公開日 2020年12月04日
更新日 2021年03月19日
1. 北海道の高速道路整備について
北海道は、国土の約22%を占める広大な面積に179の市町村(平成27年1月1日現在) が点在する広域分散型社会を形成しており、道路交通への依存度が非常に高くなっています。
しかし、高速自動車国道の供用率は北海道を除く全国で約78%であるのに対し、北海道では約53%と大きく立ち遅れており、道内主要都市や地方生活圏間を結ぶ高速交通ネ ットワークの形成が十分図られていない現状にあります。
こうしたことから、地域間の経済格差を是正し、道内外人流・物流を初め、交流の活発化や、 観光・産業振興など各地域の均衡ある発展を目指すためには、高速交通ネットワークの整備が必要です。
2. 北海道の高規格幹線道路網図
3. 北海道横断自動車道黒松内・小樽間の概要
小樽市と黒松内町を結ぶ「北海道横断自動車道黒松内〜小樽間」は、国土開発幹線自動車道建設法に基づき、建設することが定められた高規格幹線道路の一つ(いわゆる国幹道)「北海道横断自動車道黒松内釧路線」(総延長412キロメートル)の一部です。
このうち、「余市〜小樽間」約23.4キロメートルは、平成18年4月に東日本高速道路(株)の有料道路方式により事業着手され、平成30年度末の完成に向けて用地取得を進めており、トンネルや下部工などの土木工事が本格化しています。
一方、「黒松内〜余市間」約74キロメートルは、現在、基本計画区間ですが、平成22年11月に「国土交通省所管公共事業における政策目標型事業評価の導入についての基本方針(案)」に基づく計画段階評価の試行個所として選定され、北海道地方小委員会において審議され、平成23年12月に、倶知安〜余市間を別線で整備することを検討する区間とした対応方針が決定されました。 その後、平成26年3月、社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会において、平成26年度予算に向けた道路事業(直轄事業)の新規事業採択時評価について、一般国道5号(北海道横断自動車道) 倶知安余市道路(共和〜余市)の新規事業化は妥当であるとの結論に達し、平成26年度に倶知安余市道路(共和〜余市)約27.6キロメートルが新規事業箇所として着手されました。今後は、この区間の早期整備と残る「倶知安〜共和間」の早期事業着手が望まれます。
4. 北海道横断自動車道黒松内・小樽間〜これまでの経過
昭和62年9月 | 黒松内・小樽間が国土開発幹線自動車道の予定路線となる |
平成3年12月 | 小樽・倶知安間と黒松内町大成・白井川間が国土開発幹線自動車道の基本計画路線となる |
平成9年2月 | 黒松内・小樽間(約108キロメートル)全線が国土開発幹線自動車道の基本計画路線となる |
平成9年12月 | 黒松内インターチェンジ事業着手 北海道横断自動車道と北海道縦貫自動車道を連結する一般国道5号の自動車専用道路「黒松内道路」(4.7キロメートル)事業着手 |
平成11年12月 | 余市・小樽間都市計画決定 |
平成11年12月 | 余市・小樽間が国土開発幹線自動車道の整備計画路線となる |
平成17年10月 | 日本道路公団が民営化される。北海道は東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)の管轄となる。 |
平成18年4月 |
余市・小樽間(23.4キロメートル)事業着手 小樽ジャンクション(暫定ハーフ整備) インターチェンジ(接続道路):小樽西インターチェンジ(道道小樽環状線) |
平成19年4月 | 東日本高速道路(株)小樽工事事務所開所 |
平成21年8月 | 朝里川温泉町会及び新光東町会地区連絡協議会との設計協議確認書調印式(初の確認書締結) |
平成22年11月 | 「国土交通省所管公共事業における政策目標型事業評価の導入についての基本方針(案)」に基づく計画段階評価の試行個所として選定 |
平成23年3月 | 「北海道横断自動車道 伍助沢地区附帯工工事」の入札、契約(余市・小樽間の初の工事) |
平成23年12月 | 計画段階評価において、倶知安〜余市間を別線で整備することを検討する区間とした対応方針が決定 |
平成26年3月 |
平成26年度予算に向けた道路事業(直轄事業)の新規事業採択時評価で、一般国道5号(北海道横断自動車道) 倶知安余市道路(共和〜余市)の新規事業化が妥当との結論 |
平成26年3月 |
個別事業予算額(箇所付け)内示 国道5号 倶知安余市道路(共和〜余市) 延長27.6キロメートル 事業費 100,000千円 (新規総事業費 1,090億円) |
図:NEXCO東日本提供