公開日 2020年10月16日
更新日 2020年12月21日
感染症発生動向調査とは、1981年(昭和56年)より全国で行われている調査事業です。
1999年(平成11年)4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」が施行されたことにより、感染症発生動向調査は感染症対策の一つとして位置づけられました。感染症の発生状況を把握・分析し、情報提供することにより、感染症の発生及びまん延を防止することを目的として行われています。
小樽市保健所では、感染症法に基づき収集した患者の発生状況(報告数、定点当たり報告数等)について、週1回、週報としてホームページに掲載しています。また、月別の患者発生及び病原体検出の情報について、月1回、月報としてホームページに掲載しています。小樽市保健所ホームページ「感染症発生動向調査・病原微生物検出情報」を御覧ください。
対象疾患について
1.全数把握
全数把握が必要な場合は、周囲への感染拡大防止を図ることが必要な場合、及び発生数が稀少なため、定点方式での正確な傾向把握が不可能
な場合です。1類・2類・3類・4類感染症、5類感染症の一部が該当します。
2.定点 把握
定点把握が必要な場合は、発生動向の把握が必要なもののうち、患者数が多数で、全数を把握する必要はない場合です。5類感染症の一部が
該当します。
詳しくは、厚生労働省ホームページ「感染症発生動向調査について」(外部サイト)を御覧ください。
定点当たり報告数について
感染症発生動向調査では、定点医療機関からの患者報告数を「定点当たり報告数」と表現しています。
定点当たり報告数とは、1医療機関当たりの患者報告数を意味し、上記定点医療機関からの1週間分の患者報告数を、その週に報告のあった定点医療機関数で割った数となります。
警報・注意報について
小樽市保健所では、定点医療機関からの患者報告数が一定のレベルを超える場合は、迅速に注意喚起を行うことを目的に、警報・注意報情報を掲載しています。小樽市保健所ホームページ「感染症発生動向調査・病原微生物検出情報」を御覧ください。
警報レベル
大きな流行が発生または継続しつつあると疑われることを指します。
警報レベルは、1週間の定点当たり報告数がある基準値(開始基準値)以上で開始し、別の基準値(終息基準値)未満で終息します。
注意報レベル
流行の発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高いこと、流行の発生後であれば流行が継続していると疑われることを指します。
注意報レベルは、1週間の定点当たり報告数がある基準値以上の場合です。
警報・注意報レベルの基準値
警報・注意報レベルの基準値は、これまでの感染症発生動向調査データから、以下の通り定められています。
定点数 | 疾病 | 警報 開始基準値 |
警報 終息基準値 |
注意報 基準値 |
---|---|---|---|---|
小児科3定点 | RSウィルス感染症 | ‐ | ‐ | ‐ |
咽頭結膜熱(プール熱) | 3 | 1 | ‐ | |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 | 8 | 4 | ‐ | |
感染性胃腸炎 | 20 | 12 | ‐ | |
水痘(みずぼうそう) | 2 | 1 | 1 | |
手足口病 | 5 | 2 | ‐ | |
伝染性紅斑(リンゴ病) | 2 | 1 | ‐ | |
突発性発しん | ‐ | ‐ | ‐ | |
ヘルパンギーナ | 6 | 2 | ‐ | |
流行性耳下腺炎(おたふく風邪) | 6 | 2 | 3 | |
インフルエンザ5定点 | インフルエンザ | 30 | 10 | 10 |
基幹1定点 | 急性出血性結膜炎 | 1 | 0.1 | ‐ |
流行性角結膜炎 | 8 | 4 | ‐ | |
細菌性髄膜炎(真菌性を含む) | ‐ | ‐ | ‐ | |
無菌性髄膜炎 | ‐ | ‐ | ‐ | |
マイコプラズマ肺炎 | ‐ | ‐ | ‐ | |
クラミジア肺炎(オウム病を除く) | ‐ | ‐ | ‐ | |
インフルエンザによる入院 | ‐ | ‐ | ‐ | |
感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る) | ‐ | ‐ | ‐ |
基準値は全て定点当たり報告数です。また、表の「-」の部分や、表にない感染症については、基準値が定められていません。