公開日 2020年10月01日
更新日 2024年09月04日
ロタウイルスによる胃腸炎について
ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0歳から6歳頃)にかかりやすい病気です。
ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。普通、5歳までにほぼ全ての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合、軽い症状ですむか、症状が出ません。しかし、乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。脱水症状がひどくなると点滴が必要となったり、入院が必要になることがあります。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40%から50%前後はロタウイルスが原因です。
ロタウイルスワクチンの接種を受けることで重症化予防にも効果があるとされています。
(厚労省;ロタウイルスワクチンの定期接種に関するQ&Aより)
<参考>
ロタウイルスワクチンについて
定期接種で使用されるロタウイルスワクチンには、経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン(ロタリックス)と5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン(ロタテック)の2種類がありますが、どちらも弱毒化したロタウイルスが含まれている生ワクチンで、飲むワクチンです。
どちらのワクチンもロタウイルスによる急性の胃腸炎の重症化予防に同様の効果がありますが、接種できる期間や接種回数が異なりますので、詳しくは下記を御覧ください。
定期接種の対象期間等について
定期接種の対象期間及び回数
ワクチンの種類によって、下記のとおり接種できる期間及び回数が異なります。
ワクチンの種類 | 定期接種の対象期間 | 接種回数・間隔 |
---|---|---|
ロタリックス |
出生6週0日後から出生24週0日後まで |
27日以上の間隔をおいて、2回経口接種 |
ロタテック | 出生6週0日後から出生32週0日後まで |
それぞれ27日以上の間隔をおいて、3回経口接種 |
※「出生〇週〇日後」とは出生日の翌日を1日として算出した日をあらわします。
※途中からワクチンの種類を変更することはできませんので、最初に接種したワクチンを2回目以降も接種してください。
※初回接種は、出生6週0日後から出生14週6日後までに接種してください。
副反応について
ワクチン接種後、1週間から2週間(特に初回接種後)は、腸重積症(下記参照)にかかりやすくなると報告されています。
接種後にお子さんに次のような様子が一つでもみられるときは、すぐに接種した医療機関を受診してください。
□突然はげしく泣く
□嘔吐を繰り返す
□便に血が混じる
□ぐったりして顔色が悪い
□機嫌が良かったり不機嫌になったりを繰り返す
その他、下痢、嘔吐、発熱などの副反応がみられることがあります。
腸重積症について
腸重積症とは、腸の一部が隣接する腸管にはまり込む病気で、速やかな治療が必要です。
ワクチンの接種にかかわらず、3か月から2歳くらいまでの赤ちゃんがかかりやすい病気です。
月齢が進むと腸重積症にかかりやすくなりますので、できるだけ腸重積症の起こりにくい早めの時期(初回接種は、出生14週6日後まで)に接種してください。
予防接種を受けることができない人、又は注意が必要な人
ロタウイルス感染症の予防接種においては、腸重積症にかかったことのあるお子さん、先天性消化管障害(メッケル憩室など)があるお子さん(手術等により治療が完了している場合を除く。)、重症複合型免疫不全(SCID)があるお子さんは、予防接種を受けることができません。
また、胃腸障害(活動性胃腸疾患、慢性下痢)があるお子さんは、予防接種を受ける際に注意が必要です。
注意事項等について
ロタウイルスワクチン接種後に吐き出した場合については、少量でも飲み込んでいれば一定の効果があることが認められており、複数回接種による効果が期待できるため、再接種は必要ありません。(吐き出した場合でも1回の接種と考えてください。)
また、接種後1週間程度は便中にウイルスが排泄されます。排泄されたウイルスによって胃腸炎を発症する可能性は低いことが確認されていますが、念のため、おむつ交換後などお子さんと接した際には、石鹸で十分な手洗いをするなど注意してください。
無料で接種できる委託医療機関
基本的には、市内の委託医療機関で接種していただくこととなっております。
事情により市外で接種を御希望される場合は、必ず事前に下記までお問合せください。
場合により、自己負担が生じることがあります。