。私は学芸員として、本日、ご紹介します「重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店」をはじめとした文化財建造物の保存・活用に関すること、遺跡などの埋蔵文化財の保存活用、調査、市の文化財に指定されています忍路鰊漁撈(おしょろにしんぎょろう)の行事などの無形民俗文化財の教育普及などに関する仕事を行っています。
(FMおたるパーソナリティー)
小樽は歴史が深い街ですから、文化財もたくさんありそうですね。総合博物館の一色さんは、普段どのような仕事をされているのですか。
(一色)
総合博物館は、小樽市を中心とした、地域の自然・歴史に関する資料の収集保存、調査研究や科学教育などを担当しています。さらにその成果を市民の皆様にご理解いただくための展示や、講座・講演などを実施して生涯学習の一端を担っています。動態保存の蒸気機関車アイアンホース号が人気ですが、これも実は「かつての機械が動くところを見る」という展示の一環です。また、構内にある国指定の重要文化財「旧手宮鉄道施設」や国指定史跡「手宮洞窟」なども所管しています。この春からは旧日本郵船株式小樽支店も博物館の所管となり、文化財施設の保存管理も担っています。
(FMおたるパーソナリティー)
今日は「重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店」のお話ということですが、まず一色さん、この建物はどのような建物なんでしょうか。
(一色)
この建物は、小樽運河の北側、通称・北運河の端に運河公園がありますが、その運河公園の正面に建っている石造2階建の建物で、日本郵船株式会社という海運会社の事務所でした。竣工(しゅんこう)したのは明治39年、1906年、建物の設計者は、現在の東京大学工学部建築学科の前身にあたります「工部大学校造家学科の一期生」である佐立七次郎(さたちしちじろう)で、施工は地元の棟梁(とうりょう)などが関わりました。当時、小樽は北海道開拓の拠点都市として商業機能・港湾機能を充実しつつあったということで、この建物が竣工した時、今の運河公園の場所には専用の船着き場である「船入澗(ふないりま)」や倉庫があり、裏面には手宮線が走るなど、海運業としての施設が整っていました。その後、小樽支店の移転を機に、昭和30年、1955年に日本郵船から市が譲り受け、翌年から小樽市博物館として活用され、昭和44年、1969年に国の重要文化財に指定された、という経緯があります。
(FMおたるパーソナリティー)
明治39年、1906年というと、今から120年近く前ですから、その頃に建てられた建物が今でも使われているというのはすごいですね。現代の一般的な建物とは異なり、石造りで重厚な印象を受けますが、石造りにした理由というのは何かあるのでしょうか。
(一色)
はい。この建物が建てられる前の社屋が明治36年、1903年の大火で全焼する被害を受けたということで、防火対策として、木造ではなく石造という構造が選ばれています。また、約40カ所ある窓や扉などの開口部に、当時、最先端であったアメリカ製の鉄製シャッターを導入している点も、やはり防火対策への高い意識が感じ取れますので、そのような点が特徴のひとつです。
(FMおたるパーソナリティー)
確かに外観を見てみますと、石造りやシャッターなど、かなり重厚な印象を受けますが、防火対策として石造りが選ばれたということもあったんですね。では、内部の特徴はどのあたりでしょうか?
(一色)
内部には、1階に営業室という広い部屋があるのですが、木の柱や梁(はり)に塗られ時を経たニスと、創建当時と同じデザインの電球が醸し出す空間の雰囲気、来賓のために使われていた大階段の開放的な吹き抜けの空間や木の支柱飾りが特徴です。2階では、貴賓室や会議室で使われている金唐革紙(きんからかわかみ)や天井のしっくい飾りなどの、豪華な内装が特徴になっています。
(FMおたるパーソナリティー)
重厚な外観と豪華な内装が見どころということですね。今回、その貴重な建物の工事を行ったということですが、山戸さん、なぜ工事を行うことになったのでしょうか。
(山戸)
重要文化財では建物の価値を保存する工事ということで、「保存修理工事」と呼んでいるのですが、前回行われた大規模な保存修理工事は昭和60年頃で、それから30年以上が経ち、屋根の経年劣化に伴う雨漏りなどの影響で、外壁や内部のしっくい壁、壁紙の傷みが目立つようになってきました。また、調査の結果、耐震補強が必要ということが判明しましたので、今回、耐震補強も含めた工事を実施することとなりました。
(FMおたるパーソナリティー)
工事前の写真も見せてもらいましたが、確かに屋根はさびていますし、壁紙も一部はボロボロに剥がれていたんですよね。今回の保存修理工事では具体的にどのような工事を行ったんですか。
(山戸)
工事は国の補助金を受けて、令和2年7月から始まりました。建物全体を覆う工事用の大きな足場を組んだあとに、先ほど申し上げました耐震補強のほかに屋根の全面ふき替え、外壁の石材の補修、内部のしっくい天井、しっくい壁、窓回りなどの建具の補修、2階で使われている金唐革紙という特殊な壁紙の復原などを行い、今年の1月下旬に工事が完了しました。
(FMおたるパーソナリティー)
工事が始まってから、およそ4年半の期間を要した大工事だったわけですよね。屋根から内装までの大きな工事だったということで、もし苦労話などがあれば教えていただけますか。
(山戸)
はい。文化財の保存修理工事では、可能な限り、そのままの状態で後世に継承する必要がありますので、新築工事のように、すべて新しい材料に取り替えるのではなく、使用できる材料をできるだけ残しつつ、当時の姿を再現するように努めました。そのため、道外の業者に材料の取り寄せをお願いすることもありましたし、屋根を解体したところ、内部が想定以上に傷んでいたことが分かりまして、文化庁と協議しながら、工事の方法を検討し直すという場面もありました。また、内装の解体をする中で、当初の金唐革紙という壁紙に彩色が施されていたことが新たにわかりましたので、傷んでいた部分については、その色合いを表現したものに張り替えています。このような手順を踏む必要があったため、工事の完了まで長い時間を要したという経緯があります。
(FMおたるパーソナリティー)
工事が始まってから、想定できなかった傷み具合などに対して、その都度、文化庁との協議や調査を行って、建物の価値を残すために、何が最善の方法なのかを判断しながら進めていかなければならないということですよね。ありがとうございます。さて、いよいよ総合博物館が所管する施設として公開が再開されたのですが、総合博物館の一色さん、どのようなところをご覧いただきたいとお考えですか。
(一色)
今回の公開再開に当たって作成したポスターやチラシにつけたコピーには「飴(あめ)色に染まる空間、小樽で出会う悠久の時」と書きました。まずは、20世紀初頭の近代建築が持つ、優美なデザインに囲まれた空間を鑑賞していただきたいと考えています。そのため、展示解説は視界の邪魔にならないように配置しています。旧日本郵船株式会社小樽支店と言えば2階の貴賓室のような豪華な部屋に注目が集まりがちですが、担当する我々としては、何といっても、この建物の心臓部である営業室にご注目いただきたいと思っています。控えめでありながら、各所に配置された優美で重厚なデザインをご覧ください。また、その注目されがちな2階なのですが、実は天井飾りが部屋ごとに異なるなどの特徴もありますので、ぜひ視点を上に向けていただきたいと思います。その2階に上がる前に、支店長室で2階の見どころを紹介する短い動画を流していますので、それをご覧になってからゆっくり館内を鑑賞いただければと思います。
(FMおたるパーソナリティー)
建物をじっくりと鑑賞する、という経験は、歴史的建造物が多い小樽ならではの経験となりますよね。市民の方はもちろんですが、多くの観光の皆さんにもぜひ、じっくり、ゆっくりと鑑賞する時間を過ごしていただきたいものです。博物館が所管する、ということは次世代を担う子どもたちへの対応も本館・運河館と同様に行うということでしょうか。
(一色)
はい。日常の管理は指定管理者の皆さんにお任せするのですが、博物館が所管する施設として、歴史的な学習については担当学芸員がサポートしていく予定です。特に手宮中央小学校が取り組んでいる「おたる案内人ジュニア」の活動が始まるきっかけとなった場所がこの日本郵船でした。開館日にはさっそく手宮中央小の子供たちが来館され、学習に取り組んでいただきました。博物館からの要望でもあったのですが、2階の会議室に特別に当時の写真のように座っていただき、集合写真を撮影させてもらいました。
(FMおたるパーソナリティー)
一色さんありがとうございます。さて迫市長、再開したこの旧日本郵船株式会社ですが、今後のまちづくりのキーポイントにもなりそうですよね。
(市長)
はい。今回、東京にあります日比谷花壇様に指定管理をお願いすることになりましたが、従来のように「見る」だけではなくて、よりさまざまな形で親しんでいただけるよう活用していくことも考えていますので、是非、多くの方々に足をお運びいだきたいと思っていますし、前面にあります運河公園とも連動したイベントなども企画されているようですので、本市が担った日本の近代化を象徴する重要文化財の魅力にぜひ触れていただきたいと思っています。
(FMおたるパーソナリティー)
迫市長、ありがとうございます。本日は、「旧日本郵船株式会社小樽支店」について、小樽市教育委員会生涯学習課の山戸さんと、総合博物館の一色さんにお話しを伺いました。迫市長、山戸さん、一色さん、ありがとうございました。
(市長、山戸、一色)
ありがとうございました。
エンディング
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