公開日 2020年10月10日
更新日 2022年06月17日
食肉は腸管出血性大腸菌O157、カンピロバクター属菌、サルモネラ属菌などの食中毒菌のほか、E型肝炎ウイルス、寄生虫に汚染されている場合があります。
生や加熱不十分の食肉を食べたことによる食中毒は全国的に発生しており、重篤化した例もあります。
食肉を食べるときは、以下のことに注意し食中毒を防ぎましょう。
バーベキューなどで加熱不十分な肉を食べたことが原因とみられる腸管出血性大腸菌集団感染が発生しています!
バーベキューやキャンプなどの行楽シーズンが始まります。
札幌市において、バーベキューなどで加熱不十分な肉を食べたことや生肉と加熱後の肉を取り扱う器具の使い分けに不備があったことが原因と考えられる腸管出血性大腸菌の集団感染事例が発生しています。
焼肉やバーベキューでは、生肉と焼いたあとの肉を掴む器具をきちんと使い分け、中までしっかりと加熱しましょう。
食肉はよく加熱して食べましょう
生食用として加工されていない食肉は、新鮮なものかどうかに関わらず食中毒の危険性があります。
食肉は、解体処理の過程で動物の体内にいた食中毒菌が付着したり、E型肝炎ウイルスや寄生虫に感染している場合があります。
食中毒菌やウイルス、寄生虫は食肉の内部まで入り込んでいる場合があり、表面を洗っても除去できません。
食中毒菌やウイルス、寄生虫は加熱によって死滅します。食肉はよく加熱して食べましょう。
豚や野生鳥獣(ジビエ)の食肉を生で食べるのは危険です
豚レバーをはじめとする豚肉、イノシシ、シカの食肉を生や加熱不十分の状態で食べると、E型肝炎ウイルスに感染する危険性があります。
E型肝炎は劇症化し死に至る場合もあります。
また、豚レバーを生や加熱不十分の状態で食べると、サルモネラ、カンピロバクターなどの細菌による食中毒を発症する危険性があります。
海外では、豚からの寄生虫への感染も報告されています。
イノシシやシカなどの野生鳥獣(ジビエ)についても、E型肝炎ウイルスのほか、どのような病原体を保有しているか分からないことから、生や加熱不十分の状態で食べるのは危険です。
豚肉を生食用として提供、販売することは、平成27年に法律の規定により禁止されています。
牛レバーを生で食べるのは危険です
牛レバーは内部からも腸管出血性大腸菌が検出されています。
腸管出血性大腸菌は、少数の菌(2個から9個)でも重篤な疾患を併発して死に至る場合がありますので、牛レバーを生や加熱不十分の状態で食べるのは危険です。
牛レバーを生食用として提供、販売することは、平成24年に法律の規定により禁止されています。
生のひき肉を使った製品は中心部まで加熱しましょう
メンチカツやハンバーグなどの生のひき肉から作られる製品は、動物の種類に関わらず、ひき肉に付着している食中毒菌が中心部まで入ってしまいます。
多くの食中毒菌は75℃で1分以上の加熱で死滅することから、中心部まで火を通すことが重要です。
しかしこれらの製品は、外側が焼けていても、中は生焼けになっていることがあります。
中心部まで火が通っているか不安な場合は、肉汁の色や断面の色など見た目での確認が重要です。飲食店や給食施設では、中心温度計を使用して中心温度を計測している場合もあります。