公開日 2020年10月16日
更新日 2025年07月24日
E型肝炎とは
E型肝炎はE型肝炎ウイルスに感染することで発症します。主に水や食べ物を介して感染します。近年、わが国においては豚、イノシシ、シカのレバーや加熱不十分な肉の摂食によりE型肝炎を起こした例が複数例報告されています。慢性化することはありませんが、妊婦が感染した場合、重篤な経過をとることが報告されています。
E型肝炎の発生状況は、北海道感染症情報センターホームページ「E型肝炎」(外部サイト)を御覧ください。
感染経路と予防法
【原因】E型肝炎ウイルスによる急性ウイルス性肝炎です。
潜伏期間は平均6週間です。
【感染経路】経口感染
【予防法】
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十分に加熱された飲食物を摂取しましょう
生水、氷、生肉、生野菜などから感染する可能性があります。十分加熱調理してあるものを食べましょう。特に、ブタ、イノシシ、シカを生で食べることは危険です。動物の内臓、特に豚レバーを食べる際には、中心部まで火が通るよう十分に加熱するようにしましょう。途上国では、ミネラルウォーターや、一度沸騰させた水を飲みましょう。カットフルーツなども洗った水が汚染されていることがあるため、皮の傷んだものは食べず、自分で皮をむいて食べるようにしましょう。
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手を洗いましょう
食事の前、トイレの後には十分に手を洗い、E型肝炎患者の糞便からの経口感染を予防しましょう。
E型肝炎のリスクが高い国に関しては、厚生労働検疫所ホームページ「E型肝炎」(外部サイト)を御覧ください。
症状と治療
【症状】多くは、症状なく経過するとされています(特に若年者)。肝炎を発症した場合の臨床症状はA型肝炎に類似し、高率に黄疸を伴います。潜伏期の後に(稀に数日の倦怠感、食欲不振等の症状が先行することもあります)、発熱、悪心・腹痛等の消化器症状、肝腫大、肝機能の悪化(トランスアミナーゼ上昇・黄疸)が現れ、大半の症例では安静臥床(ベッドの上で動かずに安静を保つこと)により治癒しますが、まれに劇症化するケースもあります。
【治療】特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。劇症化した場合には、さらに血漿交換、人工肝補助療法、肝移植などの特殊治療が必要となります。
関連リンク
E型肝炎は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において4類に分類されています。E型ウイルス性肝炎患者及無症状病原体保有者を診察した場合は、直ちに「感染症サーベイランスシステム」より届出をお願いします。届出基準及び届出票については、下記を御覧ください。