市長記者会見記録令和6年2月21日

公開日 2024年02月21日

更新日 2024年02月21日

市からのお知らせ

■動画データ:小樽市長記者会見 令和6年2月21日 - YouTube

下記のとおり、市長から発表がありました(午前9時15分〜)

(総務部長)
定刻となりましたので、これより市長定例記者会見を始めさせていただきます。それでは、市長、よろしくお願いします。

(市長)
おはようございます。早朝よりお集まりいただき、ありがとうございます。本来であれば、昨日の招集告示があった日に記者会見を行っていますが、昨日は急きょ、この冬の除雪費の予算確保に向けて、国土交通省へ、他の自治体の皆さんと要望に行ってきましたので、本日になりましたことをお詫び申し上げたいと思います。
それでは、第1回定例会に提案する議案について説明いたします。第1回定例会の日程については、昨日2月20日に招集告示、27日(火)に提案説明を予定しています。提出議案については、令和5年度補正予算に関する議案が7件、令和6年度当初予算に関する議案が12件、条例案およびその他の議案等が32件、承認を求める専決処分報告が2件となっています。議案等の詳細については、私の退席後、総務部長と財政部長より説明しますので、私からは、令和6年度の市政執行の考え方と予算計上について、概要を説明します。
まず、新年度に向けた市政執行の考え方についてですが、昨年の12月、国立社会保障・人口問題研究所による地域別将来推計人口が公表されたところです。2050年における本市の人口は5万5000人余りと、現在の半分程度になるとの推計値が示されました。人口減少の進行は、購買力の減少により、商業環境を悪化させ、公共交通の維持を難しくするものであり、そのことがさらに人口減少を招く悪循環が懸念されます。このことは、まさに本市にとっての「危機」であり、市全体でその危機に立ち向かう必要性を共有していかなくてはいけないと思っています。一方で、本市は、他にはない魅力や可能性を持っていることから、それらを活かし、人や企業、投資を集める施策に取り組むことで、人口減少に立ち向かいながら、活力あるまちを次世代へと引き継いでいきたいと考えています。このことから、人口減少を「危機」と捉え、新年度予算の全体テーマを、「『危機』に立ち向かい、希望が集まるまちづくり」と掲げたところです。
また、新年度においては、次の三つの方針を基本として、市政運営に取り組んでいきたいと考えています。1点目として「人口の社会減を抑制し、将来に備える取り組み」、2点目として「まちの魅力を活かし、地域経済を活性化する取り組み」、3点目として「安全・安心を確保し、市民の暮らしを守る取り組み」、以上の3点を軸に、まちづくりを進めていきたいと思っています。これら基本方針について、新年度予算事業における概要を申し上げますと、1点目の「人口の社会減を抑制し、将来に備える取り組み」としては、まずは少子化対策として、放課後児童クラブの利用手数料の無償化や、こども医療費の実質無償化の対象範囲の18歳までの拡大、保育・教育環境の充実、小樽公園の再整備など、子どもの居場所づくりの取り組みを進めるとともに、子育て世帯等への相談支援体制の強化や、ヤングケアラー支援の充実を図るため、新たに「こども家庭センター」を設置するなど、安心して子育てができるまちづくりに努めていきます。加えて、事業・就業への支援の取り組みとして、創業と事業承継に対するサポートや、若者の地元定着対策により、特に若い世代の方々の本市での就業を後押しするとともに、移住促進の取り組みとして、移住相談への対応や情報発信、居住に当たっての支援など、転入増加につながる施策を継続的に進めていき、子育て支援策と一体として、社会減の抑制策を推し進めていきたいと考えています。また、急速に変わりつつある社会経済情勢や、まちの将来像を見据え、都市計画関連情報など、市の保有データをインターネット上で公開する公開型GIS構築等の自治体DXの推進や、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めるほか、ウイングベイ小樽の空床を活用した公共施設等の再編や、PPP/PFI手法により実施する新総合体育館整備の事業者選定を行うなど、将来に向け、更新が必要となる公共施設への対策も進めていきます。
次に2点目の「まちの魅力を活かし、地域経済を活性化する取り組み」としては、歴史的建造物で形成される個性的な街並みや、人や物の流れの拠点となる港など、本市が持つ魅力をより一層高めて、まちづくりに活かしていくため、「小樽市歴史的風致維持向上計画」を策定するとともに、旧小樽倉庫を活用した観光物産プラザの機能再編により新たな交流拠点を創出するなど、歴史的建造物等の保存・活用の取り組みを進めていきます。また、この春から大型クルーズ船の受け入れが始まる第3号ふ頭及びその周辺においては、新たな人の流れを生み出し、地域振興につなげる空間整備を進めるほか、地元食材を生かした地場産品などのブランド化や販路拡大の支援に引き続き努めることにより、小樽の魅力を広く発信していきたいと考えています。また、人や企業を呼び込み、地域経済の活性化につなげていくため、本市の特性を生かした企業誘致の取り組みや、小樽港におけるクルーズ船の寄港や物流の促進に向けた取り組みを進めるほか、観光面においてDXを活用した取り組みに着手し、EBPM(根拠に基づく政策立案)により、戦略的な観光施策につなげるとともに、インバウンドの効果的な誘致活動やナイトタイムエコノミーの推進に努めていきます。
3点目の「安全・安心を確保し、市民の暮らしを守る取り組み」としては、全ての人が安全で安心に暮らせるまちを実現するため、防災マップの更新など、災害に備える取り組みを進めるほか、夏の危険な暑さから健康を守るための冷房設備の整備推進や、医療的ケアを要する子どもなど支援が必要な方々をサポートする取り組みを進めていきます。また、市民の皆さんの暮らしを守り、支えていくため、健康寿命の延伸につながる歯周病検診など、市民の健康づくりの取り組みや、生活バス路線など地域公共交通の維持・確保に向けた取り組みを進めるほか、国の交付金を活用し、物価高騰の影響を受けている事業者への支援や生活支援の対策に取り組んでいきます。
以上のような考えに基づいて編成した令和6年度予算は、一般会計の総額は、約620億2000万円で、5年度当初予算と比べ、プラス30億円、5.1パーセントの増となりました。また、特別会計と企業会計を合わせた市の全会計では、プラス34億6000万円、2.9パーセント増の約1228億2000万円となっています。令和6年度の予算編成では、引き続く燃料・光熱費や労務費、建設資材などの高騰による事業費の増に加えて、職員の退職手当などの「人件費」が大きく増えることが見込まれ、財政面では厳しい状況が想定されたことから、後年度の財政負担や施策の優先順位を考慮しながら事業を厳選し、一般財源の圧縮に努めました。一方で、そのような中にあっても、喫緊の行政課題を解決に導くための施策に対しては、速効性を意識し、予算を重点的に配分するよう努めたところです。最重要課題である人口減少問題をはじめ、山積する本市の課題解決のため、引き続き、市民の皆さんの声に真摯(しんし)に耳を傾けながら、着実に市政を前に進めていきたいと考えています
私からは以上です。

出席した報道機関の記者から、下記のような質疑がありました。

(総務部長)
ご質問等ございましたら、どうぞご発言ください。

(北海道新聞)
新年度予算の一般会計の総額が18年ぶりに600億円台になりました。全体の支出を見ると、市長の最重要課題である人口減対策として、医療扶助費の対象年齢の拡大など、支出が多いものがかなり入っています。「迫カラー」という印象がある一方で、これらは恒常的に財政支出を続けることになり、長期的に見ると、かなり財政の硬直化が進むような印象があります。これらの政策を進める上で、どのような自主財源の確保策を考えていますか。

(市長)
何よりも最重要課題として、人口減対策がありますが、その人口減対策の柱になっていくのが、少子化対策だと思っています。私の2期目の公約として、子育て世帯の家計負担の軽減を掲げていますので、1年目で保育料の無償化に取り組みました。医療費の実質無償化の拡大や、放課後児童クラブの無料化は、公約を実現していくためにも必要な施策ですし、人口の定住化を進めていくためにも必要な施策だと考えて計上しましたが、恒常的に支出が伴うものですので、自主財源の確保にはこれまで以上は努めていかなければいけないと思っています。人口が減少していく中で、税収増が見込まれるような状況でもありませんし、事業を厳選しながら、自主財源をつくりながら、必要な施策を進めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
例えば、ふるさと納税とかですか。

(市長)
もちろん、ふるさと納税もそうです。

(北海道新聞)
自主財源はなかなか難しいですが、洋上風力の固定資産税は計上されていますか。

(市長)
当初予算には計上していません。きちっと額が確定した後に、補正予算で計上させることになると思います。ふるさと納税も一つですし、風力発電などを誘致することによって、固定資産税を確保するというのも一つの方法として考えられるのではないかと思っています。

(北海道新聞)
宿泊税についても、北海道が方針を固めましたが、小樽市でも早期導入を目指していくということですか。

(市長)
はい、宿泊税も同様です。引き続き作業を進めていきたいと思っています。

(北海道新聞)
新年度予算には、保健所のウイングベイ小樽への移転関係の経費が計上されています。保健所の他、子育て関係を移転し、センターを新設するということで、改修費は10億円超、賃料は1億5000万円ぐらいを想定していると思います。改めて、中心部ではなく、海辺の築港地区にある商業施設に移転する意味合い、意義を聞かせてください。

(市長)
一つには、老朽化した公共施設の再編対策の一環として実施するということについては、改めて申し上げるまでもありません。比較的まとまった規模の空床があり、そこで今、小樽ベイシティ開発と済生会との間でウエルネスタウン構想を進めています。そのウエルネスタウン構想と行政との取り組みをうまく連動させることによって、子育てや福祉で質の高い政策を実現できるのではないかという思いがあり、ウイングベイ小樽の4階に保健所を中心とした子育て関連の施設や福祉センターの機能を配置するということになりました。また、これは副次的な効果だと思いますが、行政が床を利用することによって、OBCに対する内外からの信頼感が醸成され、さらに空床対策が前に進むのではないかという期待感もあります。ですので、賃料が年間で1億5000万円、改修費が10年の分割として1億5000万円、合計3億円を、今回、予算に計上しました。そういった形で、公共施設の再編を、空床を利用して実現していきたいと思っています。
ただ、課題がないわけではないと思っています。中心部から離れるので、交通アクセスについて懸念される声も伺っていますし、できれば向こうで、ワンストップで解決できるのが望ましいと思っています。さまざまな手続きをウイングベイ小樽の4階でできても「最終的な手続きは小樽市役所へ行ってください」なんていうことはできるだけ避けたいと思っています。今後の課題として、ワンストップでサービスができるかどうかということを整理していかなければいけないと思っています。

(北海道新聞)
先ほど市長は、「根拠に基づいた行政運営」というようなことを話していましたが、ウイングベイ小樽に移転すると、賃料や改修費などの支出はありますが、現状の総合福祉センターや保健所の施設を、新築したり改修したりして維持していく方向と比較すると、これから先5年、10年の費用対効果としては、市民の利便性などがあるにしても、やはりウイングベイ小樽への移転の方が、割がいいというか、利があると判断したということですか。

(市長)
担当には、ウイングベイ小樽の4階に移転することの比較優位性を検証させています。例えば、移転する機能を収めるための施設を造ることになった場合と、何年間かウイングベイ小樽に入居して賃料を払っていくことを比較させていますが、遜色ないという結果が出ていますので、移転することが過大な負担になるとは考えていません。そういった検証も踏まえた上で、ウイングベイ小樽の4階に移すという考え方です。建築費の床面積当たりの単価などを計算して、積み上げていった結果と比較検証したものを参考にしています。

(北海道新聞)
新総合体育館も引き続き進めていくと思いますが、建設費と人件費を含めた物価高や、人手不足関係の影響で、建設費が高騰しているという傾向があります。現状であれば、変わらず建設の方向で進めるとお答えいただいていますが、改めてその考えに変わりはないのか教えてください。保健所はウイングベイ小樽への移転ということで解決は図られていますが、この他の市の保有施設の建設計画について、どのようにお考えですか。

(市長)
保健所については、先ほど言い忘れたかもしれませんが、元々、公共施設の再編計画では、いわゆる宙に浮いていたような状況になっていたということもあって、ウイングベイ小樽へ移転することになっています。そして今、体育館のお話がありましたが、現時点では計画どおり進めていきたいと思っています。確かに、建設資材や人件費の高騰もあって、当初のプランから見ると、相当建設費が増高することは見込まれていますが、そういった中で、どれだけ建設費を圧縮できるのかは、さらに議論を深めていかなければいけません。さらに、活用できる国の補助金や交付金などがあれば、それらをしっかり活用しながら、建設費の圧縮、一般財源の負担軽減を庁内でも議論していきたいと思っています。
本庁舎も含めたその他の公共施設の再編については、現在、庁内での議論が前に進んでいるわけではありませんので、今は計画どおり進めさせていただくとしかお答えできません。先日、JR北海道も札幌駅南口の再開発について、建設資材や人件費の高騰などで、コスト削減を図るために、確か工期を2年延長するという動きもありました。そういった動きがあるということも考えながら、これからの公共施設の再編計画を考えていかなければいけないだろうと思っています。現時点では、まだ庁内での協議も十分進んでいませんので、計画どおりとお答えしたいと思います。

(北海道新聞)
運河プラザの関係です。運営業者を、観光協会から変えて、プロポーザルをした上で、民間の事業者を選定することになっています。議会からは、できるだけプロポーザルを前倒して、観光のハイシーズンに合わせた営業再開を求められたところです。4月から公募するのは遅いのではないかという指摘がありましたが、どういう日程なのか教えてください。また、今の運河プラザの機能の一部は、新しくできる国際インフォメーションセンターに移りますが、今の機能を引き続き運河プラザに残してほしいという意見・要望がたくさん寄せられていて、署名活動にもつながっています。民間事業者を選ぶときの選定条件など、実現可能性についての考えを聞かせてください。

(市長)
3月25日にオープンを予定している国際インフォメーションセンターが、第3号ふ頭の基部に建設され、そのキーテナントとして、小樽観光協会が運営している物販機能が移されることになり、今の運河プラザのニ番庫が空くというところから、この話がスタートしています。我々の考え方とすれば、運河プラザは市が保有する歴史的な建造物ですから、引き続き、市として保有していきます。そのために、今回、改修費を予算計上しています。商業的なポテンシャルの高い立地条件にありますので、民間の活力を生かして、より集客性のある施設に使ってもらうことが望ましいだろうということで、この作業が始まっているわけです。物販機能やインフォメーション機能、一番庫にあるガイドクラブの皆さんたちのデスクは、国際インフォメーションセンターに移し、三番庫の機能は、第3号ふ頭の基部にできる観光船ターミナルの2階の多目的ホールに移すことができるのではないかと考えています。ただ、今の一番庫を公共スペースとして使いたい、今までどおり、交流空間として使いたいという声もいただいていますので、その声にしっかり耳を傾けていかなければいけません。ですので、一番庫については、これまでのような公共的なスペース、交流空間として使っていただけるような条件でプロポーザルを行いたいと思っています。応募する方が自由に使えるのは、二番庫、中庭、三番庫で、これらには、小樽観光に貢献できる、寄与できるような機能を持ってきていただきたいという思いはあります。前庭については、これは市が持っているところですが、ここも、修学旅行生の集合場所になることもあるという話も聞いていますので、一番庫や前庭については、公共的な活用をしながら、交流空間としての機能を維持していきたいと思っています。日程については、担当から説明をさせていただきたいと思います。

(観光振興室主幹)
運河プラザの貸付に関するスケジュールですが、4月5日に告示、応募要項等の交付、5月31日~6月14日に企画提案書等の受け付け、6月28日にヒアリングを実施、7月10日に審査結果の通知、8月1日から賃貸借契約の締結、10月1日から供用開始というスケジュールで考えています。

(市長)
ゴールデンウィークや潮まつりの時期のトイレの対応はどういうふうにするのか。

(観光振興室主幹)
警備員などを配置しないといけないと考えていますが、予算計上ができていない部分があります。当室としては、ゴールデンウィークや潮まつりの時期に、臨時的に使うことができるよう、今後、検討を進めていきたいと思っています。

(市長)
ただ、三番庫の代替として考えている多目的ホールは、早くても令和7年度にできるはずですから、2年くらいの時間差が生じます。その辺の対応は別途考えていかなければいけないと思っていますが、基本的には、今ある運河プラザの機能は、何らかの形で再編できると考えています。

(北海道新聞社)
宿泊税の関係です。今、北海道は、定額ではなく、変則的な形で導入する方向で議論をまとめようとしていますが、小樽市は「200円の定額」と継続して市長も話しています。導入の予定などは変わりないですか。また、北海道の宿泊税、市の宿泊税、温泉地であれば入湯税という三重課税の問題があります。徴収する実務を担う宿泊施設の方々への負担感という意味合いで、制度をすり合わせる考えはありませんか。

(市長)
定額の200円というのは、市内での有識者会議の議論を経て、観光事業者の皆さん方のご理解を得て決めましたので、このまま進めたいと思っています。ここ数日の新聞を見ていますと、観光事業者の皆さんの間でもいろいろな考え方があるようで、今回、税額を引き下げることについて批判がある一方で、宿泊税そのものに反対をされている観光業者さんもいらっしゃるということです。今日あたり北海道議会の方でも宿泊税の議論が始まると聞いていますので、そういった動向も見ながら、と思っていますが、いろいろな考え方があって、委員長預かりになる案件もあると聞いています。市としては、作業を始めてから時間が経過していますし、他の自治体とも協議を進めていまして、できれば同じスタートラインに立ちたいということで、これまでも協議をしてきましたので、速やかに合意形成に動いていただきたいという思いはあります。

(北海道新聞)
市長は2期目に再選したときに、小樽を選ばれるまちにしていくと掲げて行政を進めてきました。今日の冒頭の発言でも、人口減少が危機であり、危機に立ち向かう気持ちを持って政策を進めていくとありました。先日の、国立社会保障・人口問題研究所による2050年の人口推計では、人口が半分ぐらいに減ることに伴う結果ですが、生産年齢人口が6割近く落ち込むということで、残り30年を切っています。30年前の1994年にどれほど人口の問題について意識があり、この30年間でどのぐらいの施策を打ってきたのかを考えれば、今後の30年間でどれだけ有効な手立てを打てるのかは、なかなかできないところもあると思います。強いリーダーシップや相当な意識を持って臨まなければ、太刀打ちできない課題だと思いますが、どのように考えていますか。

(市長)
常々、職員に話していますが、一人一人が行っている仕事は、生活環境の改善も含めて、人口減少対策につながっていくと話しています。今回「危機」という言葉を使ったのは、人口が半減する社会が現実味を帯びているということを、職員全体で、共通の認識として持ちたいということで、あえて「危機に立ち向かう」「人口減少が危機だ」ということを掲げました。小樽の人口は計ったように毎年2000人ずつ減ってきていますが、この2000人の内訳は変わってきています。一時は、自然減1000人、社会減1000人という構成でしたが、高齢化社会を迎え多死社会と言われていますので、去年は自然減1700人~1800人程度、社会減300人程度になっています。しっかりと検証しなければならないですが、社会減というのは少しずつ抑制をされてきているような感じを受けています。これは、札幌圏の地価も高くなっている状況もあるでしょうし、銭函地区で一定程度、宅地造成が進んだということも背景にはあると思いますが、しっかりと分析をしていかなければいけないと思っています。人口半減社会と同時に、生産年齢人口が6割減るというのは本当に深刻な状況です。どうやって働く場所を確保するのか、労働人口を確保していくのかは、しっかり考えていかなければいけないと思っています。すでに民間の皆さんがそこに危機感を持って、それぞれの企業が外国人材を活用しているケースが増えてきているように感じています。外国人材の活用は、私も否定するわけではありませんし、必要なことだと思っていますが、行政として、そういった企業に対してどのような支援ができるかは、今年あたりから少しずつ着手をしていきたいと思っています。例えば、日本語の学習や、小樽における生活習慣、コミュニティーの形成などは、これまで国際交流で留学生を対象に行ってきましたが、それを留学生だけではなく、小樽で働いている外国人材にも枠を広げて、働きやすい環境や生活しやすい環境を行政としてもさらにサポートしていきたいと思っています。それから、近年、銭函4丁目、5丁目は企業立地が大変旺盛で、土地の造成も進められている状況です。先ほど、「特色ある企業誘致」と話しましたが、まさにそのことになります。これまでは、どちらかというと本州方面にターゲットを絞り、企業誘致を動いていましたが、札幌周辺で工場を造成する適地がないということで、札幌近郊にターゲットを絞って企業誘致を進めています。そういった意味で企業立地が進んできていますが、小樽市内からの交通の便に直結しておらず、小樽市民の従業員は多いところで3割、その他だと1割ぐらいになっています。そういったことを考えると、銭函地区の交通の利便性の確保なども視野に入れながら、働く場所をしっかりと確保していく、小樽市民の皆さんに働いてもらうということも考えていかなければいけないと思っています。もちろん、定住人口の確保のために、移住政策や若年層を対象にした合同企業説明会なども引き続き行いながら、小樽の人が小樽で安心して働けるような機会や環境作りをこれからも進めていきたいと思います。人口半減社会を迎えますが、生産年齢人口の確保という視点はもちろん大事だと思っていますので、さまざまな観点から施策を進めていきたいと思っています。

(読売新聞)
銭函の交通の利便性の確保について詳しくお願いします。

(市長)
銭函地区は比較的人口が定着している地域だと思っています。公共施設の再編計画の中で、銭函市民センターの老朽化対策というのもありますが、それとは別に、議会でも、「子育て世代も増えているので児童館を作ってはどうか」というようなお話もありましたし、市民の皆さんからは、銭函地区にはない包括支援センターなどの、これまでなかった機能を新たに考えていただきたいというご要望もあります。人口も定着して、企業立地も好調というように、小樽の中では非常にポテンシャルの高い地域だと思っています。議会の議論なども踏まえて、人口対策も含めて、銭函地区のまちづくり、特に公共交通も含めた利便性の向上ということは、考えていかなければいけないだろうと思っています。幸い、3月のダイヤ改正で、今は1時間に2本、快速エアポートが札樽間を走っていますが、そのうち1本が銭函駅に停車するということは、これまで地域住民の皆さんが望んでいたことでもありましたので、その代わり普通電車が1本減りますが、一歩前進かなと思っています。やはり利便性の高いところは、市内でもある程度人口が定着していますので、人口対策のきっかけになれば思っています。公共交通も大事だと感じています。全ての地区で十分ではありませんので、引き続き考えていきたいと思っています。

(読売新聞)
運河プラザについてです。今は便利な場所ですが、第3号ふ頭の基部は少し離れていて不便だと感じる人もいるようです。そもそも、第3号ふ頭に建物ができることを、あまりご存知ないかもしれないと市長は話していましたが、いかがですか。

(市長)
機能が再編されることが、運河プラザそのものがなくなってしまうのではないかと考える方が多いと感じています。

(読売新聞)
運河プラザがどうなるのかという周知が少し不足している気がしますが、いかがですか。

(市長)
市として建物を持っていくこと、機能がなくなるのではなく、再配置されること、民間の活力やノウハウを生かして、より集客力の高い施設にしていきながら観光振興につなげていくこと、交流空間として残していくこと、ということが、十分伝わっていないのかもしれません。行政の情報発信の在り方については、この問題だけではなく、よくいろいろなことを言われますが、今回だと、民間に活用させるということだけが、どんどん進んでいってしまって、そもそものコンセプトが十分伝わっていないのかなという感じは受けています。実際に今、皆さんたちからどういうご意見が寄せられているのかということも、私はまだ聞けていませんが、可能であれば、市民の皆さん方が望まれている機能があれば、その交流空間で残していきたいと思っていますし、民間の事業者さんが、それをご理解いただけるのであれば、協議させていただきたいなと思っています。立地条件が良いので、なんとか民間のノウハウで魅力ある施設にしてもらいたいと思っています。

(読売新聞)
運河の歴史がわかる資料や、今展示されている物、サカナクションに関するコーナーは残してほしいといった意見があるようです。

(市長)
そういったご意見があるとは聞いています。ただ、サカナクションに関する展示物は個人の方がお持ちの物だと聞いていますので、どういう形でできるかどうか、できるだけ市民の皆さんのご意見には耳を傾けていきたいと思っています。

(総務部長)
他になければ、次回の定例記者会見は、令和6年3月29日(金)午前11時からを予定していますので、よろしくお願いします。以上をもちまして、本日の市長定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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