公開日 2020年10月16日
更新日 2021年11月30日
令和3年3月
長期休みを利用して海外へ渡航される方、地域を往来する方が増えることが予想されます。
海外では依然として、我が国に存在しない感染症や我が国よりも多く発生している感染症があり、海外に滞在している間にこれらに感染することを防止するためには、感染症に対する正しい知識と予防法を身に付けることが大切です。感染症を予防し、安全で快適な旅行をすることができるように、感染症予防について十分に御留意ください。
海外での感染症予防のポイント
1.渡航先や渡航先での行動によって異なりますが、最も感染の可能性が高いのは食べ物や水を介した消化器系の感染症です。
2.日本で発生していない、動物や蚊・マダニなどが媒介する病気が海外では流行していることがあり、注意が必要です。
〈注意ポイント〉
- 蚊に刺されたり、ダニに咬まれたりしないよう注意してください。
-
妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限りジカウイルス感染症の流行地域への渡航を控えてください。
- 渡航中・帰国後の性行為時の感染に御注意ください。
- ブラジル等に渡航する場合、渡航地域によっては、熱帯アフリカと中南米地域の風土病「黄熱」の予防接種をお勧めしています。
※流行国に加え、その周辺国においても、入国の際に、黄熱の予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められる場合があります。
【参考】
3.麻しん(はしか)、風しん及びポリオは、日本での患者は減少傾向又は発生していないものの、海外では感染することがあり注意が必要です。
〈麻しん(はしか)・風しんについて〉
▼海外に渡航する方について、次の(1)及び(2)を満たす方々には、麻しん・風しんの予防接種を受けることが推奨されています。
(1)「麻しん・風しんにかかったことがない」又は「麻しん・風しんにかかったかどうか分からない」
(「麻しん・風しんにかかった」とは、過去に医師により麻しん・風しんと診断された場合を言います。)
(2)「麻しん・風しんの予防接種を2回受けていない」又は「麻しん・風しんの予防接種歴が不明である」
(「予防接種を受けた」とは、母子健康手帳や、予防接種済証などの記録で確認できる場合を言います。)
▼帰国後については、次の注意喚起がなされています。
- 帰国後2週間程度は健康状態に注意してください。
- 発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しん・風しんの疑いがあることをかかりつけ医または医療機関に電話等で伝えましょう。
受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。
- 医療機関へ移動される際は、マスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。
麻しん・風しんの感染力は非常に強いといわれています。周囲の方への感染を防ぐためにも徹底をお願いします。
【参考】
〈ポリオについて〉
▼世界保健機関(WHO)は、ポリオウイルスについて「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しています。
外務省は、2018年12月3日付けで、ポリオ発生国(パキスタン、パプアニューギニア、アフガニスタン、ケニア、コンゴ民主共和国、ソマリア、ナイジェリア、ニジェール)に渡航する際の追加予防接種を検討するよう促しています。また、発生国の中には、全土又は一部に退避勧告が発出されている国もあります。該当国に行かれる方は注意してください。
▼ポリオの予防接種をしましょう。
以前にポリオの予防接種を受けていても、渡航前に追加の接種をすすめています。特に、1975年(昭和50年)から1977年(昭和52年)生まれの人は、ポリオに対する免疫が低いことがわかっていますので、渡航先が流行国でなくても、渡航前の追加接種を検討しましょう。
【参考】
渡航前に確認しておきたいこと
- これまでに自分が受けた予防接種について、母子手帳などで確認しましょう。
予防接種が推奨される疾患のうち、まだ予防接種を受けていないものがあれば、海外の感染症を国内に持ち込まない又は国内の感染症を海外に持ち出さないために、時間的な余裕をもって医師に予防接種の相談をするなど、適切な感染予防を心がけましょう。
- 渡航先の感染症の発生状況に関する最新の情報や注意事項を確認しましょう。
厚生労働省ホームページ「海外へ渡航される皆様へ」(外部サイト)
旅行中に注意すべきこと
海外では、日本にはない病気がたくさんあります。海外旅行では、時差や気候の違いなどから、(自覚していなくても)様々なストレスを受けます。この結果、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。一生治療を続けなければならない病気もあります。無理のないスケジュールを心がけ、避けられる危険を避け、楽しい旅行にしましょう。
- 生水・氷・カットフルーツの入ったものを食べることは避けましょう。
- 食事は十分に火の通った信頼できるものを食べましょう。
- 蚊・ダニに刺されないように、服装に注意し、必要があれば虫よけ剤を使うなどしましょう。
- 動物は狂犬病や鳥インフルエンザなどのウイルスをもっていることがあります。またヒトコブラクダはMERSコロナウイルスを持っていることがあります。むやみに近寄ったり、触らないようにしましょう。
- 薬物やゆきずりの性交渉で感染し、一生の後悔をすることのない行動をとりましょう。
【参考:海外での感染症予防について】
海外渡航時の注意点について(小樽市保健所チラシ)[PDF:456KB]
帰国後に体調が悪くなったら
【帰国時】
空港や港に設置されている検疫所では、渡航者の方を対象に健康相談を行っています。
帰国時に発熱や咳、下痢、具合が悪いなど体調に不安がある場合、又は、動物に咬まれたり、蚊に刺されたなど健康上心配なことがありましたら、お気軽に検疫官までご相談ください。
【帰宅後】
感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、渡航中あるいは帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなることがあります。
その際は、医療機関を受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での職歴や活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴などについて必ず伝えてください。
その他不安な点は、最寄りの保健所(厚生労働省ホームページ「保健所管轄区域案内」(外部サイト))にお問い合わせください。
参考になるリンク集
詳細につきましては、下記のホームページなどを御参照ください。
※海外渡航者向けポスター・リーフレット
厚生労働省ホームページ「海外へ渡航される皆さまへ」(外部サイト)
※海外で注意すべき代表的な感染症