公開日 2020年10月18日
更新日 2024年10月08日
(1)がんにかかる危険性が高くなる
「喫煙」というと肺がんのイメージが強いと思いますが、それだけはありません。
口腔がん、食道がん、胃がん、大腸がん、乳がん、前立腺がんなどにかかる危険性も高くなります。
喫煙は、さまざまながんの原因の中で、予防が可能な最大の原因です。
がんで亡くなる人のうち、喫煙が原因の割合は、男性で40%、女性で5%と言われています。
(2)動脈硬化を進行させる
たばこを吸うとLDL(悪玉)コレステロールが酸化されて動脈硬化が進行します。
また、不要なコレステロールを回収しているHDL(善玉)コレステロールも減少させてしまうので、さらに動脈硬化が
進行してしまいます。
血液中の血糖値の高い方、脂質異常がある方、高血圧の方は、喫煙により動脈硬化への影響が更に大きくなります。
(3)肺への影響
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気を聞いたことがありますか?
COPDとは「慢性気管支炎」や「肺気腫」など、長期間にわたり気道が閉塞状態になる病気の総称で、この病気の90%以上が喫煙者です。
たばこなどの有害物質を吸い込むことで、空気の通り道である気道(気管支)や酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が起き、その結果空気の出し入れがうまくいかずに、通常の呼吸ができなくなります。
近年、高齢者の患者さんが増えていて、今後も増えてくると予想されています。
(4)口腔への影響
たばこを吸い始めたばかりの人でも歯肉に炎症が起きて赤くなっていることがありますが、喫煙習慣が長い方は
歯周病の発症や進行リスクは4から9倍に高まります。
その結果、40歳以上では喫煙者は非喫煙者より歯の本数が少ないことがわかっています。
親が喫煙者の場合、子どもの虫歯が2倍ほど多くなることや子どもの歯肉が黒ずむことも調査で明らかになっています。
(5)未成年への影響
20歳までのからだは、成長期にあたります。この時期に喫煙すると、大人より悪影響を受けることが医学的にも明らかになっています。
10代で吸いはじめた人は、がんになりやすいという調査結果も出ています。
⇒未成年者の喫煙防止対策等についてはこちらをご覧ください(外部サイト:厚生労働省最新たばこ情報)