中東呼吸器症候群(MERS)について

公開日 2020年10月16日

更新日 2025年07月31日

中東呼吸器症候群(MERS)とは 

 中東呼吸器症候群(MERS)はMERSコロナウイルスによる感染症で、平成24年(2012年)9月以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域で広く発生している重症呼吸器感染症です。また、その地域を旅行などで訪問した人が、帰国してから発症するケースも多数報告されています。元々基礎疾患のある人や高齢者で重症化しやすい傾向があります。

原因と感染経路

 ヒトコブラクダが、保有宿主(感染源動物)であると言われており、MERSが発生している中東地域では、ラクダと接触したり、ラクダの未加熱肉や未殺菌乳を摂取することが感染するリスクがあると考えられます。また、家族間、感染対策が不十分な医療機関など、発症した人と濃厚接触した人での感染も報告されています。これらは、咳などによる飛沫感染や接触感染によるものであると考えられています。

症状と治療

 主な症状は、発熱、せき、息切れなどです。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で、重症化する傾向があります。中東地域からMERSの確定患者としてWHOに報告された者のうち、症状が悪化して死亡する割合は、約35%とされています。現在のところ、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、患者の症状に応じた治療(対症療法)を行います。

予防と対策

・中東地域に渡航する予定のある方は、あらかじめ厚生労働省ホームページ、検疫所ホームページ、外務省海外安全ホームページなどで最新情報を御確認ください。

・中東地域からの帰国時に発熱や咳などの症状がある方は、空港内等の検疫官へ御相談ください。

・海外渡航時の予防として、手洗いの励行や動物との接触を避けるなど、一般的な衛生対策を心がけてください。咳、発熱などの症状がある人や動物(ラクダを含む)との接触を最小限にするとともに、咳エチケットを実行しましょう。

関連リンク

医療機関の皆様へ

 中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)の2類感染症です。MERS患者又は疑い患者、無症状病原体保有者を診断した場合には、直ちに「感染症サーベイランスシステム」より届出をお願いします。届出基準及び届出票については、下記を御覧ください。

中東呼吸器症候群(MERS)|厚生労働省ホームページ(外部サイト)

感染症法に基づく医師の届出について | 小樽市

お問い合わせ

保健所 健康増進課
住所:〒047-0008 小樽市築港11番1号 ウイングベイ小樽1番街 4階
TEL:0134-22-3110
FAX:0134-22-1469
このページの
先頭へ戻る