答申書「家庭ごみの減量化施策とその方策としての有料化について」

公開日 2020年10月21日

更新日 2021年04月14日

小樽市廃棄物減量等推進審議会

 

21世紀に暮らす私たちには、かけがえのない地球を守り、よりよい環境、住みよい小樽を次の世代に引き継いでいく責任があると考えます。

これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会活動から脱却し、市民・事業者・市がそれぞれの立場でごみの減量化と資源化を進め、環境への負荷の少ない、循環型社会の形成に向けた取組を進めていく必要があります。

ごみの減量化の取組については、市民・事業者・市の三者が、より一層連携を強めることにより、効果的に推進していくことが大切と考えます。

また、家庭ごみの有料化については、ごみに対する市民一人ひとりの意識が高まり、自主的にごみの減量に取り組む契機となるほか、資源化の促進も期待できることから、ごみ減量化の有効な方策のひとつであると考えます。

なお、上記答申内容の考え方など、詳細については以下に述べるとおりです。

家庭ごみの減量化施策

小樽市の平成14年度における家庭ごみの量は約4万2,000トンで、そのうち、資源物(現在、市が収集していない紙類やプラスチック類などの資源物も含む。)が全体の40%近くを占めていたという調査結果があることから、ごみの減量化のためには、資源物とごみとの分別の徹底と資源化の推進が、早急に取り組むべき課題であると考えます。

なお、資源物についても、循環型社会形成の観点から、その排出量を減らす努力が必要と考えます。

ごみの減量化を進めるためには、市民・事業者・市が、それぞれの立場から、以下のような発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)に努める必要があると考えます。

(1) 市民の役割

環境に関する知識と理解を深め、ものを大切に使用し、再使用に心がけるなど、できるだけごみを出さない工夫をするとともに、ごみと資源物との分別を徹底し、集団資源回収を行うなど、市民としてできることについて、積極的に取り組むように努めることが必要と考えます。

たとえば、フリーマーケットの利用や不用品交換情報の活用、詰替え商品の利用、レジ袋を使わないマイバッグの使用などのほか、生ごみの減量では、家庭でもできるコンポストやダンボール箱を利用した堆肥づくりなどが考えられます。

また、資源の循環という観点から、エコ商品など環境にやさしい製品や再生品をできるだけ使用することも大切であると考えます。

(2) 事業者の役割

製造・加工業者は、再生原料の使用に努めるとともに、長く使える製品やリサイクルしやすい製品の開発などのほか、使用済容器の引取りなど資源の循環利用をより一層進めていく努力が必要と考えます。

販売業者は、商品の包装の簡素化や商品の容器を減らす工夫などをし、ごみとなるものの発生抑制に努めるほか、レジ袋の使用を少なくする方法などについても工夫する必要があると考えます。

(3) 市の役割

市は、循環型社会の形成に向けて、市民が容易に取り組むことができるごみの減量化や資源化施策を進め、併せて、継続的に各種の啓発活動を展開して市民のごみ減量化について、意識向上の推進に努めることが必要と考えます。

ごみの減量化と資源化施策としては、現在市が収集している資源物の品目を、びん・缶・ペットボトル・紙パック・蛍光管・電球から新聞・雑誌・書籍などの紙類、トレイ・ラップ・レジ袋などのプラスチック類まで拡大し、収集回数を増やすとともに、資源物回収ボックスを設置して市民の利便性を図ることも必要と考えます。

また、缶以外の金属類や布類についても、資源物として取り扱えないか検討する必要があり、不用家具など粗大ごみのリサイクルについても検討する必要があると考えます。

生ごみについては、将来的に資源物として活用できるよう、その方法について、今後、検討していただきたいと思います。

現在行われている市民による集団資源回収は、地域・グループ単位での自主的な活動であり、ごみ減量化と資源化推進の意識向上に役立つだけでなく、効果的に資源物回収ができる有効な活動でもあることから、今後も継続して支援をしていく必要があると考えます。

各種の啓発活動としては、エコショップ認定制度の周知や不用品交換情報の提供、家庭で簡単にできる生ごみ堆肥化の方法の紹介、分かりやすい資源物の分別方法についての説明などが考えられます。

なお、次代を担う子供たちに対する環境教育が重要であり、建設予定のリサイクルプラザが完成した後には、これらの施設も十分に活用するなど、ごみについての学習機会の拡充を図ることが必要と考えます。

(4) 総合的、計画的かつ継続的な取組の必要性

上記の、市民、事業者、市のごみ減量化に向けた取組を効果的なものとするためには、それぞれが相互に連携し、総合的、計画的かつ継続的に推進していく必要があります。

そのためには、相互の情報交換によりごみの減量化や資源化の推進についての情報を共有し、共通の知識と認識とを持ち、それぞれの立場で、実効性のある取組ができるようにする必要があると考えます。

これらの取組を促進するために、市においては、常に、各種情報の収集や分析をするとともに、広報誌やインターネットなどを利用して、市民や事業者に対して多くの情報を積極的に提供していくことが必要と考えます。

 

家庭ごみの有料化

家庭ごみ有料化の目的は、ごみに対する市民の意識を高め、ごみの減量化を図るとともに資源化の推進を図ることにあると考えます。

現在、家庭ごみは無料で収集されているために、資源物とごみとの分別が徹底されていない状況が見られます。

家庭ごみを有料で収集し、資源物を無料で収集することにすれば、資源物とごみとの分別も進み、ごみに対する意識も変わるものと思われます。

また、家庭ごみの有料化を実施している他都市の例を見ても、有料化によるごみの減量効果が現れていることから、有料化は、ごみの減量化と資源化を推進するための有効な方策のひとつであると考えます。

家庭ごみの有料化は、ごみの減量化とごみに対する意識の向上や資源化の推進だけでなく、その歳入を資源物の収集拡大のための経費やその他の市民サービスのために充てることができることにもなると考えます。

なお、家庭ごみを有料化する場合には、新たに市民負担を求めることになることから、以下のような市民サービスの向上に、十分配慮していただきたいと考えます。

(1) 資源物の収集拡大

資源物として市が収集する品目を拡大することにより、ごみの量を減らすことができ、資源化の推進を図ることができることから、「1 家庭ごみの減量化施策」の「(3) 市の役割」で述べたように、収集品目や収集回数の拡大、資源物回収ボックスの設置などのほか、不用家具などの粗大ごみや生ごみのリサイクルについての検討も進めていただきたいと考えます。

(2) 市民サービス向上施策

家庭ごみの有料化による歳入については、できる限り、ごみや環境に関連した市民サービスの向上のために充てていただきたいと考えます。

具体的には、市民が行う生ごみの堆肥化に対する助成や資源物回収ボックスの設置、ごみ集積場所のカラス対策用ネットの助成など地域の環境美化に対する助成、祝日のごみ収集の実施、冬期間収集困難地区の収集改善などが考えられると思われます。

なお、高齢者などの対策として、戸別収集についても検討していただきたいと考えます。

 

有料化の内容

(1) 有料・無料の区分

[1] 「燃やすごみ」及び「燃やさないごみ」は有料とする。

[2] 「資源物」及び「ボランティア清掃ごみ」は無料とする。

 

(2) 手数料

[1] 負担方法

手数料の負担方法としては、ごみの減量効果や費用負担の公平性などの観点から、他都市においても多く採用されている「従量制」とすることが適当と考えます。

[2] 指定ごみ袋などによる手数料の徴収

手数料は、支払方法の簡便さや、ごみの減量化に取り組む動機付けになることなどから、指定袋の販売方式による徴収が適当と考えます。

また、市が収集するごみで指定ごみ袋に入らないものについては、シールの販売方式による手数料の徴収を検討する必要があると思われます。

なお、指定ごみ袋やシールについては、その取扱店を多くするなど、市民が容易に購入することができるように配慮する必要があると考えます。

[3] 指定ごみ袋などの単価

指定ごみ袋やシールの単価(手数料)は、道内他都市の金額も考慮しながら、ごみの減量化に効果があり、かつ、市民にとって大きな負担とならないものとする必要があると考えます。

[4] 指定ごみ袋の種類

家庭ごみは、その世帯の人数や構成員の年齢などにより排出量が異なることから、ごみの量に応じた指定ごみ袋の選択ができるように、袋の大きさは5種類程度にする必要があると考えます。

また、袋は使いやすいものにするとともに、分別がしやすいように燃やすごみと燃やさないごみとで色別にするほか、視力障害者が手触りで識別できるものにするなどの配慮が必要と考えます。

[5] 手数料の減免

手数料の減免は、減量意識を弱めることも考えられるので、慎重に検討する必要があると考えます。

 

有料化の実施時期等

家庭ごみの減量化と資源化の推進は、早急に取り組まなければならない課題であることから、家庭ごみの有料化は早期に実施すべきものと考えます。

実施する場合には、市民に対して十分な説明をするとともに、必要な周知期間を置くなど、円滑に実施できるように、十分留意する必要があると考えます。

また、有料化に伴い、不法投棄の増加やごみ集積場所への不適正なごみの排出などが心配されることから、これらに対する対策についても十分検討する必要があると考えます。

お問い合わせ

生活環境部 管理課
住所:〒047-8660 小樽市花園2丁目12番1号
TEL:0134-32-4111内線321・464
FAX:0134-32-5032
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