乳がん

公開日 2020年10月18日

更新日 2023年09月25日

乳がんとは

 乳房には乳腺がたくさんあり、乳がんはこの乳腺にできる悪性腫瘍(悪性のできもの)です。約90%は乳管(母乳の通り道となる管)から発生する「乳管がん」で、約5%が小葉(母乳を作る場所)から発生する「小葉がん」です。他に特殊な乳がんとして、乳頭のただれを起こす「パジェット病」などがあります。
乳がんは、高齢になるほど増加する他のがんとは異なり、45歳から50歳代の比較的若い世代に多いことが特徴で、近年急増しています。乳腺がある女性であれば、誰でもかかる可能性があるがんで、女性の12人に1人がかかると言われています。
乳がんが乳管や小葉の中にとどまっている状態を「非浸潤がん」と呼び、この段階であれば転移や再発する危険はほとんどありません。一方、がん細胞が乳管や小葉を越えて周りの組織に広がったものを「浸潤がん」と呼び、転移や再発の危険性を伴います。しこりとして触れる乳がんの多くは「浸潤がん」です。

 

乳がんになりやすい人は

乳がんの発生に深く関わっているのが、女性ホルモンのエストロゲンです。
具体的な危険因子としては、
(1)初潮が早い、閉経が遅い
(2)初産年齢が高い又は出産経験がない・授乳経験がない
(3)閉経後の肥満
(4)家族(特に母・姉妹・娘)に乳がんになった人がいる
(5)本人が以前に乳がんになったことがある
があげられます。しかし、現在、乳がん患者で、家族に乳がん患者がひとりもいないというケースもよくあります。家族に乳がん患者がいなくても安心できる要因ではありません。

乳がん予防とブレスト・アウェアネスのすすめ

ブレスト・アウェアネスとは「乳房を意識する生活習慣」です。
乳房の状態に日頃から関心を持つことにより、乳房の変化を感じたら速やかに医師に相談するという正しい受診行動を身につけましょう。

ブレスト・アウェアネスの4つのポイント
1 ご自分の乳房の状態を知る…着替えや入浴時に乳房を見て、触って、感じることでご自身の乳房を自覚することです。しこりを探す(自己触診)という意識は必要ありません。                                                                                                                                                                                                                                   2 乳房の変化に気をつける…乳房の腫瘤、乳頭からの分泌物、乳頭や乳輪のびらん、乳房の皮膚の凹みや引きつれ、乳房痛 等の変化がないか気をつけます。
3 変化に気づいたらすぐ医師へ相談する…上記の症状がすべて乳がんの症状ではありません。しかし、早期の乳がんの可能性もあります。お気づきの場合は医師に相談しましょう。
4 40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける…日本人女性の乳がんの好発年齢が45~49歳と60~64歳ですので、日本では40歳以上の女性に対してマンモグラフィを使用した乳がん検診が推奨されています。

ブレスト・アウェアネスについて、詳しくはこちら
日本乳癌学会のリーフレット 
乳がん検診の適切な情報提供に関する研究(福井県済生会病院のページ)                  

乳がん検診の受け方

乳がん検診では、「問診」、「乳房エックス線(マンモグラフィー)検査」を行います。

 ・検診では、初潮年齢、最終月経、出産・授乳歴、閉経後の人は閉経年齢、家族内に乳がんの人がいるかなどを問診票でお聞きしますので、確認しておきましょう。
 ・マンモグラフィによる検診は乳房が張っているときには痛みを感じやすいので、月経前の張りやすい時期を避けて、月経終了後4〜5日目の比較的乳腺が柔らかい時期に受けられることをおすすめします。

 ・検診の結果、当日精密検査をすすめられることがあります。健康保険証、検査料が必要になりますので用意していかれるといいでしょう。

 ・豊胸術を受けている方、心臓ペースメーカーを装着されている方は、正確な診断をするために事前に必ず申し出てください。

 ・検診の結果は、医師が総合的に判断します。

 ・「精密検査が必要」と診断された場合でも、すぐにがんと決まったわけではありません。怖がらずに必ず精密検査を受けましょう。

小樽市 女性のがん検診を受診可能な病院

受診可能な病院、連絡先、夜間や土曜日の受診情報、女性の技師がいるか等

詳しい情報はこちらをご覧ください。→女性のがん検診[PDF:1.09MB]

 

注目ポイント 注目ポイント!

 「乳がん=しこり」と思われていますが、転移・再発の危険のない「非浸潤がん」はしこりとして触れません。非浸潤がんで見つかれば10年生存率(診断から10年後に生存している割合)はほぼ100%、「しこりが2cm以下でリンパ節転移のないもの」と定義される早期がんでは10年生存率は約90%です。
触ってわかるしこりを探す「視触診(見て触る)検診」だけでは不十分で、非浸潤がんの発見には乳房をはさみ込んでエックス線撮影する「マンモグラフィ」による検診が重要です。

 ブレスト・アウェアネスの習慣を身につけ、2年に1回の「乳がん検診」を受けましょう。

☆乳がん検診Q&A☆(PDF約355KB)[PDF:354KB]

お問い合わせ

保健所 健康増進課
住所:〒047-0033 小樽市富岡1丁目5番12号
TEL:0134-22-3110
FAX:0134-22-1469
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