公開日 2025年05月25日
更新日 2025年05月25日
一原有徳記念ホール(市立小樽美術館3階)
池田緑マスクに覆われた世界のチラシ(表面)は、こちらからご覧ください。[PDF:361KB]
池田緑マスクに覆われた世界のチラシ(裏面)は、こちらからご覧ください。[PDF:941KB]
趣旨
池田緑は、1990年代後半からコンセプチュアルな制作を始め、社会的な発言をともなったインスタレーションを発表している現代美術家です。
手法としては流木、ジーンズ、アクリルパイプを用いたり、文字言語そのもので造形したり、ときに版画や文字を刻んだダイモテープを取り込みながら、独特の世界を生み出してきました。とりわけ印象的なのは、日本製のガーゼのマスクを使って、悪化する自然環境の保全を願ったインスタレーション「マスク・プロジェクト」です。
現代美術の場合、誰もが新しい表現に関心を向けますが、本プロジェクトは見る者を沈黙させ、その内容の重さは表現形式の新しさを上回ったといえるでしょう。池田は海外派遣のチャンスを得て2001年・2004年の2度ニューヨークに渡り、最初の渡航で9.11ニューヨークテロ(2001)に遭遇、現地の人々に配布した多数のマスクにより作品を制作しました。しかしこのプロジェクトは、1999年サホロ湖の2000本の樹木にかけたマスクからスタートし、テロに端を発したものではありません。この間世界に視野を広げ、環境と人間の関係をより深く思考し、2011年小樽のハルカヤマ藝術要塞展で最終章を迎えたとさせます。
まだ記憶に新しい2019年に発生したパンデミックでは、マスク着用により数多くの命が救われ、感染を制御するために全世界でマスクは必須のものとなりました。問題提起はアーティストの存在理由そのものであり、池田のマスク・プロジェクトは、いつも時代の先を見通すかのように発表されており、時間と空間を超え今もその衝撃が失われることはありません。
本展は、一原有徳と縁あって親交を結び、北海道十勝を代表する現代美術家・池田緑の各時代を象徴する表現をピックアップするとともに、インスタレーション「マスク・プロジェクト」を再構成いたします。
会期
令和7年6月21日(土)〜令和7年9月7日(日)
展示作家来館&キャンペーン
キャンペーンチラシは、こちらからご覧ください。[PDF:283KB]
◆下記日程で来館されるお客様に、現代美術家・池田緑先生よりおひとり1枚ポストカードを進呈いたします。
池田先生との交流も可能ですのでお気軽にお声がけください。
◎池田 緑先生 来館日程
6月21日(土)、22日(日)
7月19日(土)、20日(日)
8月 9日(土)、10日(日)
9月 6日(土)、7日(日)
会場:美術館3階 一原有徳記念ホール
【同時開催】
現代美術家・池田緑の世界 6/21(土)~7/6(日)
会場:サロン・ド・宮井(宮井額椽店)
〒047-0024小樽市花園1-3-3 ℡0134-23-1607