建物に掲げられた商人の証"印(しるし)"

公開日 2020年10月16日

更新日 2021年03月05日

 小樽は、かつて多くの商人達が活躍した街ということもあり、今でもその商人達が建てた倉庫や石蔵が市内に残っています。それら建物の外壁には、文字や記号でつくられた「印(しるし)」が掲げられているものがありますが、これは一体何を示しているのでしょうか。

 印は、その者の所有を表し、判別することを目的につくられました。江戸時代には、武士のほか一部の庄屋や商人以外の者が、公に名字を名乗ることが認められていなかったと言われ、商人達は同職種の者と区別をつけるためにマークとして印を用い、店の暖簾(のれん)などに掲げて印が広がっていきました。ちなみに、越後屋や紀伊国屋などの社名や店名を表したものは、屋号(やごう)と呼ばれています。もともと印と屋号は異なりますが、印をそのまま屋号とすることもありました。

 小樽では、船の帆に印を掲げた近江商人の訪れが始まりとされ、彼らの倉庫にも商家の印が刻まれるようになり、その後多くの商人達の活躍とともに普及していきました。その普及ぶりは、大正から昭和初期に発行された小樽電話番号簿にそれぞれの印も掲載され、印で引くことができるものも登場するほどでした。

 市内には、下の写真のほかにも数々の印がありますので、ぜひ街を探索してみてください。

 

小樽市指定歴史的建造物の外壁に掲げられた印
旧岡崎倉庫旧岡崎倉庫の「きっこうさん」 旧右近倉庫旧右近倉庫の「いちぜんばし」

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