公開日 2020年10月10日
更新日 2024年05月17日
シーズンになると山菜採りを楽しむ方が増えています。しかし、食べられる植物の中には有毒植物と似たものがあり、間違えて食べることによる食中毒に注意が必要です。平成26年4月以降、有毒植物を食べたことによる食中毒が多発しており、令和5年には全国で事件数44件、患者数114名(うち死亡者1名)が報告されています。
また、観賞用植物にも毒のあるものがあり、家の庭に生えていたものを食用と間違えて食べて食中毒となる事例が発生しています。
正しい知識を身につけ、食中毒に注意しましょう。
令和4年4月、トリカブトの誤食による食中毒が小樽市内で発生しました
・令和4年4月21日、小樽市において、知人から譲り受けたシャクにトリカブトが混入していたことによる食中毒事故が発生しました。
・小樽市内でのトリカブトを原因とした食中毒は、平成31年4月にも発生しています。
・採取場所には食用野草のシャク、ヨモギと毒草のトリカブトが混生していたことが判明しました。
⇒!採るときや食べるときは、一本一本よく確認しましょう!
・春には、全国的に食用野草のヨモギやシャク、ニリンソウなどと間違って喫食したことによる食中毒事例が多いです。
⇒!種類の判定できない植物を採取するのはやめましょう!
・全草にアコニチンという有毒成分を含み、誤食すると口の痺れ、呼吸困難、心臓麻痺を引き起こし、
死亡することもある有毒植物です。
⇒!野草を食べて異常を感じた場合は、一刻も早く病院へ行きましょう!
※また、可能なら食べたものは残しておいてください
トリカブト(左)とシャク(右)(出典:北海道「毒草ハンドブック」)
過去にはイヌサフランによる食中毒も小樽市内で発生しました
令和3年5月に、小樽市において自宅付近に生えていたイヌサフランを食用の行者ニンニクと誤って喫食したことによる食中毒が発生しました。
イヌサフランはコルチカムという名前でも販売されている園芸用植物です。全草にコルヒチンという有毒成分を含有し、食用野草のギョウジャニンニク(ヒトビロ)と間違って誤食されることが多いです。
〈イヌサフランの主な症状〉
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢
- 痙攣
- 呼吸の乱れ
※死に至る場合があります。
イヌサフラン(左)とギョウジャニンニク(右)(出典:北海道「毒草ハンドブック」)
!園芸用の「スズラン」も有毒成分を含み、ギョウジャニンニクと誤食する恐れがあります!
スズラン(出典:北海道「毒草ハンドブック」)
食中毒予防のためには
判断のつかない山菜は採らない
- 食べられる山菜の中には有毒植物と似たものがあります。
- 食べられるかどうかの判断がつかない山菜は採らないようにしましょう。
採取する際、食べる前に確認する
- 食べられる山菜と有毒植物は混生している場合があります。
- 採取する時に一本ずつ確認しながら採取しましょう。
- 採ってきた山菜を食べる前にも必ず一本ずつ確認をしましょう。
採取した山菜をみだりに人に譲らない
- 採取した山菜の中には有毒植物が混じっている危険性があります。
- みだりに人に譲ることはやめましょう。