FMおたる「明日へ向かってスクラムトライ!」令和7年6月16日放送分

公開日 2025年06月19日

更新日 2025年06月19日

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【前半】

  • 熱中症に注意
  • 津波被害想定と迅速な避難行動のすすめ
  • 第2回定例会から~オーバーツーリズム対策
  • 第3号ふ頭整備に伴う港湾室庁舎移転とトイレ閉鎖

【後半】

  • 歴史的風致維持向上計画について

放送の内容

オープニング

毎月第1第3月曜日のこの時間は、「明日へ向かってスクラムトライ!」をお送りします。
市民の皆さんに小樽市の取り組みを知っていただくとともに、市民の皆さんからも市政に対するご意見、ご感想をお待ちしています。
「明日へ向かってスクラムトライ!」では、小樽市長迫俊哉さんのほか、小樽市役所の職員の皆さんにご出演いただき、さまざまなジャンルの暮らしに役立つ情報をお届けします。

前半

(FMおたるパーソナリティー)
前半は、小樽市長、迫俊哉市長にお話をお伺いします。よろしくお願いします。

(市長)
よろしくお願いいたします。

(FMおたるパーソナリティー)
6月も中旬となりまして、さすがに暑いと感じる日も増えてきましたね。

(市長)
そうですね。小樽市では令和6年に、76名の方が熱中症で救急搬送されているんですが、そのうちの約8割が屋内で発症したものなんですね。ですから、熱中症は屋内で多いということもぜひ心に留めておいていただければと思います。

(FMおたるパーソナリティー)
これからの季節、体調には十分注意して乗り切っていきたいですよね。

(市長)
そうですね。

(FMおたるパーソナリティー)
さて、今日は先日北海道から公表されました日本海沿岸の地震津波被害想定についてのお話から伺いたいと思います。今回、地震と津波の被害想定が発表されたということですが、これまで地震や津波についてはどのような被害想定が公表されていたんでしょうか。

(市長)
北海道から、地震については平成28年に被害想定というのが公表されていました。津波につきましては、平成29年に浸水想定としてどの辺りまで津波の影響を受けるかという公表はされていましたが、具体的な被害想定までは、これまで示されていなかったんですね。

(FMおたるパーソナリティー)
今回は、地震と津波の両方の被害想定が併せて出されたということで、海がある小樽にとっては、より具体的な被害想定になったと考えてよろしいでしょうか。

(市長)
はい。今回発表されました津波の被害想定は、これからの小樽市の防災・減災を考える前提となるものと捉えております。

(FMおたるパーソナリティー)
今回発表されたのは、地震と津波を合わせた被害想定ということですが、どの程度の規模の地震や津波が想定されてるんでしょうか。

(市長)
この度の想定では、日本海側にあるとされている15の断層で、それぞれマグニチュード7を超える地震が発生した場合の被害が想定されております。

(FMおたるパーソナリティー)
日本海側にはそんなに断層があるんですね。マグニチュード7を超える地震というのは、震源からの距離にもよると思いますけれど、どの程度の揺れになるんでしょうか。

(市長)
平成5年に奥尻島に大きな被害をもたらした北海道南西沖地震、これはマグニチュード7.8であったとされております。そして、小樽では記録に残る過去80年間で最大の震度5が観測されました。

(FMおたるパーソナリティー)
北海道南西沖地震では、奥尻島で津波によって大きな被害が出ましたが、今回北海道から発表された被害想定は、こうした地震と同じ規模のものが想定されてるということですね。先程、北海道の日本海側には15の断層があるとのお話でしたが、この断層というのはどのあたりにあるんですか。

(市長)
はい。日本海側沿岸の断層は、北は稚内の北側、それから南は秋田県の西側まであるとされております。このうち小樽に大きな被害をもたらすとされているのは、稚内北西沖の断層と留萌沖のこの2つの断層となっております。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽に大きな被害をもたらすのが稚内に近い断層というのはちょっと意外でしたが、北西沖の断層ですとか留萌沖の断層で大きな地震が起こった場合、どのような被害が想定されるんでしょうか。

(市長)
小樽市に関連する被害想定では、震度6強の揺れによる建物などの被害と、市内のオタモイ海岸付近で最大8.3メートルの津波が想定されておりますが、避難行動の違いによりまして、人的被害の想定というのは大きく異なっているんですね。

(FMおたるパーソナリティー)
震度6強に津波が最大8.3メートル。かなり大きなものになりますが、その避難行動の違いによって人的被害の想定が大きく異なるというのは、具体的にはどのようなことなんですか。

(市長)
これは、直ちに避難を開始する人の割合が高い場合と、直ちに避難を開始する人の割合が低い場合に分けて、この被害想定というのが考えられております。

(FMおたるパーソナリティー)
確かに地震が起こった時に津波が来ると想定して早く避難した場合と、家で様子を見ようとして避難が遅れた場合ですと、津波の被害というのは大きく変わりそうですね。

(市長)
おっしゃる通りです。津波によってお亡くなりになる方についてなんですが、直ちに避難を開始する方の割合が高い場合ですと、0人と想定されて、一方で、直ちに避難を開始する方の割合が低い場合ですと、800人を超す方が津波でお亡くなりになると想定されているんですね。

(FMおたるパーソナリティー)
避難が遅ければ800人を超す方がお亡くなりになって、避難が早ければ、それだけの方の命は守られるという想定ですね。これは大変大きな違いですね。日本海沿岸でマグニチュード7を超す地震が起こる確率ですが、これはどのくらいだと想定されているんですか。

(市長)
これにつきましては、北海道の日本海側沿岸でマグニチュード7を超す地震が30年以内に起こる確率は0.1%以下とはされております。

(FMおたるパーソナリティー)
30年以内に起こる確率が0.1%以下ということは、今回の被害想定の災害はしばらくは起きないかもしれないということでしょうか。

(市長)
確率は低いですが、小樽市では、いざという時に備えて、今回の被害想定をもとに、今ある地域防災計画ですとか避難所、備蓄品について改めて考えていく必要があると思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
最悪の事態を想定しながら、事前に備えておくということが大切だということですね。

(市長)
はい、そうですね。

(FMおたるパーソナリティー)
日本海側で大きな地震が起こったら、津波を想定して直ちに避難を開始することが命を守ることにつながるということは分かりましたが、私たちが災害に備えてできることにはどのようなことがあるんでしょうか。

(市長)
市民の皆様には、ぜひ今年の2月に小樽市が作成した新しい防災マップで避難所などの位置をご確認いただき、避難経路を決めておくようにお願いしたいと思っています。この防災マップにつきましては、すでに各町会を通じて各世帯に配布をされていますので、ご確認いただきたいと思っています。また、日頃からとっさに持ち出せる非常食、飲料水、ラジオなどのほか、電気や水道などが復旧するまでの間のための食料や水、日用品を備蓄していくことをお願いしたいなと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
はい。ぜひ防災マップを確認して、どんなルートをたどっていったらいいかということも併せてご確認していただきたいですが、防災マップはどのように確認することができますか。

(市長)
先程申し上げましたように、各世帯には配布されていますが、もし必要でしたら、小樽市役所の災害対策室、それから各サービスセンターなどでも配布をさせていただいています。また、市のホームページからPDFのデータで防災マップを見ていただくこともできますし、インターネット上に公開をしている地理情報システム「でじ樽なび」からも確認をすることができるようになっています。

(FMおたるパーソナリティー)
日頃から災害に備えて、もしもの時にすぐに行動がとれるようにしておきたいですよね。では変わりまして、今開会中の小樽市議会の話題についてお伺いしていきたいと思いますが、今回の市議会ではどのようなことが議論されているんでしょうか。

(市長)
現在開会中の令和7年第2回定例会になりますが、オーバーツーリズム対策をはじめさまざまな条例ですとか補正予算などについて提案をさせていただいています。

(FMおたるパーソナリティー)
前回の放送でも、令和6年度は小樽に宿泊したお客さまの数が過去最多だったと伺いましたが、観光入込が好調であるからこそ、オーバーツーリズム対策が大切だということでしたよね。改めて現在の小樽の観光の現状をお伺いしたいと思いますが。

(市長)
コロナ禍の反動として、小樽だけではなくて、全国的な観光需要というのが回復しておりまして、小樽市の観光入込客数は7年ぶりに800万人台となり、宿泊客数も過去最高の98万人を記録しました。これまで小樽の課題であった通過型観光から滞在型観光へと移行しつつあると感じています。

(FMおたるパーソナリティー)
来月には浮世絵美術館ですとか、グランベルホテルがオープンもしますし、さらに観光客の方々がお越しになるかもしれませんよね。

(市長)
そうですね。観光でいらしていただく方々を歓迎しながらも、やはり市民の皆様の生活の質を大切にするためにも、やはりオーバーツーリズム対策というのは必要だと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
今回の市議会に提案しているオーバーツーリズム対策に関する補正予算の内容というのはどのようなものなのか、教えていただけますか。

(市長)
まずは、堺町観光バス駐車場周辺で観光バスが路上駐車をしていることへの対策といたしまして、令和7年度は一時的に手宮の総合博物館本館の駐車場を、冬の間ですが、観光バス駐車場として確保したいと考えており、バス待機場所へ警備員を配置したり、駐車場の除排雪をしたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
確かに、小樽港線で1車線が観光バスで埋まっているところを私も見たことがありますが、他にはどのような対策が考えられますか。

(市長)
あとは、ゴミを捨てるなどのマナー違反ですね。これについて、注意を喚起する看板を設置したり、また市内の一部の地域に警備員を配置するなどして注意を呼びかけていきたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
警備員ですが、どの辺りに配置する予定なのでしょうか。

(市長)
警備員につきましては、今年の冬も既に実施いたしましたが、船見坂の地区、それから朝里駅周辺、それから銭函駅周辺、それから三本木急坂といいましてユニクロさんの上になりますが、その周辺を予定させていただいています。

(FMおたるパーソナリティー)
さらに配置場所を増やしていくということですよね。周辺地域にお住まいの方々もこれで安心されるのではないでしょうか。

(市長)
はい。そのほかさまざまなSNS、それからWEB広告を利用いたしまして、小樽旅行に際しての注意、あるいはマナーの啓発を呼びかけたり、観光が地域にもたらす経済効果などの恩恵を見える化いたしまして、市民の皆様にも観光の意義とか効果を、オーバーツーリズム対策についての資料を作成いたしまして、こういったものを新聞折り込み等でお知らせをしたいと考えています。

(FMおたるパーソナリティー)
海外の旅行者の方が利用するSNSを通じてマナーを呼びかけたり、また、小樽の市民の皆さんにも観光の経済効果、こちらについて知っていただく取り組みをされていくということですね。

(市長)
そうですね。市民の皆様の生活の質を守っていきながら、小樽観光に対するご理解もいただく、さまざまな観点からオーバーツーリズム対策に取り組んでいきたいと考えています。

(FMおたるパーソナリティー)
市議会での有意義な議論を期待しています。

(市長)
はい、ありがとうございます。

(FMおたるパーソナリティー)
では最後に、大詰めを迎えました第3号ふ頭の整備についてお話を伺いたいと思います。これまでの観光船ターミナルの建物が解体されて、緑地が整備されるんですよね。

(市長)
そうですね。小樽港縦貫線から新しい観光船ターミナルまでの間、緑地として整備しますので、これまでの観光船ターミナルの建物は6月中に解体をする予定となっています。

(FMおたるパーソナリティー)
解体に伴って、小樽市の港湾室の場所が近くに移転したと伺いました。

(市長)
札幌法務局小樽支局から、少し海よりになりますが、そちらの方に移転をさせていただきました。住所で申し上げますと、港町5番1号に6月9日から移転をいたしています。電話番号ですとかファクス番号に変更はありませんが、執務室に直接お越しになる際にはご注意をいただければと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
そして、緑地の整備に伴って、現在利用できない公衆トイレがあるんだそうですね。

(市長)
はい。あの小樽港縦貫線沿いにあります公衆トイレが6月5日以降ご利用いただけません。当面の間、ご不便をおかけしますが、8月1日には新たな観光船ターミナルがオープンを予定しておりまして、そちらに24時間対応のトイレが設置されますので、8月1日以降はそちらをご利用いただきたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
はい。新しい観光船ターミナルは8月1日にオープンの予定なんですね。お披露目を楽しみにしています。前半は小樽市長、迫俊哉市長にお話をお伺いしました。迫市長、ありがとうございました。

(市長)
ありがとうございました。

後半

(FMおたるパーソナリティー)
後半は、小樽市職員の方をお招きして、小樽のまちづくりに関するお話をお届けします。今回のテーマは「小樽市歴史的風致維持向上計画」と、ちょっと最初に聞いた時には少し堅いイメージがあるかもしれませんが、実はこの話題ですが、小樽にとって非常に大切な計画なんだそうです。今日はこの計画について、小樽市建設部の日下(くさか)主査にお話をお伺いします。日下さん、どうぞよろしくお願いします。

(日下)
よろしくお願いします。小樽市建設部新幹線まちづくり推進室の日下と申します。

(FMおたるパーソナリティー)
よろしくお願いします。

(日下)
よろしくお願いします。私は、歴史的建造物や景観、屋外広告物などに関する業務や、小樽の歴史を活かしたまちづくりに関する業務を担当しています。本日は、小樽市歴史的風致維持向上計画について、リスナーの皆様にも分かりやすくお伝えできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。

(FMおたるパーソナリティー)
はい、お願いいたします。さて、日下さん、早速ですが、この小樽市歴史的風致維持向上計画はどういった計画なのか教えていただけますか。

(日下)
はい、この計画は、通称「歴史まちづくり法」という法律に基づいて、「歴史的風致」の維持向上を目的に市町村が作成し、国の認定を受ける、歴史まちづくりの事業計画になります。計画の中で「歴史的風致」を設定し、この風致の範囲内で「重点区域」、さらに重点区域内で「歴史的風致形成建造物」を指定し、事業を位置付けて、国からの支援措置を活用しながら、事業を推進していくものになります。

(FMおたるパーソナリティー)
国の認定を受けた後、計画に基づいて国の支援を受けながら事業を行って歴史的風致を向上させていくということなんですね。なぜこのような計画の策定を行うことになったのでしょうか。

(日下)
皆様がご存知の通り、小樽には明治や大正時代などに建てられた倉庫や銀行、番屋などの多種多様な歴史的建造物や、古くから続くお祭りなど地域固有の人々の活動や行事が残っており、そういった文化遺産が本市の魅力となっています。一方で、これらの文化遺産には課題が少なくありません。例えば、建物の老朽化や維持費の負担増加、活動や行事の後継者不足、などによって文化遺産の維持が難しくなってきています。一度無くなってしまうと元に戻すことはできないため、将来的に小樽の魅力がなくなってしまうことにつながってしまいます。この計画を通じて、小樽市全体の歴史的価値や魅力を高めながら、本市固有の歴史的風致を後世に継承することを目的として策定しています。

(FMおたるパーソナリティー)
たくさんの歴史的建造物をはじめとする文化遺産が数多く残っていることが小樽の魅力でありますが、これが無くなってしまうと小樽らしさもなくなってしまうということですよね。ところで、度々出てきます「歴史的風致」という言葉があるんですが、これは具体的にはどういうことを指すんでしょうか。改めてお伺いできますか?

(日下)
はい。「歴史的風致」とは、歴史的に価値がある建物やその周辺環境と、地域固有の人々の生活や行事などの活動が一体となった市街地環境のことを指します。例えば、伝統的なまちなみを背景に、祭りの山車が掛け声などをあげながら通るなどが必要になります。ただ古い建物があるだけでは「歴史的風致」とは認められません。それに加えて、その場所で行われる行事や人々の営みが長い期間続いていることが重要なんです。建物も活動も「50年以上」続いていることが求められます。

(FMおたるパーソナリティー)
では、つまり、単に古い建物があるだけではなく、そこに関連した人々の営みが必要になるということなんですね。

(日下)
はい、その通りなんです。北海道の中でも小樽は、50年以上どころか100年以上の「建物」も多く残っていて、この点が強みとなっています。一方で、それに関連する50年以上の「活動」が他の市町村に比べて少なかったため、関連するさまざまな活動を組み合わせることによって、50年以上の条件を満たして歴史的風致を設定しているものもあります。例えば、今も地域で行われているお祭りや伝統行事などは50年以上続いていますが、運河周辺で行われているまちづくり活動などは、組み合わせることによって、一つの50年以上の歴史的風致として設定しています。

(FMおたるパーソナリティー)
それでは早速、小樽にはどのような歴史的風致があるのか、ご紹介いただけますか。

(日下)
本計画では、いくつかの歴史的風致を設定していますが、今日は時間もありますので、その中から2つ紹介させていただきます。

(FMおたるパーソナリティー)
はい、お願いします。

(日下)
一つ目は、「海に関わる営みにみる歴史的風致」です。忍路から祝津・高島にかけての海岸沿いの地域では、幕末から続くニシン漁を中心とした漁業が繁栄し、その営みを背景に持つ産業や文化が発展してきました。この地域には、移住者によって伝えられたさまざまな風習があります。「忍路鰊漁労の行事」や「忍路神社の例大祭」、「高島越後盆踊りの行事」などが代表的で、これらの行事は、当時建てられた「忍路稲荷神社」や「津古丹稲荷神社」、「旧青山別邸」、「にしん漁場建築」、「旧白鳥家番屋」などの神社や番屋建築を背景に、地域の人たちを中心に大切に継承されています。こうした風習や建造物は、小樽の原風景を今に伝えるとともに、歴史的風致を形成する重要な要素となっています。

(FMおたるパーソナリティー)
確かに今でも忍路や祝津、高島は漁業の文化が今も色濃く残っていますよね。地域の行事にもその影響があるというのはとても興味深いですよね。

(日下)
はい。もう一つは、「まちづくりの変遷にみる歴史的風致」です。小樽は、北海道の中でも重要な港町として発展してきました。明治時代には、北前船をはじめとする多くの商船が小樽港を往来し、やがて小樽~幌内間で鉄道が開通すると、港と鉄道の両方を持っている小樽は、石炭などの物資の集積地としての役割を強め、まちは急速に発展していきました。その過程で、海岸の埋立地には次々と石造倉庫などが建設され、北海道経済の中心地として金融機関や商社が集積するなど、都市としての機能が拡大していきました。その発展の過程でつくられた建造物群は、今も特徴的なまちなみを形成し、まちの歴史を物語っています。その後、戦後の経済変動や物流の近代化に伴い、小樽の港湾機能は徐々に衰退しました。やがて都市開発の一環として、運河を埋め立てて道路を整備する計画が進められ、市民らによって約 10 年にわたる「運河保存運動」が展開されました。結果として、運河の一部を埋め立てて、散策路やガス灯などの整備が行われました。観光地として注目を集め、観光都市として再生しましたが、この「運河保存運動」は、まちづくりの転換点となって、多くのまちづくり団体が生まれ、運河や色内銀行街の周辺では歴史や文化を活用した多様なまちづくり活動が行われています。また、銀行や事務所、倉庫などの歴史的建造物が、物販店や飲食店、美術館など、さまざまな用途に利活用されて、歴史的景観を維持しながら、新たな都市の魅力が創出されています。このように、小樽では市民主体のまちづくりがさまざまなかたちで展開されていて、歴史的建造物や伝統的な営みとともに独自の歴史的風致を形成しています。

(FMおたるパーソナリティー)
銀行街や運河周辺の再利用されている歴史的建造物や小樽運河や旧手宮線は、まさに小樽の歴史を感じさせる場所ですよね。観光名所としても有名ですが、街の発展の歴史そのものが見える場所でもありますよね。

(日下)
はい、その通りだと思います。その他に、「祭りと地域の賑わいにみる歴史的風致」や「景勝地の行楽などにみる歴史的風致」があります。

(FMおたるパーソナリティー)
この計画が認定されると、具体的にどのような支援が受けられるのでしょうか。しかも、北海道ではまだ認定を受けている都市がないとお聞きしています。

(日下)
この計画が認定されると、歴史的建造物や文化活動への支援などが受けられます。認定を受けられた場合は、北海道初の認定となることで注目度も高いのではないかと思います。小樽の魅力が全国に広がり、地域の価値がさらに高まります。国の制度を活用して歴史を守り活用していくことを目指しています。

(FMおたるパーソナリティー)
ぜひとも、北海道初の認定を受けたいですよね。さて、計画が認定された暁には、「歴まちカード」というものを作成されるのだそうですね。

(日下)
そうなんです。これは全国の認定された都市が発行するカードで、計画の概要や写真などが記載されています。配布の時期としては計画認定後の作成になるため、今年の秋頃を予定しています。これらを通じて、さらに小樽や他都市の歴史や文化を楽しみながら学べる機会になればいいなと思っています。コレクションされる方も少なくないそうです。

(FMおたるパーソナリティー)
そうなんですね。小樽の「歴まちカード」もぜひ楽しみにしたいと思いますが、では迫市長から市民の皆さんへメッセージをお願いします。

(市長)
はい。本年2月に日本遺産の「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」が認定されたことは、以前にもお話させていただいたことがありますが、小樽はやはり北海道の中でも特に歴史と文化が深い街ですので、この小樽市歴史的風致維持向上計画が認定されることで、北海道初めての重要な取り組みとして、より多くの方々に小樽の魅力を伝えることができると確信をしています。また一方では、本市の歴史文化資源を後世に継承すること、あるいは郷土に対する誇りですとか愛着、こういうものを醸成をすることにもつながっていくのではないかなと思っています。ぜひ市民の皆さんと力を合わせながら、これからの小樽の歴史を守り、未来につなげていけるように、私としても全力を尽くしてまいりたいと思っていますので、引き続き市民の皆さんのご理解とご協力もお願いしたいと思っています。

(FMおたるパーソナリティー)
小樽の未来がますます楽しみですよね。今日は小樽市歴史的風致維持向上計画についてお話を聞かせていただきました。迫市長、日下さん、どうもありがとうございました。

(市長、日下)
ありがとうございました。

エンディング

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この番組の再放送は、6月18日水曜日、午後7時からお送りします。次回は、7月7日月曜日、午後2時からの放送です。どうぞお楽しみに。

 

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