公開日 2020年11月10日
更新日 2023年12月25日
子どもの目のがん、「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」を知っていますか?
この病気は、早期発見・早期治療が重要です。
「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」とはどんな病気?
網膜とは眼底(がんてい)と呼ばれる眼の奥一面に広がっている薄い膜状の組織であり、眼球をカメラに例えると、網膜はフィルムのような役割を果たしています。角膜を通って瞳孔(どうこう)から眼球内に入った光は、レンズの働きをする水晶体により屈折した後、硝子体(しょうしたい:卵の白身のような粘り気のある透明の物質)を通り、網膜に映し出されます。このとき網膜で感じ取った光の刺激が視神経を通って脳に伝わり、「見える」と認識されます。
網膜芽細胞腫は網膜に発生する悪性腫瘍で、網膜芽種と呼ばれることもあります。乳幼児に多い病気であり、出生児15,000から16,000人につき1人の割合で発症しています。
網膜に腫瘍ができると視力が低下しますが、乳幼児はまだ、ものが見える、見えないという状態がよくわからず、その状態を伝えられないことから、発見されたときには進行している場合も少なくありません。
どんな症状が出るの?
- 光が腫瘍に反射して夜のネコの眼のように白く光って見える
- 左右の眼球の向きが合っていない状態(斜視:しゃし)になる
- まぶたの腫れがみられることがある
などがあります。
気になる症状があればすぐに受診を!
症状に家族が気付いて受診する場合が多く、95%が5歳までに診断されます。早く治療が行われれば生命に関わることは少なく、治癒させることができます。全国登録の結果では、約9割の患者が、がんの治癒の目安である治療後5年の経過以降も生存しています。
小さなお子さんは自分で症状を訴えることができませんので、保護者の方が定期的にお子さまの眼の健康状態をチェックして、気になる症状がありましたら、まずは眼科を受診しましょう。
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