公開日 2023年04月02日
更新日 2023年04月02日
市民ギャラリー・多目的ギャラリー(市立小樽美術館1階)
木嶋良治展のチラシ(表面)は、こちらをご覧ください。[PDF:590KB]
木嶋良治展のチラシ(裏面)は、こちらをご覧ください。[PDF:536KB]
趣旨
故郷小樽を中心に、「北方性」と「雪」をテーマに描き続けてきた画家、木嶋良治。
その画業のなかで、特に1970年代から取り組まれた小樽運河は、木嶋のライフワークとなりました。大学進学を目前に、結核で胸を病んだ木嶋は、休学中の挫折感から運河を散策し、孤独のなか絵を描くことで、心の傷をを癒しました。
運河の水面に映し出される建物の影は、鏡に映ったように美しく見え、木嶋は年月を経て澱んだなかに繊細な美しさを発見していきます。水面は自身の心の内側を表す鏡でもあり、その時々の心のありようが反映されました。
その後小樽を離れて、運河が埋め立てられても、感情や思考を自由に表現できる運河は、題材として切り離すことはできず、たびたび訪れては大作が描かれ、代表作が生み出されます。原風景として描き続けた運河は、やがて「水と建物」にフォーカスされ、されに近年は運河に面して建つ北海製罐や軟石の倉庫群が水辺に落とす「影」そのものをテーマにしています。
一方で、長期海外取材の旅でモチーフの広がりも見せました。ヴェネツィアの運河によって❝水辺に落ちる建物の影❞は、画面のなかで緊密に構成され、一層高い完成度を示しています。
本展は、小樽運河100年を記念し、簡潔な構成と詩のような叙情性をあわせもつ独特の風景画を確立した、木嶋良治の世界を展覧するものです。
(観覧無料)
同時開催 小樽運河100年【partⅡ】コレクションで見る小樽運河/令和4年度新収蔵品のご紹介(一部)
小樽の繁栄の象徴、人々の生きた証である小樽運河を、兼平英示・小竹義夫・渡辺祐一郎・金丸直衛・石塚常男・富樫正雄・高森捷三らの作品で振り返ります。同時に「小樽運河保存からみる、まちづくり市民運動」を未公開写真などをパネルで展覧します。
(観覧無料)
会期
沈黙の風景ー木嶋良治 運河を描き続けて 2023年4月26日(水)〜5月14日(日)
コレクションで見る小樽運河/新収蔵品展 2023年5月4日(木・祝)〜5月14日(日)
開場時間:10時~17時(最終日は16時まで)
休館日:月曜日、祝日振替休館5月2日(火)、9日(火)~11日(木)