公開日 2024年06月27日
更新日 2025年12月10日
北海道国鉄電化に貢献した車両を次代へ

電気機関車ED75形501号は、北海道の国鉄で電化試験のために昭和41年に1両だけつくられた車両です。同年11月からは手稲ー銭函間での走行試験が行われました。それらの成果を踏まえ、昭和43年8月28日に小樽ー滝川間が電化開業しました。昭和61年まで現役で活躍し、廃車後は当時の北海道鉄道記念館(国鉄管理)に保存展示され、その後は小樽交通記念を経て、小樽市総合博物館に引き継がれました。
令和5年、電気機関車の機器に有害物質(PCB等)の使用が判明したことで、その処理のため解体されることになりましたが、車体の外郭部は残すことができました。道内鉄道史において貴重な車両である歴史的遺産として、さらにはPCB除去により解体を余儀なくされた経緯も含め、後世に伝えるべく保存整備を進めていきますのでご協力をお願いします。
「小樽ファンがささえるふるさとまちづくり」による寄付
令和6年に「ED76展示施設整備応援プロジェクト」としてクラウドファンディングを実施し寄付を募ってまいりました。おかげさまで、多くの皆様のご理解を賜り、たくさんの寄付を頂きました。心より厚くお礼申し上げます。
「ED75展示施設整備」につきましては、「小樽ファンが支えるふるさとまちづくり」にて寄付を募っています。これは、ふるさと納税の制度を活用していまして、寄付金のうち2,000円を超える部分について一定の上限まで原則として所得税・個人住民税から全額が控除されます。返礼品もたくさんの品々からお選びいただくことができます。
ただし、小樽市在住の方は、税の控除は受けられますが、制度上返礼品をお送りすることができません。
「インターネットサイト」からの寄付
通年で受け付けています。
旅行関連商品や小樽の地場産品の返礼品を用意しています。「小樽ファン」のインターネットサイトいずれかを選んでご寄付ください。
「ふるさとチョイス」「さとふる」「楽天ふるさと納税」「ふるなび」「ANAのふるさと納税」のサイトがあります。
小樽市ふるさと納税については「小樽市ふるさと納税のご案内」をご覧ください。
寄付の際には「8.小樽市総合博物館の展示鉄道車両の保全(小樽ファンが支えるふるさとまちづくり)」を選択してください。ただし、小樽市在住の方は、税の控除は受けられますが、制度上返礼品をお送りすることができません。
「郵便振込」による寄付
通年で受け付けています。
「寄付申込書」と「払込取扱票」をお送りしますので、総合博物館本館に、郵便番号、住所、氏名、電話番号をご連絡ください。
メール:museum@city.otaru.lg.jp
電話:0134-33-2523
電気機関車の解体及びPCB機器の除去について
令和5年度に実施した電気機関車(ED75形501号とED76形509号)のPCB等除去作業については電気機関車(ED75とED76)のPCB処理についてをご覧ください。
電気機関車ED76形509号のVRコンテンツを制作しました
PCB除去のために車両を解体し、部分しか残すことができませんでしたが、解体前の様子をデジタルコンテンツとして残すことができました。博物館資料として、より高精細のデータも保存しています。
車両内部に関しては、解体直前の機器を収納しているカーバーを外した状態なので、内部公開していた時でも見ることができなかった興味深い様子を見ることができます。
電気機関車ED76形509号(外観・内観)[2024年10月]
電気機関車ED75形501号のVRコンテンツについても近日公開予定です
電気機関車ED76形509号の展示施設が完成しました
令和6年、電気機関車ED76形509号の前頭部をイベントプラザ屋根の下に配置しました。
前頭部の前面下部には、北海道仕様の車両としては重要な除雪装置「スノープラウ」も装着した状態で展示することとしました。運転席には階段を上って入ることができるので、座席に座って運転手気分になれます。欠損部分はグラフィックで再現し、原寸大を実感することができます。
博物館として注目いただきたいのはその反対側(博物館としてはこちらが表側)の展示コーナーです。「動輪」と「パンタグラフ」を展示し、ED76形500番代や道内国鉄電化に関する紹介もあります。
電気機関車ED76形509号展示施設の公開[2024年11月]