特別展Ⅲ 絵画で見る炭鉄港 三人展 伊藤光悦・輪島進一・羽山雅愉

公開日 2024年08月27日

更新日 2024年10月05日

炭鉄港三人展画像表炭鉄港三人展画像裏
絵画で見る炭鉄港三人展のチラシ(表面)は、こちらからご覧ください。[PDF:320KB]
絵画で見る炭鉄港三人展のチラシ(裏面)は、こちらからご覧ください。[PDF:1.07MB]

趣旨

 「炭鉄港(たんてつこう)」は、北海道の近代化を支えた三都(空知・室蘭・小樽)を結ぶ物語です。空知の「炭鉱」を基軸に、室蘭の「鉄鋼」、小樽の「港湾」、これらを繋ぐ鉄道によって北海道の発展に大きく貢献した北の産業革命を表します。

 炭鉱の街夕張は1890(明治23)年に北海道炭礦鉄道会社が開鉱して以来栄え、北炭、三菱を中心に関連産業も発達していき、1960年には11万人の人口を超える都市となりました。しかしその後石炭から石油へのエネルギー革命により次々に閉山していき、炭鉱の街としての歴史は幕を閉じました。夕張に生まれ、美流渡(現栗沢町)に育った画家、伊藤光悦は、産業構造の変化により街が凄まじい勢いで衰退していった跡をたとり、無人になった炭住、病院などの寂寥感をリアルに表現してきました。

 室蘭は産炭地から運ばれた石炭を積みだす港として発展し、その後近代的な製鉄業により「鉄のまち」「ものづくりのまち」として発展していきます。1987年から3年間室蘭に暮らした輪島進一は、他に類のない日本製鉄の工場景観と企業城下町に圧倒され、作風に大きな影響を受けました。製鉄所の構内見学でその迫力に衝撃を受けたことに加え、1993年から大学院で脳の解剖等を経験し、人間の視覚と創作を結び付ける脳のメカニズムを研究したことから、抜群の描写力で機械と人間を融合させた近未来的な世界が現れます。それは、ときに90年代バブルの世相や、騒音に溢れた現代社会に対する鋭い批判、人間の愚かさへの憐憫となって現れます。

 小樽には、わが国初の本格的な防波堤を備えた港、官営幌内鉄道時代から鉄道輸送の中心となった手宮線が今も残っています。同時に石炭経営に関わった財閥系商社の建ち並ぶ色内銀行街など豊富な歴史遺産があります。羽山雅愉は、1990年代中頃から「黄昏」シリーズと題して、光輝く小樽港の展望風景を描いてきました。港に向かって下る坂道に添って、特徴ある洋風建築が美しい景観を作り出しています。写実的傾向の強い小樽派の伝統のなかで、幻想性を盛り込み、澄んだ色彩と洗練された構図の羽山の作品は異色であり、新しい時代の希望が感じられました。

 北の産業革命「炭鉄港」のストーリーは、令和元年に文化庁が選定する「日本遺産」に認定されており、北海道の新しい魅力として、訪れる人に深い感慨と新たな価値観をもたらしています。
 本展は三都市の特徴を感じ取り、崩壊と新たな構築のさまをライフワークとして描いた三人の具象系画家の絵画の魅力を紹介するものです。

 

会期

令和6年10月19日(土)〜令和6年12月28日(土)

休館日:毎週月曜日(11/4を除く)、11/5(火)、11/6(水)、11/26(火)

 

関連事業 

◆アーティストトーク[第1弾]伊藤光悦
 
日時:10月20日(日) 午前10時から午前11時
 会場:美術館2階企画展示室
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。

◆アーティストトーク[第2弾]輪島進一
 
日時:10月26日(土) 午前10時から午前11時
 会場:美術館2階企画展示室
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。

◆アーティストトーク[第3弾]羽山雅愉
 
日時:11月2日(土) 午前10時から午前11時
 会場:美術館2階企画展示室
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。

◆ミュージアムコンサート 箏咲楽雅会アンサンブルSAKURA
箏コンサート
ミュージアムコンサートのチラシは、こちらからご覧ください。[PDF:567KB]
 日時:11月4日(月・祝) 午後2時から午後2時40分
 会場:美術館2階企画展示室
 出演:箏咲楽雅会、アンサンブルSAKURA
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。

◆朗読公演 室蘭VOX
 『波濤~北の海運王・栗林五朔と栗林商会の物語』

朗読 波濤チラシ
 日時:11月17日(日) 午後1時30分から開演(上映時間およそ100分)
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。
 会場:美術館2階企画展示室
 出演:堀きよ美 氏、高山和也 氏、杉岡龍之介 氏、松本直人 氏、ひらりん氏、
    小倉昭一郎 氏、村田博 氏、平井克彦 氏、東藤遊 氏、伊藤朱里 氏
 音楽:留美 氏
 企画/製作統括:庭山貴行 氏
 製作総指揮:池野貴章 氏
 Special Thanks:庭山淳子 氏
 

◆講演会「小樽の歴史から考える炭鉄港」
蟬塚咲衣講演会チラシ
講演会チラシは、こちらからご覧ください。[PDF:530KB]
 日時:12月14日(土) 午後2時から午後3時
 会場:美術館1階研修室
 講師:蟬塚咲衣 氏(小樽市総合博物館学芸員)
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。

◆ダンスパフォーマンス「無意識と意識」
 日時:12月15日(日) 午後2時から午後2時30分
 会場:美術館2階企画展示室
 出演:直江博子創作バレエ研究所
 定員:50名様(椅子席)
 料金:観覧料のみ
 申込:電話受付(0134-34-0035)に電話してください。

△映像投影:「小樽聖/Holy Otaru」初公演(展覧会期中投影)
 PHOTPOET ©HIHAREAL×Tinpoet
 会場:美術館2階企画展示室 

観覧料(中村善策記念ホール、一原有徳記念ホール共通)

 
-

普通観覧料

(美術館のみご覧になれます)

共通観覧料

(美術館と文学館の両方をご覧になれます)

一般

600円(480円)

700円(560円)

高校生

市内にお住まいの70歳以上の方

300円(240円)

350円(280円)

中学生以下と障がい者(注)

無料

無料

※()は20名様以上の団体料金、

※(注)障がい者:身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方、およびその介護者の方

お問い合わせ

教育委員会教育部 市立小樽美術館
住所:〒047-0031 小樽市色内1丁目9番5号
TEL:0134-34-0035
FAX:0134-32-2388
このページの
先頭へ戻る