公開日 2021年03月31日
更新日 2021年09月30日
観光消費が地域に与える効果を把握することを目的として、小樽市産業連関表を作成し、観光が地域にもたらす経済効果の分析を行いました。
観光基礎調査の内容
市内産業の移出状況を把握するために、市内の企業・事業所を対象に、年間販売額及び販売先に関するアンケート調査を実施し、その結果と国土交通省北海道開発局「平成27年北海道産業連関表」(外部サイト)を基に、「平成27年小樽市産業連関表」を作成しました。
この産業連関表に基づき、小樽市における観光消費が市内産業にもたらす経済波及効果を推計しました。
算出に必要となる年間市内観光消費額については「平成30年度小樽市観光客動態調査」の数値を用い、推計する経済波及効果は、「生産波及効果」、「付加価値効果」、「雇用誘発効果」としました。
小樽市観光基礎調査報告書(令和3年8月27日改定)
令和2年度小樽市観光基礎調査報告書では、国土交通省北海道開発局が作成した「平成27年北海道産業連関表」及び「市内事業者に対する調査結果(市内産業の移出状況把握を目的に実施)」を基に、ノンサーベイ法により「平成27年小樽市産業連関表」を作成しておりますが、国土交通省北海道開発局から「平成27年北海道産業連関表」の訂正について公表がありました(令和3年5月28日)。
このため、小樽市では「平成27年北海道産業連関表」の訂正に伴い「平成27年小樽市産業連関表」ならびに各種係数表を改めて作成し、「令和2年度小樽市観光基礎調査報告書(令和3年8月)」としてまとめました(令和3年8月27日)。
観光消費による経済波及効果の推計
生産波及効果及び付加価値効果
年間観光消費額898億円のうち、小樽市内産業への直接効果は、641億円と推計された。
この直接効果は、市内において157億円の原材料波及効果(一次効果)と、雇用者の所得を通じた95億円の家計迂回効果(二次効果)を生み出し、合計した生産波及効果は893億円と推計された。
この生産波及効果893億円を産業部門別にみると、全体の57.6%である514.2億円が「サービス業」に波及し、次いで「製造業」に119.6億円(13.4%)、「商業」に119.0億円(13.3%)となっており、直接効果と生産波及効果の比率で示される生産誘発倍率(生産波及の大きさを示す係数)は1.4となった。
また、各産業部門が生み出した付加価値効果は448億円と推計された。
雇用効果(雇用者誘発数)
観光経済波及効果に対応する雇用効果(雇用者誘発数)は13,441人と推計された。
この雇用効果を産業部門別にみると、全体の72.8%である9,785人が「サービス業」であり、次いで「商業」2,582人(19.2%)となっている。
まとめ
観光客が本市にもたらす観光消費額898億円が市内生産額7,178億円に占める割合は12.5%、さらに生産波及効果893億円が占める割合は12.4%と推計されたほか、雇用誘発効果13,441人は事業所従事者総数56,650人(平成26年経済センサス)に対して23.7%に相当する。「観光」は、本市における基幹産業の一つとして重要な位置を占めていると把握される。
産業連関表(42部門表)
- H27小樽市産業連関表【R30827修正】[XLSX:682KB](エクセルシートの内容は以下のとおりです。)
- 取引基本表
- 投入係数表
- 逆行列係数表(開放型)
- 逆行列係数表(閉鎖型)
- 最終需要項目別生産誘発(誘発額、誘発係数、誘発依存度)
- 最終需要項目別付加価値誘発(誘発額、誘発係数、誘発依存度)
- 最終需要項目別移輸入誘発(誘発額、誘発係数、誘発依存度)