公開日 2020年10月03日
更新日 2021年03月05日
皆様は、レジオネラ症をご存知でしょうか。
免疫力のない方を中心に感染し、深刻化すると死に至ることもある恐ろしい感染症です。
そこで、このページではレジオネラ症の基礎知識と予防方法について解説します。
レジオネラ症とは?
レジオネラ症とは、「レジオネラ属菌」という細菌によって起こる感染症です。
この菌がヒトの肺胞に到達すると、そこで増殖を繰り返し、肺炎などの症状を引き起こします。
この感染症の中でも、特に注意が必要な症状は「レジオネラ肺炎」です。
高熱や呼吸困難、吐き気、意識障害などを呈し、重篤化すると死亡するおそれもあります。
どのような方が感染しやすいの?
抵抗力の低い方が感染しやすいといわれています。
幼児や高齢者、ほかの病気にかかっている方は特に注意が必要です。
どのような場所が感染源になるの?
感染源になりやすいのは、次の3点の特徴がある場所です。
1.菌にとって快適な温度が保たれている
2.菌の住処となるヌメリ(生物膜)が形成されやすい
3.目に見えない細かな水滴(エアロゾル)を発する
これら3点を満たす右表の施設は、注意が必要といえます。
このほか、噴水などの水景設備も感染源になるおそれがあります。
感染を防ぐためにはどうすればよいの?
ここでは、レジオネラ症の感染を防ぐための方法を、4つの原因別に分けて紹介します。
1.循環式浴槽をお使いの方へ
循環式浴槽については、レジオネラ属菌の感染源になりやすく、市内でも多くの感染事例があります。
そのため、厚生労働省が定めた「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」に即した衛生管理が必要です。
マニュアルは適宜改正され、厚生労働省:レジオネラ対策のページ(外部リンク)に最新版が掲載されます。
特に、マニュアルで規定された水質検査と次の3点については継続を心がけてください。
2.冷却塔をお使いの方へ
稼働中は、エアロゾルとして冷却水が広く飛散するため、衛生な水質の保持が求められます。
そのため、次の3点をしっかりと行うことが大事です。
3.空調機内の加湿機能をお使いの方へ
お使いの空調機に加湿機能が備わっている場合は、次の3点を心がけてください。
稼働前に、加湿方法に応じた水処理装置が備わっていることもご確認ください。
4.加湿器をお使いの方へ
加湿器の水タンク内にヌメリが一度できてしまうと、殺菌自体が難しくなります。
そこで、ヌメリが形成されないように次の3点の衛生管理を継続しましょう。
施設内で感染が疑われる場合は?
レジオネラ症が疑われる患者の発生時は、新たな感染者が発生しないよう次のとおり対応しましょう。
※ヒトからヒトへは感染しませんが、ひとつの感染源から複数の人が感染する特徴があります。
1.原因と考えられる設備の使用を停止
2.その現状を保持したまま、速やかに保健所に連絡
3.保健所の指示に従い、原因究明に協力