市立小樽文学館トップ

公開日 2022年06月04日

更新日 2024年04月16日

市立小樽文学館について

 

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オタブン(市立小樽文学館)(@otabun_otaru) / Twitter

ご利用案内

休館日

毎週月曜日、祝日の翌日(ただし土・日にかかる場合、土日は開館し、次の火曜日が振替休館となります。祝日が月の場合は月曜開館、火・水が振替休館となります。)、年末年始(12月29日〜1月3日)

※上記以外に臨時休館する場合もございます。

イベントのお知らせ・ミュージアムカレンダー | 小樽市 (otaru.lg.jp)

開館時間

9:30〜17:00(入館は16:30まで)

アクセス

○JR小樽駅から徒歩でおよそ10分
(国道5号線を札幌方向へ進み、産業会館の交差点を海側方向へ左折。手宮線跡地及び日銀金融資料館の近くです)
○中央バス「本局前」バス停から徒歩でおよそ5分
○無料駐車場(約20台)が利用できます。

  • 駐車場は施設の海側にございます。
  • イベント開催時などの混雑時はご利用いただけない場合があります。(近隣の有料駐車場をご利用ください)
  • 障がい者用駐車場をご利用の方は職員にお知らせください。

入館料

展示をご覧いただくのには入館券が必要です。1階チケット窓口でご購入ください。(現金のみ)

文学館には一部、無料スペース(無料展示スペース、古本コーナー、休憩コーナー)もあります。また、建物1階には他にもミーティングルームやギャラリーなど無料スペースがあります。

無料スペースのみのご利用の場合、入館券は不要です。

共通入館券

同一の日に限り、同じ建物に入っている市立小樽文学館と市立小樽美術館、両方の展示をお得にご覧いただけます
一般600円(480円)
高校生300円(240円)
市内にお住まいの70歳以上の方300円(240円)

※開催中の展覧会によっては料金が変わる可能性があります。

※()内は20名以上の団体料金です。
※中学生以下の方は無料です。
※身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方、およびその介護者の方は無料です。

普通入館券(文学館のみの入館券)

市立小樽文学館の展示のみご覧いただけます
一般300円(240円)
高校生150円(120円)
市内にお住まいの70歳以上の方150円(120円)

※()内は20名以上の団体料金です。
※中学生以下の方は無料です。
※身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方、およびその介護者の方は無料です。
※特別展の場合、料金が変わることがあります。

 

 

小樽は、北海道では函館についで古くから開かれた港町であり、かつて北海道経済の窓口としてたいへんにぎわいました。市内の随所に残る古い街並や重厚な建築に、当時の盛況をしのぶことができます。経済的繁栄を背景に、文学・美術などの文化面においても才能豊かな少・青年たちが全国から集い、互いに励まし、批判しあいながら成長していきました。そのなかから小林多喜二、伊藤整をはじめ大勢の優れた作家が生まれたのです。

これらの作家の著作や文芸誌、また原稿、書簡などの資料類は、現代の私たちに遺された貴重な文学的財産といえます。その散逸を惜しみ、また損傷を防ぐための施設をつくりたいという市民の声が実を結び、昭和53年11月3日市立小樽文学館が開館しました。文学館では、収蔵された資料の保管に万全を期すとともに、将来にわたっての文化の糧とすべく十分に活用されるように努めています。資料の一部は、作家の業績を解説したパネルや、写真などとともに展示紹介しています。これらの展示は小樽の風土と文学とのかかわりを考える糸口となることでしょう。収蔵資料は展示しているものも含め、閲覧研究室でご覧いただくことができます。
常設展示のほかにも文学にかかわる様々なテーマによる特別展や企画展の開催、文学講座や作家と作品ゆかりの場所を訪ねる文学散歩なども実施しています。これらの催しにもぜひお気軽にご参加ください。

おもな収蔵資料

展示していない資料をご覧になりたい方は、事前に文学館にご連絡ください。

石川啄木

伊藤整

(1886-1912)
高田紅果・宮崎郁雨・金田一京助の啄木を偲ぶ色紙、紅果原稿「啄木在住時代の思出」、紅果旧蔵啄木関係書籍、他

 

小林多喜二

小林多喜二

(1903-33)
友人宛書簡、書込入旧蔵書、妹への署名献呈本『東倶知安行』、戦旗社版『蟹工船』初版、葬儀香典控、デスマスク、死亡を報ずる新聞記事、虐殺に抗議するビラ、他

市立小樽文学館 小林多喜二資料(令和5年3月)[PDF:733KB]

市立小樽文学館 小林多喜二資料(令和5年3月)[CSV:22.8KB]

 

伊藤整

石川啄木

(1905-69)
戦前刊行分全著作、川崎昇宛詩稿付書簡、書込入旧蔵英単語帳、色紙、他

 

岡田三郎

(1890-1954)
『巴里』跋文原稿、同署名本、『秋・冬』『物質の弾道』などの著作と草稿、日記、井伏鱒二筆三郎肖像戯画、三郎宛伊藤整・尾崎士郎他作家書簡、他

早川三代治

(1895-1962)
『土と人』4部作他全文芸および経済学関係著作、『ル・シラアジユ』原稿、同人誌『白夜』、他

八田尚之

(1905-64)
『罪』原稿、『ふるさとの詩』詩幅、同舞台模型、映画・演劇脚本、他

石塚喜久三

(1904-87)
「続纏足の頃」所載『散文派』、『回春室』、『情婦』、『肉体の山辺』、他

川端克二

(1911-45)
『北海の男』原稿、『霧海』、自筆作品目録、メレヨン島従軍日記、他

小田觀螢

(1886-1973)
全歌集、『北海道歌壇史』原稿、歌幅、色紙、短冊、觀螢宛太田水穂・安倍能成書簡、『新墾』創刊号、旧蔵文芸投稿誌『文章世界』、他

戸塚新太郎

(1899-1965)
文芸誌『おれたち』『群像』『クラルテ』『北方文芸』(第一次)『新機械派』、歌詩『新樹』『原始林』(第一次)を含む旧蔵書約2,200冊、歌幅、他

並木凡平

(1891-1941)
歌集『赤土の丘』『廃舶のマスト』、□語短歌誌『新短歌時代』、同『青空』、「グラスに刻む歌」原稿、「常盤町・大町日記」原稿、中村善策筆凡平肖像画入歌幅、色紙、短冊、凡平コップ、歌人表札、他

比良暮雪

(1898-1969)
『北海道樺太新季題句集』、同原稿、『緑丘吟社会報』、句稿ノート、短冊、句幅、暮雪宛高浜虚子・飯田蛇笏書簡、他

田中五呂八

(1895-1937)
『新興川柳詩集』、『新興川柳論』、川柳誌『氷原』、短冊、他

小熊秀雄

(1901-40)
『小熊秀雄詩集』、『飛ぶ橇』、『流民詩集』、他

吉田一穂

(1898-1973)
詩集『海の聖母』、名達博宛書簡、書「鎮魂歌」、詩幅「白鳥」、『自然児』第1輯、他

宮原晃一郎

(1882-1945)
宮原宛有島武郎書簡、「(われは)海の子」入選通知、童話集『竜宮の犬』、宮原訳ハムスン著『飢ゑ』、他

その他

●他に、沙良峰夫、大野百合子、左川ちか、村木雄一、東郷克郎、岡崎信男、違星北斗、小納迷人、松原地蔵尊、高浜年尾、矢田枯柏、八橋栄星、清水冬眠子、佐藤冬児、牧屋善三、林容一郎、高崎徹、河原直一郎、山中恒、石原慎太郎関係資料等

小樽文学館では、よりいっそう内容の充実を図るため資料収集に努めています。上記の作家、およびそのほか小樽に関連のある文学資料全般についての情報などご提供いただけましたら幸いです。

小樽の文学者たち

小樽高商(現小樽商科大学)でともに学び青春時代を過ごしながら対照的な、しかしそれぞれに昭和近代の日本文学の本流を歩んだ二人の作家、プロレタリア文学の小林多喜二、知識人文学の伊藤整と、日本独自の発展を遂げた<私小説>の作家、岡田三郎が小樽をゆかりの地とする代表的な小説家といえるでしよう。個性と立場の違いをこえて、北海道、そして近代日本に対して問いかけた彼らの問題意識は、亀井勝一郎が小樽の地に育った文学的思潮として語った<リアリズム>という言葉に集約されるようです。
北海道漂泊の途上足をとどめた小樽で社会主義思想に初めて触れた石川啄木、北方の叙情を骨太にうたいあげた小田觀螢、庶民生活の哀歓を素朴に描いた口語短歌の並木凡平、劇作家の八田尚之、凡平に師事し、偏見と無理解に抗いながら<アイヌの誇り>をうたいつづけた違星北斗。
詩人では、伊藤整に導かれ、より現代的な詩才をあらわしながら二十代半ばで世を去った左川ちか、清潔でゆかしい抒情に満ちた作品を遺してやはり早世した大野百合子、<白鳥古丹>より、時間に腐食されない硬質の抒情を築いた言葉の彫刻家吉田一穂、多くの作家が沈黙した時代、独自の口語体を駆使して状況を風刺し続けた小熊秀雄。
また、高浜虚子の長男年尾を中心として小樽高商に集い、巣立った比良暮雪ら俳句グループ緑丘吟社の青年たち、近代俳句の伝統を忠実に守りつつ郷土俳句に新機軸を画した矢田枯柏、新興俳句運動の一大拠点『句と評論』を発刊する松原地蔵尊。
「川柳は詩なり」の主張のもとに、理論、実作ともに全国的な新興川柳運動を展開した田中五呂八、五呂八の指導を受けたアナキズム川柳の八橋栄星、プロレタリア川柳の鶴彬。メレヨン島に戦病死するまで困難な戦いを克明に記録した川端克二、国策文学の一端を担わされながらも、非圧迫民族への同情を込めてその苦悩と願いを描き芥川賞を受賞した石塚喜久三、有島武郎と親交を持ち、かたわら数々の童話を発表、北欧文学の先駆的な紹介者となつた宮原晃一郎、有島武郎の影響のもとに農業経済学の学究生活のかたわら、虹別開拓農民の悲惨な姿を通して農業世界の崩壊を予知した早川三代治。
これらの人々の文学は、明治開化以来の日本の近代化と軌を-つにした<北海道開拓>とは果して何であったかという問いを静かにあるいは鋭く投げかけ、昨日と明日をつなぐ海港小樽の浮標、すなわち今日私たちの指標ともいえるでしよう。

関連サイト

 

小樽文学舎(外部サイト)

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お問い合わせ

教育委員会教育部 市立小樽文学館
住所:〒047-0031 小樽市色内1丁目9番5号
TEL:0134-32-2388
FAX:0134-32-2388
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