公開日 2022年05月25日
更新日 2022年05月25日
明治風の客車
小樽市総合博物館の敷地内にある、明治・大正期に作られた重要文化財の鉄道施設との統一感を持たせるため、令和4(2022)年から客車をリニューアルしました。北海道最初の鉄道である官営幌内鉄道と、北海道炭礦鉄道の資料に基づいた明治時代の貨客混合列車を模して整備しました。これにより、往時の雰囲気を体感できるようになりました。
これらの整備には、令和3年度文化庁Living History(生きた歴史体感プログラム)促進事業の文化資源活用補助金と、小樽ファンが支えるふるさとまちづくりの寄付金や個人からの寄付金を活用しました。
一等客車
小樽市総合博物館本館のしづかホールで常設展示している一等客車「い一号」(明治25年、北海道炭礦鉄道手宮工場で製作)を模して整備しました。客車の片側にはデッキを設け、側面には「い一号」と同様に北海道炭礦鉄道のマークが付いています。採光のための二重屋根や下降式の二段窓、内部天井の装飾レリーフにより、車内は明るく、豪華な雰囲気を感じることができます。
三等客車
木のぬくもりを感じられる落ち着いた内装で、席数も多いため、ご家族でゆったりと乗車をお楽しみいただけます。また、車椅子の方でも利用しやすいように、手すりや広いスペースも設けました。側面には北海道炭礦鉄道のマークが付き、重厚感のある外観となっています。
石炭貨車
かつての幌内炭鉱の石炭を運んでいた貨物列車を模して整備しました。屋根がないため、車内からの眺めがよく開放感があります。また、椅子がないため、好きな場所で旅気分を味わうことができます。復路は先頭車両となるため、蒸気機関車の迫力を間近で体感できます。
鉄道歴史体感プログラム「明治の客車に乗ろう」
明治風に整備した貨客混合列車の体験乗車を実施中です。博物館敷地内にある約200mのコースを往復運行します。また、中央駅や手宮駅での蒸気機関車と客車との連結・切り離しの様子を間近でご覧いただけます。国指定重要文化財「旧手宮鉄道施設」を背景に、往時の鉄道運行システムをお楽しみいただける、全国的にも数少ない貴重な体験ができます。