公開日 2023年06月30日
更新日 2024年01月04日
咽頭結膜熱(プール熱)とは
咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスの感染により、発熱(38~39度)やのどの痛み、結膜炎といった症状を来す、小児に多い病気です。特に5歳以下に多く、季節的には夏(7~8月)に多い。
咽頭結膜熱(プール熱)の流行状況については、「小樽市ホームページ「市内の感染症発生状況について( 感染症発生動向調査)」をご覧ください。
感染経路と予防法
【原因】アデノウイルスによる、急性ウイルス性咽頭炎です。主に3、7 型である場合が多いとされていますが、2、4、11、14型が知られています。
【潜伏期間】5-7日
【感染経路】
- 飛沫感染:感染者の唾液に含まれている菌が咳等で飛び散り、それを吸い込むことによる感染
- 接触感染:感染者の手や触った物に触れ、その手で口や鼻を触ることによる感染
- 家族内感染:タオル共用あるいは患者が触れた物を介して感染
- 院内感染:検査器具、点眼薬、医療従事者の手指を介して感染
プール、学校、職場内感染が起こることも有名です。
【予防法】
平時からの予防
- 流行時には、流水とせっけんによる手洗い、うがいをしましょう。
- 感染者との密接な接触は避けましょう(タオルなどは別に使いましょう)。
- 衛生を保つため、プールからあがったときは、シャワーを浴び、うがいをしましょう。
患者との接し方
- 患者の眼や顔を触った手で触れた物を介して感染するので、患者の触れた物は、アルコールで拭きましょう。
- 医療従事者は検査の際手袋をはめ、検査後流水と石けんを用いて手指衛生を行い、ペーパータオルで拭き取った後、速乾性手指消毒薬を手指に擦り込みましょう。
- アデノウイルスは熱に弱いので、煮沸可能の器具やタオルは煮沸消毒が有効です(100℃で5 秒、あるいは56℃で5分)。
- 病院や学校、施設などの場合は、高圧蒸気滅菌酸化やエチレンガス滅菌が有効です。
【症状】発熱、咽頭痛、結膜充血・眼痛・眼脂・羞明を認め、3 ~ 5 日間程度持続します。
眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現します。
また、結膜の炎症は下眼瞼結膜に強く、上眼瞼結膜には弱いとされています。生後14 日以内の新生児に感染した場合は全身性感染を起こしやすく、重症化する場合があることが報告されています。
【症状がある場合の対応】
せきや鼻汁が出るなどの症状がある場合は、マスクをするなどせきエチケットを心がけ、医療機関を受診し、自宅で安静にしましょう。
【治療】結膜炎の発症後、約50%に多発性角膜上皮下浸潤(角膜中の白い濁り)が見られます。1 ~ 2 週間で治癒します。
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。抗菌薬は、細菌感染症の合併が無い限り原則不要です。
関連リンク
- 保育所における感染症対策ガイドライン
保育|こども家庭庁 (cfa.go.jp)
※ページ中段の「保育所保育指針 等」よりご覧ください。 - 学校・幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説(2023年5月発行」(日本小児科学会)(外部サイト)
- 国立感染研究所(NIID)ホームページ「咽頭結膜熱とは (niid.go.jp)」(外部サイト)
- 「咽頭結膜熱について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)」(外部サイト)
お問い合わせ
保健所 健康増進課
住所:〒047-0008 小樽市築港11番1号 ウイングベイ小樽1番街 4階
TEL:0134-22-3110 0134-22-3119
FAX:0134-22-1469