公開日 2020年10月17日
更新日 2024年08月19日
手足口病とは
手足口病は、口の中や手のひら・足などに水泡や発しん、発熱等がみられる感染症です。乳幼児を中心に夏に流行しますが、小学生の間でも流行することがあります。成人を含めた小学生以上の大半はすでにウイルスの感染を受けていることが多いため、成人の発症はあまり多くありません。原因となるウイルスが複数あるため、一度手足口病にかかっても、他のウイルスによる手足口病にかかることもあります。
小樽市内の手足口病発生報告数(小児科3定点当たり)は下記のページをご覧ください。
感染経路と予防法
【原因】
コクサッキーA群ウイルスやエンテロウイルス71型が主な原因となるウイルスです。
潜伏期間は3-5日とされています。
【感染経路】
飛沫感染(感染者の唾液に含まれている菌がせき等で飛び散り、それを吸い込むことにより感染します。)
接触感染(感染者の手や触った物に触れ、その手で口や鼻を触ることにより感染します。)
糞口感染(糞便から排泄されたウイルスが人の手や食品を介して口に入ることで感染します。)
※手足口病は、状況によっては出席停止の措置が必要と考えられる疾患です。
詳しくは、下記の資料を御確認ください。
保育所における感染症ガイドライン(2018改訂版)(2021年(令和3)年8月一部改訂)[PDF:2.39MB]
文部科学省ホームページ「学校において予防すべき感染症の解説(平成30年(2018年)3月発行)」(外部サイト)
【予防法】
1 こまめに手洗いをしましょう 原因となるウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、石けんを使用した手洗いが有効です。特に、トイレやおむつ交換の後、食事の前は、手洗いを徹底しましょう。
2 適切に排泄物を処理しましょう 症状が回復しても、2-4週間は便からウイルスが排出されます。おむつ交換をする際にはゴム手袋などを着用し、ウイルスとの直接的な接触は避けましょう。
3 こまめに消毒しましょう 原因となるウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、子どもが日常的に触れるおもちゃや手すりなどは次亜塩素酸ナトリウムを薄めた消毒液で消毒しましょう。
【消毒液の作り方】
手洗い場、ドアノブ、おもちゃ、調理器具など、直接手で触れる部分を消毒しましょう。
消毒対象 | 必要な濃度 | 原液の濃度 | 希釈倍率 | 1リットルの水に加えて作る場合に必要な原液の量 |
---|---|---|---|---|
ドアノブ、おもちゃなど |
0.02% | 5% | 250倍 | 4ml(ペットボトルキャップ1杯) |
4 感染者との密接な接触を避けましょう。
症状と治療
【症状】
口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2-3mmの水泡を伴う発しんが現れます。発熱することもありますが、38℃以下のことがほとんどです。肘、膝、臀部などにも出現することもあります。通常は3-7日の経過で消退します。まれに、幼児を中心とした髄膜炎や脳炎などの中枢神経系合併症を生ずることもあるとされています。
【症状がある場合の対応】
・せきや鼻汁が出るなどの症状がある場合は、マスクをするなどせきエチケットを心がけましょう。
・医療機関を受診し、自宅で安静にしましょう。
【治療】
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
口の中に水泡ができ食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。脱水がひどい場合は、点滴をすることもあります。通常、症状は3-7日でおさまりますが、特に小さいお子さんは脱水を起こしやすいので、早めにかかりつけの内科または小児科を受診しましょう。