おたる坂まち散歩 地獄坂と警察署の桜

公開日 2020年10月27日

更新日 2021年01月14日

おたる坂まち散歩

地獄坂

 国道5号の産業会館前の交差点から、山に向かって続く急な坂が地獄坂です。坂の途中には、小樽警察署、税務署、法務局などがあります。このように、市民には敷居の高い官庁が多いことが坂の名の由来だと言われています。警察署は、函館本線に架かる橋を渡ると右手に見えてきます。
 現在の警察署の建物は最近改築されたもの。先代の旧庁舎は、昭和12年の建築で、タイル張り外壁に、円窓と縦長窓を持つ特徴あるデザインで、市民に長く親しまれました。しかし、手狭になったため、改築計画が持ち上がりました。
 計画を聞いた市民団体は、当時の本間穎悟(ほんまえいご)署長に、旧庁舎のデザインを生かすとともに、早咲きの桜として市民に親しまれている前庭の桜を残すように要望書を提出。市民から要望を受けた警察では、その意向を最大限に生かし、旧庁舎の面影を残しながらも、市民にとって優しく「敷居の低い」庁舎となるよう設計を進めました。また、前庭の桜のうち、工事の支障となる一本のエゾヤマザクラについては、工事期間中、長橋の日当たりのよい畑に移植しました。

地獄坂の地図

 市民に建物と同様に親しまれているこの桜は樹齢約80年の老木。絶対に枯らさないようにとの指示を受けた造園業者は、慎重に根回しの上、幹の空洞には詰め物をし、細心の注意を払って水やりと施肥を行いました。その間、警察からは、担当者が何度も桜の様子を見に畑に来たそうです。
 平成13年3月、新庁舎が完成。外壁には、旧庁舎の特徴であった5連の円窓が大きさもそのままに再現されました。市民の要望にこたえた新庁舎は、この年、小樽市都市景観賞を受賞しました。
 警察署の庭に戻された桜は、今も早い時期から開花して市民の目を楽しませています。桜が市民にとって特別なものであることをよく知っている警察署では、この桜を大切にすることが署長交代時の引継事項にもなっているそうです。
 さて、小樽には、もう一つ「地獄坂」という名を持つ坂があります。それについては次号で。

取材協力:小樽警察署、(株)好樹園

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