公開日 2020年11月20日
更新日 2021年03月05日
都市景観賞
日藤メモリアルガーデン
日藤株式会社小樽営業所の倉庫として利用されていた木骨石造の建物が、平成14年、美術館と菓子店舗に再生された。 通りの裏に隠れていた倉庫は原型の姿を極力生かした外観として現し、広い外部空間は、シンプルなコンクリート製の構造物、一部にまくら木を使用した石畳、植樹や植栽を施すなど、歩行者空間のふくらみとして憩いの場を提供している。 七叉路に近い堺町通りにひとつの界隈が付加された。 |
(株)日刊北海経済新聞社社屋
昭和5年に建築された旧安田銀行小樽支店の建物で、平成2年に小樽市指定歴史的建造物となる。 平成13年、中央通の拡幅に伴い、鉄筋コンクリート造2階建て総重量2000トンもの建物を、道内では珍しい大規模な曳き家により斜め後方に移転し、あわせて創建時の姿に修復する。小樽を表象する歴史的建造物の一つを消し去ることなく、拡幅された通りの新たな景観の規範として残している。 建物保全に対する所有者の姿勢と技術者の熱意が、歴史的まちなみの景観保全に大きく寄与した。 |
都市景観奨励賞
北海道紙商事(株)社屋
昭和初期に建築された旧第四十七銀行小樽市店の建物で、平成7年に小樽市指定歴史的建造物となる。 平成12年、中央通地区の区画整理事業に伴い曳き家をし、あわせて外観保全のために補修を行うなど、歴史的建造物の保全に努めている。 |
明治眼科エントランスと緑のポケットスペース
中央通からのエントランスを確保するカバードウォークとヤマモミジなどの樹木が植えられたポケットスペースの設置は、街路と一体となった街並みを創出し、歩行者に潤いと安らぎを与えている。 |
浅草橋JAZZスクエア
小樽運河の浅草橋街園で毎年夏に開催され、市を代表する景観地区を市民により身近なものとするイベント。 ジャズはレトロな港町の雰囲気に溶け込み、どこか懐かしい空気を感じさせる。 小樽の短い夏のひとときを心ゆくまで楽しめるイベントとして市民に親しまれている。 |
銭函海岸クリーンアップ活動
この清掃活動は、当初より小樽の銭函海岸を活動拠点とするボランティア団体「ドリームビーチ・クリーンアップキャップス」が中心となり実施され、今年で5回目となる。 単なる「ゴミ拾い」だけではなく、ゴミの分析調査も行う。また、地域住民に限定せず広く公募し、次代を担う子供達にも参加させるなど、環境保全についての意識の高揚を図っている。 この活動がさらなる輪を広げ、景観保全に寄与することを期待する。 |
えびす屋小樽の清掃活動
自ら営業活動の拠点としている運河周辺において、地区の景観保全のため清掃活動を積極的に行うことにより、企業等による景観形成への参加の重要性を提起している。 腹掛けに股ひき、ほうきにちりとり、その光景は小樽の歴史的な街並みに溶け込み、見かける人びとを清々しい気持ちにさせる。 |
和光荘の調査活動
大正11年に建築された旧野口喜一郎邸の建物で、平成6年に小樽市登録歴史的建造物となる。 地元小樽の女性建築士たちが数年にわたり仕事と両立させながら「和光荘」の調査活動を行い、昨年その内容を一冊の報告書にまとめ上げた。 このような活動を範として、市内にある歴史的建造物などをはじめとする都市景観の形成について、多くの市民や団体が関心を持つことを期待する。 |
おたる無尽ビルの保存活動
この建物は、昭和10年に旧小樽無尽(株)本店として建築され、その後銀行として使われていたが、平成13年に取り壊しの危機にさらされた。 これを知った市民有志が苦労を重ねこの建物を自ら買い取り、花園十字街のランドマークとして再生した。現在、NPO法人小樽トラスト協議会が管理運営を行う。 |
旧手宮線の散策路整備
旧国鉄手宮線は明治13年に開通した道内最古の鉄道である。昭和60年の廃止に伴い、市民が中心となり手宮線跡地の活用方法について検討してきた。当面は、将来の輸送機関としての可能性を残しながら、市は平成13年にオープンスペースとしての整備を行う。 既存の鉄道施設をそのまま残し、その中にポケットパークや花壇を設けるなど、散策の場として市民や観光客に広く親しまれている。 |