公開日 2024年06月27日
更新日 2024年11月10日
電気機関車ED76 509展示施設整備のための寄付を引き続き募ります
北海道国鉄電化の開拓者を後世に残そう
~電気機関車のED76の展示再開に向けて~
小樽市総合博物館に保存されている鉄道車両の中で、電気機関車の機器に有害物質(PCB等)の使用が判明しました。
その処理のため令和5年に解体されることになりましたが、作業を進める中で車体の一部を残すことが可能となりました。
道内鉄道史において貴重な車両であり、歴史的遺産を後世に伝えるべく保存整備を進めますのでご協力ください。
寄付の目標は、「総額3000万円」!(引き続き受付中)
令和6年7月22日から10月21日まで「ED76展示施設整備応援プロジェクト」としてクラウドファンディングを実施し寄付を募ってまいりました。期間中、多くの皆様のご理解を賜り、たくさんの寄付を頂きました。心より厚くお礼申し上げます。
クラウドファンディング終了の10月21日の時点で、まだ確定ではありませんが、2つのクラウドファンディングを合わせて約300万円、並行して寄付を募っていた「小樽ファンが支えるふるさとまちづくり(総合博物館の展示鉄道車両の保全)」では、約1,200万円の寄付金を頂きました。これは、目標額の半分ほどです。残り半分を確保するために、「小樽ファンが支えるふるさとまちづくり」で引き続き寄付を募っていきます。
ご支援をご検討中の方は、是非ともご協力をお願いいたします。
「小樽ファンが支えるふるさとまちづくり」は、ふるさと納税の制度を活用していますので、寄付を行うと、寄付金のうち2,000円を超える部分について一定の上限まで原則として所得税・個人住民税から全額が控除されます。
ただし、小樽市在住の方は、税の控除は受けられますが、制度上返礼品をお送りすることができません。
「小樽ファンがささえるふるさとまちづくり」による寄付
「インターネットサイト」からの寄付
通年で受け付けています。
旅行関連商品や小樽の地場産品の返礼品を用意しています。「小樽ファン」のインターネットサイトいずれかを選んでご寄付ください。
「ふるさとチョイス」「さとふる」「楽天ふるさと納税」「ふるなび」「ANAのふるさと納税」のサイトがあります。
小樽市ふるさと納税については「小樽市ふるさと納税のご案内」をご覧ください。
寄付の際には「8.小樽市総合博物館の展示鉄道車両の保全(小樽ファンが支えるふるさとまちづくり)」を選択してください。
ただし、小樽市在住の方は、税の控除は受けられますが、制度上返礼品をお送りすることができません。
「郵便振込」による寄付
通年で受け付けています。
「寄付申込書」と「払込取扱票」をお送りしますので、総合博物館本館に、郵便番号、住所、氏名、電話番号をご連絡ください。
メール:museum@city.otaru.lg.jp
電話:0134-33-2523
【受付終了】クラウドファンディング
【受付終了】2024年7月22日(月)午前10時から10月21日(月)まで
ふるさと納税サイト「さとふる」 (satofull.jp)
ふるさと納税のガバメントクラウドファンディングは「ふるさとチョイス」 (furusato-tax.jp)
電気機関車ED76展示施設整備について
北海道の国鉄電化をけん引した電気機関車ED76、解体危機を乗り越えて再展示へ
北海道の国鉄電化の始まりは1968(昭和43)年8月28日の小樽~滝川間で、電気機関車ED76形500番代を北海道向けとして開発し、主力機関車として活躍しました。ED76形500番代は22両製造されましたが、現在の保存車は当館の509の他は1両のみです。
ED76形509号(以下、ED76)は廃車になった1986(昭和61)年に現在の博物館にある、北海道開通起点に搬入され、保存されていました。しかし、鉄道車両に積載された車両の変圧器やコンデンサの絶縁油に強い有毒性のあるPCBが使用されいる可能性があったことから、当館の電気機関車の機器の調査をした結果、PCBの残存個所が判明しました。見学者への影響はありませんでしたが、法律により早急な撤去・処分が求められました。PCBが使用されていた機器には大型のものもあり、その撤去・処分作業のためには、車両の解体をせざるを得ませんでした。しかし、貴重な文化遺産を少しでも残すため、各方面と協議を重ねた結果、部分的ではありますが、ED76の保存・公開の可能性が見えてきました。その実現のため、多くの、幅広い皆様にご協力、ご支援をいただきたく、このプロジェクトを行います。
奇跡的に残った前頭部、歴史を後世に伝える資料にするために
ホームページとFacebookでの発表、そして報道記事により解体が全国に伝わったことでファンの方や関係者の方などから「解体は残念」という多くの声をいただきました。残念な気持ちは博物館スタッフも同じで、処理作業に向け安全柵が取り付けられた時は複雑な想いでした。
ところが解体を進めていく途中で部分的な保存の可能性が見えてきたのです。そのため、ED76の片側前頭部を残した形での保存・展示再開の可能性を探りました。
そして道内鉄道史において貴重な車両、歴史遺産を後世に伝えていくため小樽市で展示施設整備事業を実施することが決定しました。
令和6年度はED76の前頭部展示にとりかかり、11月頃の公開に向けた整備を行います。令和7年度にはもう1両のED75の外殻部展示作業を進める予定です。
電気機関車ED76の価値と魅力を引き出し、道内国鉄電化の歩みを伝える展示をつくる
北海道鉄道の発祥地である小樽は最初の国鉄電化の出発地でもあります。蒸気機関車時代から新しい時代への移り変わりの瞬間に活躍したED76。現在の私たちの生活につながる北海道の鉄道史を来館者に伝える場としての展示。そしてED76の前頭部を「実物×原寸×全体」というコンセプトで展示を行い、その価値や魅力を引き出していきます。
鉄道が築き上げた北海道の歴史を伝えるために
「電気機関車にPCBを含む機器がある」という報告から、その取り出しに伴う解体に至るまで、多くの皆様にご心配をおかけしてまいりました。私どもとしては「ひとつでも多くの部品をのこす」方針のもと、作業を続けてまいりましたが、ED76については前頭部を残し、展示をすることが可能となりました。北海道の鉄道電化の魁(さきがけ)となったED76、そしてその試作機にあたるED75は、北海道が大きな曲がり角を迎えていた20世紀後半の社会を知るうえで欠くことのできない貴重な車両です。この貴重な鉄道遺産を後世に伝え残すために、小樽市総合博物館で展示をしていきたいと考えています。
しかしながら、総額で数千万円にもなると想定される経費が、事業実施の課題となっています。 鉄道を愛する一人でも多くの方に幅広いご支援をいただき、来年度に予定していますED75の全体展示につなげて行くためにも、なにとぞ、ご協力をお願いいたします。
電気機関車の解体及びPCB機器の除去について
令和5年度に実施した電気機関車(ED75形501号とED76形509号)のPCB等除去作業についてはこちらをご覧ください。
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2023070900016/
電気機関車ED76形509号のVRコンテンツを制作しました
PCB除去のために車両を解体し、部分しか残すことができませんでしたが、解体前の様子をデジタルコンテンツとして残すことができました。
博物館資料として、より高精細のデータも保存しています。
車両内部に関しては、解体直前の機器を収納しているカーバーを外した状態なので、内部公開していた時でも見ることができなかった興味深い様子を見ることができます。
電気機関車ED76形509号(外観・内観)[2024年10月]
電気機関車ED76形509号の展示施設が完成しました
電気機関車ED76形509号の前頭部をイベントプラザ屋根の下に配置しました。
前頭部の前面下部には、北海道仕様の車両としては重要な除雪装置「スノープラウ」も装着した状態で展示することとしました。
運転席には、階段を上って入ることができます。座席に座って運転手気分になれますよ。
欠損部分はグラフィックで再現し、原寸大を実感することができます。
博物館として注目いただきたいのはその反対側(博物館としてはこちらが表側)の展示コーナーです。
「動輪」と「パンタグラフ」を展示し、ED76形500番代や道内国鉄電化に関する紹介もあります。
電気機関車ED76形509号展示施設の公開[2024年11月]