【2013年度】過去の特別展、企画展

公開日 2021年06月27日

更新日 2021年08月26日

詩人と美術瀧口修造のシュルレアリスム展

趣旨

 瀧口修造(1903-1979)は、戦前からシュルレアリスムの紹介者として歴史的な存在であると同時に、詩作、造形美術の実践にあたったシュルレアリストとして今なお注目される存在です。

 瀧口の批評の眼、思想は、1958年生涯最初で最後のヨーロッパ旅行において一つの転換点を迎えたと言われていますが、本展ではその1958年の旅行を糸口に、シュルレアリスムに至る精神形成がなされた青年期の小樽時代から、やがてアンドレ・ブルトンの著作に衝撃を受けて西洋美術へと分け入った半生をたどります。

 瀧口が詩から西洋美術へとしだいに関心を移すなかで、どのような批評精神を持っていったのかを可能な限り実作品によって展覧し、これまで紹介されることのなかった新たな側面を探るとともに、未だ詳らかではない瀧口の小樽時代を検証し、そこからシュルレアリストとしての瀧口の生涯と業績の俯瞰を試みます。

会期

 平成25年5月18日(土)から6月30日(日)まで

 

風景の躍動感没後30年中村善策展

趣旨

 小樽に生まれた中村善策は生涯風景画一筋に制作を続け、1983年に82歳で亡くなるまで現場主義を信条に絵を描くことに情熱を注ぎました。故郷の小樽に代表作の多くを集めて一堂に展覧することを希望していた画家の意志を受け継ぎ、市民の力で市立小樽美術館中村善策記念ホールが誕生し、2013年は中村善策没後30年、記念ホール開設25周年の節目を迎えます。

 本展では、個人寄託作品15点のほか平成24年度新収蔵品10点を初公開し、第1部では画家を志すきっかけを作った小樽時代の傑出した先輩や同時代の画家たちとの交流及び初期作品を、第2部では、画風が開眼し、躍動感あふれる風景画を確立した黄金期を展覧します。

会期

 平成25年7月6日(土)から9月16日(月・祝)まで

 

北の水彩画人白江正夫と宮川美樹

趣旨

 小樽在住の白江正夫(1927〜)と、岩見沢市を拠点に活動する宮川美樹(1937〜)は、ともに道展、日本水彩展を中心に発表を続け、現在は北海道を代表する水彩画家としてゆるぎない存在感を示していますが、透明と不透明を自在に操り、線による力強く簡素な絵作りの白江と、驚異的なリアリティーで精密描写に徹する宮川とは、その表現手法は好対照を成しています。

 1984年道展において水彩画部門が独立し、2人はともに常任委員として審査や会務運営にあたりました。また、白江が1987年〜1995年の期間、日本水彩画会北海道支部長を務めたのち、現在は宮川がその職務を引き継いでおり、北海道の水彩画界をけん引する役割を担っていますが、このような関係のなかで水彩画について話し合う機会も増え、互いに認め合いながら切磋琢磨するという交流を続けてきました。

 本展は、独自の制作・表現方法を模索し、水彩画のみずみずしさを失わずに強靭な画面が作り上げられている2人の作品から主に道展・日本水彩展出品作を中心に代表作を厳選し、北海道を代表2人の水彩画家の競演とするものです。

会期

 平成25年10月19日(土)〜平成26年1月26日(日)

 

群像表現への招待加藤一豊(同時開催新収蔵品展)

趣旨

 1910(明治43)年、小樽に生まれた加藤一豊は幼少から絵を好み、高校入学の頃から独学で油彩を始めましたが、美術学校への進学を希望しながら両親の反対で法学部へ進学せざるを得なかったこと、突然の召集令状、肺の病気など、幾度も画業を中断しながら、1970年代に入りようやく画業に復帰しました。

 加藤一豊は1972(昭和47)年にヨーロッパを訪れていますが、そこで様々な古典名画に接して感動し、群像を描き始めるようになりました。

 多くの人物画を手がけていた加藤一豊は、肖像とは異なる群像表現の方法を生涯追求していくことになりましたが、この群像表現こそが、加藤一豊のオリジナリティあふれる個性と言っても良いでしょう。

 本展では、生活のロマンを群像表現に求めて、誠実で気品ある作風を確立した洋画家・加藤一豊の画業を紹介するものです。

会期

 平成26年2月1日(土)〜平成26年5月11日(日)

 

お問い合わせ

教育委員会教育部 市立小樽美術館
住所:〒047-0031 小樽市色内1丁目9番5号
TEL:0134-34-0035
FAX:0134-32-2388
このページの
先頭へ戻る